TSURU KAWAGOEは、企業や人、そして何かに挑戦する人を応援するために生まれました。
私たちの活動を大きく括るなら、「プロモーション」と「ブランディング」です。インターネットとアナログ、双方の媒体を使いながら、どのように知ってもらうか。どうすれば興味を持ってもらえるか。そして、その企業やサービス、商品の価値そのものをどう高めていくか。そのための方法を考え、形にしています。
ただ、TSURU KAWAGOEが提供したいものは、単にWebサイトや広告を「つくること」ではありません。私たちが本当に大切にしているのは、「なぜ、それをつくるのか。」その問いから始めることです。
目次
01つくれるものから、考えない
TSURU KAWAGOEが扱う領域は、一つではありません。アナログの領域では、名刺、企業ポスター、パンフレット、イベントブースなどの設計。デジタルの領域では、WebサイトをはじめとしたWeb開発、グラフィックデザイン、3D表現、業務効率化を目的としたシステム開発など。
ただし、これらはあくまで「手段」です。私たちは「何がつくれるか」から提案を始めるのではなく、そのお客様、そのプロジェクトに何が必要なのかから判断します。
Webサイトが必要だと思って相談を受けても、課題を紐解いてみれば、本当に必要なのはWebサイトではないかもしれない。広告を出すより、既存サービスそのものを整理した方がいいかもしれない。新しく何かをつくるより、すでに持っているものの伝え方を変えた方がいいかもしれない。
必要な技術が私たちの専門外であれば、その領域について考えた上で、適切な技術や専門家を選定することも一つの仕事だと考えています。最初から制作物を決めるのではなく、「何を実現したいのか」を見つけ、そのために必要な手段を選ぶ。TSURU KAWAGOEの仕事は、そこから始まります。
02「なぜつくるのか」をサービスにする
ものをつくること、生産することだけが私たちのサービスではありません。なぜ、それをつくるに至ったのか。さらにその前には、どんな課題があったのか。そして、もっと根本まで辿ったとき、その人や企業は、何を実現したいのか。
TSURU KAWAGOEは、この「考えること」自体を、最大のサービスとして提供したいと考えています。ただ、ここで一つ疑問があります。これは本当に、TSURU KAWAGOEだけの特別な考え方なのでしょうか。
プロモーションやブランディングに携わるのであれば、本来はごく当然の意識なのかもしれません。むしろ、最低限クリアすべきことであり、仕事を始める前のマインドセットに過ぎない。では、その先に何があるのか。TSURU KAWAGOEを始めてから、私はそこを考えるようになりました。
03言葉が、形になるまでの溝
一般的な制作の流れを、とても大きく分けて考えてみます。提案者・設計者が、まだ存在していないものを考え、空想を具体的な情報へ変える。デザイナーが、その情報を視覚的な「面」として描く。そしてエンジニアや生産者が、それを実際に機能する「形」へと起こしていく。
もちろん実際の制作には、その間にもっと多くの工程と専門家が存在します。ただ私は、この流れの中に、以前から一つの「溝」を感じていました。

TSURU KAWAGOE代表のMotoharu Tsuboyamaは、営業から企画、設計、デザイン、エンジニアリングまで、一連の工程を経験してきました。だからこそ、それぞれの工程に立ったときに見える景色の違いを感じることがあります。
お客様から最初に受け取った言葉。その言葉の背景にある感情や課題。企画者が考えた意図。デザイナーが解釈した表現。エンジニアが実装する機能。工程が進むにつれ、多くの人の解釈が加わります。
それ自体は決して悪いことではありません。専門家が介在するからこそ、考えは磨かれていきます。一方で、仕方のないことでもありますが、お客様の最初の「言葉」から遠くなるほど、本質が少しずつ希釈されてしまうことがある。私は、その距離をどうすれば縮められるのかを考えるようになりました。
04平面のデザインから、立体のデザインへ
空想は、企画になった。企画は、デザインになった。デザインは、実装されて形になった。それでも私は、それだけではまだ「立体」ではないと感じています。あえて言葉にするなら、そこには「動き」が足りない。
ここでいう動きとは、単なるWebサイトのアニメーションや映像表現のことではありません。そのデザインに触れた人が、どう動くのか。何を感じるのか。何を理解するのか。その後、何をしたくなるのか。そして、その体験によって商品やサービスとの関係がどう変わるのか。そうした、人とデザインの間に生まれる変化そのものです。
