AI・機械学習を活用したアマゾン森林破壊予測プロジェクト
はじめに
私は環境工学を専攻し、その後USP(サンパウロ大学)のMBA(Data Science & Analytics)にてデータサイエンスを学びました。
本記事では、MBA修了研究として取り組んだ「アマゾン森林破壊予測プロジェクト」を紹介します。
環境問題とAIを組み合わせた実践的なデータ分析プロジェクトです。
プロジェクト概要
ブラジル・アマゾン熱帯雨林では森林破壊が年々進行しており、生物多様性や地球環境への影響が深刻化しています。
2000年から2021年までのアマゾン森林破壊量の推移
本プロジェクトでは、過去の森林破壊データを分析し、機械学習を用いて将来の森林破壊量を予測するモデルを構築しました。
目的は、将来的に森林破壊リスクの高い地域を予測し、保全活動や政策立案の意思決定を支援することです。
使用データ
データにはブラジル国立宇宙研究所(INPE)が提供する「PRODES」を使用しました。
対象期間
・2000年〜2021年
主な変数
・森林破壊面積
・森林面積
・雲被覆面積
・非観測領域
・非森林面積
・水域面積
元データは約16,000件以上あり、Rを用いて年度単位へ集約しました。
使用技術
■ Programming
・R
■ Data Processing
・ETL
・Data Cleaning
・Feature Engineering
・Data Aggregation
■ Statistical Analysis
・Exploratory Data Analysis(EDA)
・Pearson Correlation
・Multiple Linear Regression
・Stepwise Selection
・Box-Cox Transformation
・Shapiro-Francia Test
・Residual Analysis
■ Visualization
・ggplot2
・Correlation Matrix
・Regression Graphs
分析の流れ
① データ収集
PRODESから森林破壊データを取得しました。
↓
② データ前処理
欠損値確認
年度ごとの集約
分析用データセット作成
↓
③ 探索的データ分析(EDA)
各変数間の関係性を確認しました。
・記述統計
・相関分析
・ヒストグラム
・時系列推移
↓
④ モデル構築
まずMultiple Linear Regressionを構築しました。
その後、
・Stepwise
・Box-Cox変換
を適用し、より予測に適したモデルへ改善しました。
↓
⑤ モデル評価
・R²
・残差分析
・正規性検定を実施しました。
モデルの予測精度を評価しました。
Box-Cox変換前後における線形回帰モデル(OLS)の比較。Box-Cox変換によりデータ. 分布の正規性および残差の均一性を改善し、回帰モデルの適合度向上を検証した。
主な結果
分析の結果、
森林面積と森林破壊量には非常に強い負の相関が確認されました。
また、線形回帰モデルでは
R² = 0.9976
という非常に高い精度を示しました。
さらにShapiro-Francia検定を実施した結果、予測モデルとして利用するためには正規性の改善が必要であることが判明しました。
そこでBox-Cox変換を適用し、より実用的な予測モデルへ改善しました。
得られた成果
✔ 機械学習による森林破壊予測モデルを構築
✔ 実データを活用した分析プロジェクトを実施
✔ データ前処理からモデル評価まで一連のデータ分析を経験
✔ 環境問題へAIを応用する方法を学習
このプロジェクトで身についたスキル
・Data Cleaning
・ETL
・Exploratory Data Analysis
・Machine Learning
・Regression Analysis
・Predictive Analytics
・Statistical Modeling
・Data Visualization
・Problem Solving
・Environmental Data Analysis
今後の改善
本研究では線形回帰モデルを中心に構築しましたが、今後はより高精度な予測を目指して、
・Random Forest
・XGBoost
・LightGBM
・Neural Network
・LSTM
などのモデルとも比較し、性能評価を行いたいと考えています。
学んだこと
このプロジェクトを通じて、単にモデルを構築するだけではなく、
「データの前処理」
「統計的な妥当性」
「モデル評価」
が予測精度と同じくらい重要であることを学びました。
また、AIは環境保全や持続可能な社会づくりにも大きく貢献できる技術であることを改めて実感しました。
最後に
私は環境工学とデータサイエンスの両方を学びました。
今後はデータ分析・AI・機械学習の技術を活用し、環境分野だけでなく、さまざまなビジネス課題の解決にも貢献していきたいと考えています。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。