コンテンツを長く売り続けるには、企画の段階で出口が見えていることが重要だと考えています。原作権の交渉、製作前のプレセールス、放送局・配信プラットフォームとの共同製作、パッケージの商品設計。
映画作りの全てが楽しめるから、販売も全て経験したかったし、この一連を分断せずに担当させてもらえたことが、自分の芯となっています。
とくに今、映画の売上をリスクなく収益化するためには、単発のヒットではなくIPを何年もかけて育てることは重要です。『むこうぶちRAW』ではシリーズを重ねながら、結果を見て中身を変えることをさせていただきました。そして続けるか止めるかは数字で決めます。思い入れは挟みません。一方で準備は惜しみません。狙いが形になるかどうかは打ち合わせの密度で決まるので、制作チームとはそこに時間をかけます。そして、撮影士官パケをつくったら早く出して、結果をすぐ数字で確かめる。このサイクルを速く回せることを大事にしています。
販売を経験したうえでプロデューサーに入っているので、数字が動く原因はニーズを捉えられているかどうかだと考えていると、制作チームにつたえました。だからサムネイルに使う写真も、撮影のデザイン指示書まで自分で書きます。ここが、販売を担当した立場の方が得意ですし、そこを変えないと、数字は変わらないまま落ちていく。それを何度も見てきました。
長く続いているシリーズにも、刺激を与え続ける必要があります。『日本統一』では、50巻を超えた時点でコレクション商品としてDVDBOXを再企画しました。配信でも、レンタルの先行配信、ダウンロード購入の先行販売と、時期をずらして販売の切り口を増やし、シリーズ専用の配信チャンネルの開設まで広げています。作品そのものももちろん、切り口をかえていただいていますが、販売する立場も売り方にこだわりお客さまとの接点において、関係性をもとめていかないと、関係が希薄になってしまうからです。届け方を変えて関係に刺激をあたえて、数字が動く。そう考えて手を打ち続けてきました。