訪れた人に、どのような体験をしてもらうのか。「楽しい」「便利」「また使いたい」。それだけがUXのゴールなのでしょうか。「わかりやすい」「迷わない」「操作しやすい」。それだけがUIのゴールなのでしょうか。そしてエンジニアは、与えられた要件を実装するだけでなく、ペルソナやターゲット、さらにはその要件が生まれた理由まで見ることができているでしょうか。私は、そこにまだ大きな可能性があると思っています。

05広告と商品は、もっと近づける
今行っているその工夫は、本当にプロモーションを良くするだけのものでしょうか。それとも、実際の商品やサービスの価値まで高めることができるのでしょうか。
例えば、街中を歩いているとします。目の前に、あるチョコレートのプロモーション動画が流れている。映像がおいしそうで、思わず足を止める。通常であれば、そこで商品を知り、興味を持ち、後から店舗を探したり、Webで検索したり、通販サイトへアクセスしたりするでしょう。
では、映像の中にいる人から、そのままチョコレートを手渡されて、実際に食べることができたらどうでしょう。もちろん、今は夢のような話です。しかし、それが実現すれば、「プロモーション」と「商品を体験すること」が限りなく融合した状態だと思います。
どれだけ優秀な広告であっても、商品やサービスに辿り着かなければ、「いい広告だった」で終わってしまう。広告として記憶されることと、商品そのものの価値を体験してもらうことの間には、まだ距離があります。私は、その距離をもっと短くできるのではないかと考えています。
06本質に対するUI / UX
広告は、知ってもらうきっかけを増やすためにあります。けれど、それを単なる購買意欲を高めるための「経由地」にしたくない。広告そのものが、商品やサービスの価値を高める体験の一部として機能する。それができれば、プロモーションの役割は少し変わるのではないでしょうか。
例えば、良い宿をインターネットで見つけたとします。美しい写真を見る。客室を見る。料理を見る。設備を見る。口コミを読む。それでも、その宿の本当の価値は、実際に泊まらなければわかりません。これは当たり前のことです。
では、その「当たり前」の距離を少しでも縮められないでしょうか。画面を見ているだけなのに、あたかも泊まったような感覚を少しだけ体験できる。朝、障子越しに入ってくる光。部屋から見える景色。館内を歩く感覚。料理が運ばれてくるまでの時間。夜の静けさ。あるいは現実の宿泊ではできないような視点や体験まで、デジタルだからこそ提供する。
そうすれば、単に宿を「紹介する」のではなく、宿泊する前から、その宿が持つ価値の一部を体験してもらうことができます。価値を伝えながら、同時にコンバージョンまでの距離を縮める。私は、これが本質に対するUI / UXであり、プロモーションと実体験の間にある溝を埋める一つの考え方なのではないかと思っています。

07三者の「動き」が、デザインを立体にする
企画設計者が考える。デザイナーが描く。エンジニアがつくる。それぞれが、上から降りてきた指示を理解して、自分の担当範囲のタスクをこなす。それだけでは、本当の意味で一つのものをつくっているとは言えないのかもしれません。
企画設計者は、表現と技術の可能性を知る。デザイナーは、企画の背景と実装の可能性を知る。エンジニアは、なぜこの企画が生まれ、誰に何を届けようとしているのかを知る。三者が互いの領域へ少しずつ歩み寄る。そこで初めて、それぞれの考えが融合します。

私は、その融合から生まれるものを「トータルデザイン」と捉えています。そして、それぞれの専門家が自分の領域だけに留まらず、目的に向かって動くこと。その「動き」が加わったとき、平面だったデザインは立体になる。だからTSURU KAWAGOEでは、取り扱う媒体のデザインを、立体にする。それを一つの目標にしています。
08香りのない画面で、香水をどう伝えるか
少し具体的な例を挙げます。突然ですが、香水を買うときに必要な情報は何でしょうか。内容量。価格。ブランド。購入できる店舗。通販の有無。もちろん、どれも必要です。しかし香水を「選ぶ」という行為において、最も大切なものは、当然ながら香りです。
ところが、Webサイトの画面から香りを出すことは、現在の一般的な技術ではできません。では、オンラインで香水を紹介することには限界があるのでしょうか。私は、そうは思いません。香りそのものを届けられないのであれば、視覚から、香りを連想させればいい。
