格闘技とは無縁だった自分が感じた魅力 昭和の時代と工藤正一の人生観
今でこそ自分は格闘技の道を歩き、ムエタイジム「泰式拳闘館」の館長として指導をしているが、最初から格闘技に縁があったわけではない。むしろ子供の頃は、格闘技とは無縁の生活だった。
ただ一つ言えるのは、昔から体を動かすことが好きだったということだ。走ること、筋トレをすること、体を鍛えること。そういうトレーニングは自然と好きだった。
だからこそ、友達に誘われてフルコンタクト空手を始めたとき、「これは自分に合っているかもしれない」と感じた。
それが、自分と格闘技との最初の出会いだった。
昭和という時代の空気
自分が若かった頃は、いわゆる「昭和」の時代だった。
今の時代とは違い、かなり理不尽なことも多かったと思う。
学校でも社会でも、今では考えられないような厳しさが普通にあった。
先生に怒鳴られることもあったし、理不尽だと思うこともたくさんあった。
今の時代なら問題になることも、当時は当たり前だった。
そんな時代だからなのか、若者のエネルギーの発散の仕方も極端だった気がする。
不良になったり、学校同士の不良がケンカしたりすることも珍しくなかった。
今思えば、それも一つの自己表現だったのかもしれない。
言葉でうまく表現できない感情やストレスを、
暴力という形で発散する。
もちろんそれが正しいとは思わない。
でも昭和という時代には、確かにそういう空気があった。
若いエネルギーがどこに向かえばいいのか分からない。
そんな時代だったのかもしれない。
格闘技は暴力とは違う世界だった
そんな時代の中で格闘技を始めたわけだけど、やってみてすぐに感じたことがある。
それは、格闘技はただの暴力ではないということだった。
街のケンカとはまったく違う。
格闘技にはルールがある。
リングの中で、決められたルールの中で、
お互いが全力で戦う。
そして試合が終われば、礼をする。
そこには相手への敬意がある。
ただの殴り合いではなく、
技術と努力で勝負する世界だった。
この感覚が、自分にはすごくしっくりきた。
昭和の時代の荒っぽいエネルギーを、
ルールのある世界で思いっきり出せる。
それが格闘技の魅力だった。
格闘技で感じた自己達成感
格闘技を続けていくと、だんだん分かってくることがある。
それは、格闘技は自分自身と向き合うスポーツだということだ。
トレーニングをしていないとすぐに分かる。
努力していないと結果に出る。
逆に言えば、努力した分だけ強くなれる。
最初はできなかった技ができるようになる。
体力がついてくる。
試合で勝てるようになる。
その時に感じるのが、自己達成感だった。
これは格闘技をやった人にしか分からない感覚かもしれない。
自分の限界を少しずつ超えていく感覚。
昨日の自分より強くなる感覚。
それが格闘技の面白さだった。
自分に合っていた格闘技という世界
振り返ると、格闘技は自分の性格に合っていたと思う。
もともとトレーニングが好きだったし、体を鍛えることが苦ではなかった。
だから練習も続けることができた。
もちろんきついトレーニングもたくさんあった。
試合で負けて悔しい思いをしたこともある。
でも、それでも続けたいと思えた。
リングの上では、
自分のすべてを出すことができる。
普段の生活では出せないエネルギーを、
格闘技の中で思い切りぶつけることができる。
その感覚が自分には合っていた。
ムエタイとの出会い
格闘技を続ける中で、自分はムエタイという競技に出会った。
ムエタイはタイの国技で、パンチだけでなく、キック、ヒジ、ヒザなどを使う格闘技だ。
初めて見たとき、その迫力に驚いた。
でも同時に、
とても奥が深い競技だと感じた。
ムエタイは力だけでは勝てない。
距離感
リズム
タイミング
技術
すべてが必要になる。
だからこそ、やればやるほど面白い。
泰式拳闘館という場所
今、自分はムエタイジム「泰式拳闘館」を運営している。
でも、ここは単に強くなるための場所だけではないと思っている。
格闘技を通して、
体を鍛える
自分に自信をつける
精神的に強くなる
そういう場所になればいいと思っている。
初心者でも問題ない。
格闘技をやったことがない人でも、
トレーニングを続ければ必ず変わる。
体も変わるし、気持ちも変わる。
それが格闘技の力だと思う。
人生の中で格闘技に出会えたこと
もしあの時、友達に誘われて空手を始めていなかったら、
自分は格闘技の世界に入っていなかったかもしれない。
そう考えると、人生は面白いと思う。
格闘技は自分にとってただのスポーツではない。
人生そのものに近いものだ。
格闘技を通して多くの人に出会い、
多くの経験をしてきた。
そして今も、トレーニングを続けている。
自分を変えるきっかけとしての格闘技
もし今、何かに迷っている人がいたら、
格闘技を一つのきっかけにしてみるのもいいと思う。
強くなりたい。
自分を変えたい。
何かに挑戦したい。
そう思っている人にとって、格闘技はきっと意味のあるものになる。
格闘技は暴力ではない。
自分と向き合い、
自分を鍛える世界だ。
自分は、そんな世界に出会えたことを今でも良かったと思っている。
そしてこれからも、格闘技とともに人生を歩いていくと思う。