「Instagramって何?」から始まった、地方メーカーでの副業挑戦記
前職の株式会社AoyamaLabにいた頃、私は規模もジャンルもバラバラな、300を超える仕入先企業さまと向き合っていました。
そこで目にしたのは、驚くほど素晴らしい商品を作っているのに、写真が少しイマイチだったり、書類のやり取りがスムーズにいかなかったりする地方の企業さまの姿でした。
「もったいない……! こんなに良い商品なのに」
最初は小さなもどかしさでした。それが日が経つにつれて、「私ならこうするのに」「こう変えたら、もっとたくさんの人に届くはず!」という強い想いへと変わっていったのです。
「地方の隠れた名品を、もっと世の中に広めるお手伝いがしたい」
そんな一歩から、私の初めての「副業」という形での挑戦が始まりました。
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■ 都会の常識が通用しない!「Instagramって何?」という壁 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
お手伝いすることになったのは、地方にある、小さくて歴史のある水産加工メーカーさんでした。 そこは、まさに昔ながらの古い体質が残る場所。
「Instagramなんてやって、本当に意味があるの?」 「ECサイトさえ作っておけば、勝手に売れるんでしょ?」 「(新しいことを始めるのは)周りに言いづらいから、こっそり進めてね」
私がそれまで当たり前だと思っていたECやSNSの常識が、ガラガラと音を立てて覆るような毎日でした。
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■ 「インスタだけじゃ変わらない」枠を超えて見えてきた山積みの課題 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
当初、私は「Instagram運用担当」としてチームに加わりました。 けれど、実際に中に入って並走していくうちに、ハッキリと分かったことがありました。
売上が伸びない原因も、認知が広がらない理由も、決してSNSの中だけにあるのではない、ということ。
・販売する商品そのものの見直し
・パッと目を惹くビジュアルへの改善
・ECサイトの使いづらい設計の修正
・現場の人員配置のバランス
目を向ければ、見直すべきポイントは山積みでした。 けれど、現場で働くみなさんは、それを「問題だ」とも思っていません。そもそも、何をどう手をつければいいのかすら分からない状態だったのです。
「私の担当はインスタだから」と線を引くのは簡単でした。でも、それではこの大好きな商品たちが埋もれたままになってしまう。
そう思った私は、SNS運用の枠を飛び越えて、あらゆるテコ入れに挑戦することを決めました。
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■ 自信の喪失、現場との温度差。それでも考え続けた先に ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
実は、絶対に伸ばせるという根拠のない自信がありました。 この副業を始めるにあたって、検証用に個人で立ち上げたInstagramアカウントが、半年で月間50万PV、フォロワー6,000人近くまで急成長していたからです。
ところが、いざ地方メーカーさんのアカウントを動かしてみると、結果は鳴かず飛ばず。
「私にできることは何だろう?」 「何が足りないの?」 「都会の目線で綺麗に整えただけの投稿は、この企業には求められていないんじゃないか?」
毎日自問自答を繰り返しました。さらに、新しい変化を受け入れにくい現場との「温度差」という大きな壁にもぶつかりました。
突破口を開いてくれたのは、私の悩みや提案に深く耳を傾け、理解してくれた一人の社員さんの存在でした。そこから、私たちは二人三脚で体制を立て直していくことになります。
「綺麗に見せるだけの投稿はやめよう。もっとリアルを届けよう」
「季節ごとのギフト企画を新しく立ち上げてみよう」
アイデアを出し合い、一つひとつ泥臭く形にしていきました。 初めて自宅での商品撮影にも挑戦しました。
今までたくさんの商品画像を見てきたからこそ、「どんな写真なら、スマホの画面でパッと魅力的に見えるか」の正解は、身体が覚えていました。
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■ 「器用貧乏」な私の引き出しが、誰かの力になる ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
そうして粘り強く動き続けて半年。 少しずつ、でも確実に、数字という結果が出始めました。
アパレルでの経験、ECの分析、物流や貿易事務、そして個人のSNS検証。これまで色々な現場を経験してきた私のキャリアは、ときに「器用貧乏」なんて言われることもありました。
けれど、この副業を通して気がついたのです。 私の歩んできた道のりは、何ひとつ無駄ではなかったということ。カオスな状況であればあるほど、自分の引き出しから次々と道具を取り出して、どんな問題にも立ち向かえる「仕事の筋肉」が私にはある。
初めての副業は、自分の可能性に改めて気づかせてくれる、大切な体験となりました。
これまでのたくさんの現場で鍛え上げたこの筋肉を武器に、私はこれからも、自分の役割に線を引かず、目の前の課題にワクワクしながら飛び込んでいきたいと思っています。