色。花。果実や食べ物。景色。感情。温度。季節。時間。記憶。ストーリー。人間は、さまざまな視覚情報から、直接そこに存在しない感覚を想像することができます。
例えば、冷たい青色の光と、雨に濡れた石、白い花がゆっくり揺れる映像。そこに短い言葉と音が加われば、実際には香りが存在しなくても、人はそこから何かを感じ取ります。もちろん、それは実際の香りそのものではありません。だからこそ、正確な情報も同時に必要です。
どの成分から構成されているのか。どのノートが強いのか。トップ、ミドル、ラストでどう変化するのか。そうした本来は文字列として読まなければならなかった情報を、視覚的に瞬時に理解できるようにする。さらに、生産工程を見る。使われるシチュエーションを見る。調香師の顔を見る。本人の言葉を聞く。なぜこの香りをつくったのか、そのストーリーを知る。
するとWebサイトは、単なる「香水の商品ページ」ではなくなります。香りを想像し、その背景を知り、つくった人の思想に触れ、自分が使っている姿まで想像する。商品に辿り着くまでの時間そのものが、商品体験になる。それができれば、香りそのものを画面から届けられなくても、商品へのリーチを助けながら、同時に商品価値を高めることができるのではないでしょうか。
企画から生産まで。そこに関わるすべての人がここまで考えることができれば、私は最高のPRができると思っています。
09AIによって「つくる」が簡単になった時代に
冒頭で、TSURU KAWAGOEの活動を「プロモーション」と「ブランディング」と括りました。企業や組織、サービス、商品をより良くすること。そして、それをたくさんの人に知ってもらうこと。この二つを切り離さず、同時に行いたい。その姿勢を表すための言葉です。
そして、この考え方は、今の時代だからこそ、より重要になると感じています。AIによって、ものを「つくる」ことのハードルは急速に下がっています。文章を書く。画像をつくる。デザインをつくる。コードを書く。映像をつくる。これまで専門的な技術が必要だった多くの生産工程が、少しずつ誰にでも扱えるものになり始めています。
それは、とても大きな進化です。一方で、「つくれること」そのものは、以前より差別化になりにくくなる。だからこそ、何を見るのか。何に違和感を持つのか。何を問い直すのか。誰のために、何を実現するのか。そして、なぜそれをつくるのか。そこに、これからのものづくりの価値がより強く現れるのではないかと思います。
TSURU KAWAGOEにとってこの考え方は、理念であると同時に、AI時代にものをつくる私たち自身の行動指針でもあります。
10TSURU KAWAGOEの本質は、「見つめる」こと
ここまで、TSURU KAWAGOEの考えるプロモーションやデザインについて長く書いてきました。けれど、さらに根本まで辿ると、TSURU KAWAGOEの本質はもっと単純です。
見つめること。観察すること、と言い換えてもいいかもしれません。人を見る。ものを見る。企業を見る。街を見る。商品を見る。サービスを見る。そして、その背景を見る。
表面だけではわからないことがあれば、近づいてみる。見えなければ、歩み寄る。話してみる。触れてみる。使ってみる。考えてみる。人でも、ものでも、技術でも同じです。知らないから専門外として遠ざけるのではなく、まず歩み寄ってみる。そこから新しい発見が生まれます。
私は、その行為こそが、常に進化し続けるためのきっかけになると信じています。一人の人間が昨日より少し深く考えられるようになる。一つの商品が昨日より少し良くなる。一つの企業が新しい価値を生み出す。それはとても小さな変化かもしれません。けれど、その進化が積み重なれば、少しずつ世の中のレベルそのものを高めていくことができる。それが社会への貢献につながることが、TSURU KAWAGOEにとって最大の喜びです。
今考えていることの中には、すでに誰かが考えたものもあるでしょう。今はまだ、ありふれたアイデアに見えるものもあると思います。それでも、見つめることをやめない。歩み寄ることをやめない。考えることをやめない。知識と経験を一つずつ積み重ねていく。そしていつか、まだ誰も成し得ていないことを、実現できるところまで。TSURU KAWAGOEは、考え続けます。
つくる前に、見る。見るだけでわからなければ、近づく。近づいた先で考え、考えたものを形にする。そして形になったものが、人を動かし、また次の何かを生み出していく。それが、TSURU KAWAGOEの考えるものづくりです。
見つめる。歩み寄る。考える。つくる。
TSURU KAWAGOEは、挑戦する人のそばで、その循環を続けていきます。