生成AI活用法脳トレ 6問目
Photo by Rafael Peier on Unsplash
【6問目】「3つの業務」を貫く一本のデータ。AI下書き×人間レビューで生み出す現場の余裕
ビジネス脳トレは、いよいよ第6問目に突入しました。課題の本質を見極める「問題定義力」に合格点をもらった私が次に挑むのは、「AIで何ができるか」の引き出しを広げ、限られた予算内で最大の効果を出す「業務設計」のフェーズです。
今回の舞台は、生徒数は増えているものの、現場の講師たちに大きな負担がかかっている学習塾。AIベンチャーの面接でも定番と言える、リアルな実務案件です。
【お題:学習塾の講師の負担軽減と満足度向上】
講師が「保護者への報告書作成」「面談準備」「学習計画作成」の3つの業務に追われている。予算は500万円。個人情報は外部AIに送れないという制約がある中で、講師の負担を減らし、かつ保護者の満足度を向上させるにはどうするか?
誰もが別々に考えがちな業務を、データで「一元化」する
今回のお題を見て、私はある重要な共通点に気がつきました。
「報告書」「面談」「学習計画」と、一見すると3つの異なる業務に見えますが、実はこれらはすべて「同じ生徒のデータ」を元にしているはずだ、ということです。
塾に通う生徒たちに必要なデータ(学年、受験の有無、直近の成績、親御さんの温度感など)を整理し、個人を特定できないよう生徒番号で管理すれば、セキュリティの制約もクリアできます。
「3つのシステムを別々に作る予算はない。ならば、1つの元データからAIに3パターンの資料(下書き)を一気に作成させればいい」
500万円という限られた予算を踏まえ、私はこの効率的なアプローチを提案しました。
もちろん、すべての文章をAIに丸投げするわけではありません。教育の現場だからこそ、最後は生徒の個性をよく知る講師が内容を確認し、修正を加えて完成させる「AIが下書きし、人間がレビューする」という、確実で現実的な運用フローを組み立てました。
成果を測る指標(KPI)には、これらの作業にかかる時間や残業時間の減少率を設定し、現場の痛みをダイレクトに解決しにいったのです。
ChatGPTからのフィードバック:「チャットボット」の先にある「情報整理」の価値
提出した案に対し、ChatGPTは「複数の業務を一つのデータに統合した着眼点は、まさにプロのCS(カスタマーサクセス)の手法。100点満点中85点!」と、非常に高い評価をくれました。
しかし同時に、ビジネスパーソンとしての視野をさらに広げるための「あと15点」の盲点を突かれました。
1. 忘れてはいけない「社長(経営層)のこだわり」を拾う
今回のKPIとして私は「残業時間の削減」を挙げましたが、社長の要望には「保護者の満足度も上げたい」という強い想いがありました。
実務の提案では、現場の効率化だけでなく、「保護者アンケートの満足度」や「塾の継続率」といった、経営側が気にする指標もセットで追う姿勢を見せるべきでした。
2. AIの役割を「文章作成」だけで終わらせない
最近の私は、AIの使い方が「報告書を書かせる」といった文章生成に偏りがちになっていました。
しかし、実務で本当に講師が助かるのは、面談前の「情報整理」だったりします。 「来週の面談相手は〇〇くんだ」となった時、AIが過去のデータを瞬時に検索・要約し、「前回の面談では数学を伸ばしたいと言っていました」「今月は英語が15点向上しています」「宿題の提出率が大幅に上がっています」といったポイントを一覧で出してくれる。
これこそが、AIの「情報整理・検索」の強みを活かした、面談の質(保護者満足度)を劇的に上げるアプローチだったのです。
脳トレを終えて:技術の知識よりも大切な「業務設計力」
今回のセッションを通じて、ChatGPTからとても心強い言葉をもらいました。
「今のあなたは、最新のAI機能を詳しく知っていることよりも大切な、『今の業務フローはどうなっていて、どこを削ればいいか』を組み立てる業務設計力の筋がとても良い」
AIベンチャーの現場でも、高度なプログラミングの知識より、顧客の業務をきれいに整理して導入の優先順位をつける力の方が圧倒的に求められます。私の中に、その基礎がしっかりと出来上がってきていることを実感しました。
課題を発見し、業務を整理する。この自分の得意な型に、今後は「文章作成」「情報整理」「検索」といったAIの具体的な使い方の引き出しをカチッとはめ込んでいく。その感覚が掴めた、大きな一歩となるノックでした。
(7問目へ続く)