皆さん、こんにちは。
日本銀行が新しい指標を発表しました。
私には、いささか大胆な発表に見えました。
どんな指標・再推計か見ていきましょう。
①日銀、新指標と再推計
(参照:ロイター通信・毎日新聞)
*あたらしい「コアCPI指標」
従来の消費者物価指数(CPI)から以下のものを除外。
- 電気・ガス補助
- ガソリン補助
- 旅行支援
- 携帯値下げ
- 教育無償化
- 消費税率変更
これらを取り除くことで、政策の影響を受けない「基礎的な物価動向」を示すことを目的としている。
*需給ギャップ・「自然利子率」の再推計
ひとつは、需給ギャップを再推計したもの。
近年の経済事情に合わせて統計を更新。より実態を反映する数値になった。
- 数量ベースの数値→付加価値を加味した数値に変更。
- 就職・転職などによる労働市場の変化も加味。
今回の見直しを受けて、需給ギャップは従来試算の22四半期連続(5年半)の供給超過から15四半期連続(3年9カ月)の需要超過となった。
ひらたく言えば、その期間中「需要<供給」ではなく「需要>供給」だった。
もうひとつは、経済に対して緩和的でも、引き締め的でもないとされる「自然利子率」の再推計値を発表。それに物価目標の+2.0%を単純に加味すると、「中立金利」は1.1~2.5%となる。
再推計の変動幅はわずかだが、政策金利の0.75%との乖離が浮き彫りになっている。
事実だけを述べると以上になります。
②今日の雑感
まず、新しい「コア指標」。
こちらは、政府の短期政策を根こそぎ除外しています。
実際、補助金や政策要因が多すぎて、従来のCPIでは基調が見えにくくなっていたことは事実です。
私の所感としては、実態経済を表す良い方針だと思います。
理由は単純で、
単発・短期のバラマキ的政策は短期的な効果しか期待できません。
喩えるなら、傷が痛むからと言って鎮痛剤を投与するようなものです。根本的な解決にはならない政策です。
それを統計指標に加味してしまうと、実像の把握に支障が出ます。
とはいえ、
「植田さん、政権の行った政策を全否定するような指標持ち出して大丈夫?怒られるよ。」
と少し心配にもなります。
需給ギャップについては、
これまでずっと、年2.0%上昇の物価目標が達成できない一因に「供給過多」が挙げられてきました。
ところが今回の再推計では、「実は供給不足だった」という真逆の結論に変わりました。180度説明がひっくり返ったわけです。
1ただ、この「15四半期連続の需要超過」という期間を振り返ると、ロシアのウクライナ侵攻で世界のサプライチェーンが大混乱になった頃と重なります。エネルギー、食料、物流など、供給側に大きな制約がかかっていた時期です。
加えてコロナ禍以降の日本が
「旺盛な需要で沸き立っていたか?」と問われると、
そう感じる人は多くないでしょう。
これは需要が旺盛だったというよりも、供給が細った事を意味します。
トドメが、「中立金利」です。
「新コアCPI」と「需給ギャップ」は利上げ主張の頑丈なバックボーンになり得ます。
額面通りに受け取ると、中立金利は最低でも年1.1%になり現状の政策金利より0.4%近く高くなります。最大値なら年2.5%の高金利です。
最大値まで政策金利を上げると一気に円高が進み、輸入品の物価は安くなります。
一方で、企業の借入金・国は国債利回りの負担が激増するので極端なことをすると社会が混乱します。
しかし記事にもあるように、この幅を持たせた中立金利は近々の利上げと、追加利上げを示唆するに十分なインパクトがあるように思います。
はてさて、市場はどう反応するでしょうか?
ここまで読んでくださって有難うございます。
気が向いたらまた、ふらりと立ち寄ってください。