個展「春夢」開催記録|花と無常について
2月21日、22日の二日間、カフェ&ギャラリーmuun南麻布にて、作家年として二度目となる個展「春夢」を開催いたしました。
当日会場に足を運んでくださった皆さま、応援や労いのメッセージをくださった皆さま、本当にありがとうございました。実際に作品を見ていただけたり、嬉しいお言葉をいただいたりと、心の底から幸せな二日間でした。
画面越しでは伝わりきらない存在感やニュアンス、細かい色使いなどを感じ取っていただけていたようで、作家としてはとても嬉しかったです。
また、ペンで制作している原画や似顔絵制作もご好評いただけてほっとしています。
「花」をモチーフとした作品について
日々制作を続ける中で、普段描いている女性の髪と背景が溶け合うようなシンプルな作品も好きだけれど、どこかで変化を加えたいと感じていました。
そんな時、昨年の春に大阪で開催されたグループ展「花らんまん」への出展をきっかけに「花」をモチーフとした制作を始めました。
実は現在の作風に至る以前、「花と女の子」をテーマに描いていた時期があり、今回の作品群は少しだけその頃に立ち戻ったような感覚でもあります。
今までは「女性の内面性」を主題とし、女性の「身体」のみを切り取ってフォーカスした作品制作を続けてきました。そこに「花」を加えるということは、「花」の持つ可憐さやたおやかさ、花言葉や個人的な思い出などの意味が付け加えられ、主題である「女性の内面性」を拡張できるのではないかと私は考えています。
タイトル「春夢」について
今回の個展のタイトルは「春夢(しゅんむ)」と名付けました。
二月の終わりに開催するということは春の始まりだから、春らしい名前がいいなぁというのが最初のアイデアです。
そこから、大好きな三島由紀夫の「春の雪」に似たような名前がいいなと考えていたところ、平家物語の「ただ春の夜の夢のごとし」という一節を思い出し「春夢」となりました。
裏テーマは「平家物語」
タイトルに「ただ春の夜の夢のごとし」を引用しただけあって、実は裏テーマは「平家物語」でした。
栄華を極めた平家一族が滅んでいく無常さを描いた「平家物語」。とても儚く切ない結末で彼彼女らはもう消えてしまったけど、確かに生きていたという事実は後の時代にまで「永遠」に消えることがない。
そのことになぞらえ「どんなに大切な感情も記憶もいつか消えてしまうけど、確かに存在したという事実は消えることがない」という願いを、今回の個展の作品たちには込めています。
今回の個展に関わって下さった皆さま、本当にありがとうございました!
「春夢」というタイトルが似合うような、春らしくあたたかい光に包まれた日に開催できたことも、忘れられない思い出です。
また一年後、どこかで作品をお見せできるよう、これからも制作を続けていきます。
その時は、またぜひお立ち寄りください。