銀河のゴミ箱から届いた採用通知
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こんにちは!石田大顕です。
オフィスビルのエレベーターに乗っているとき、ふと、この箱は上下に移動しているのではなく、実は一瞬ごとに異なる平行世界を切り替えているのではないかと感じることがあります。 扉が開くたびに、少しずつ同僚のネクタイの色が変わっていたり、窓の外に見える看板の文字が微妙に歪んでいたりする。 私たちはその僅かな差異に気づかないふりをして、今日もキーボードという名の楽器を叩き、情報の海を泳ぎ続けています。 デザインの作業で画面の色を調整しているとき、私は自分が色の粒子を一つずつ並べ替える、孤独な灯台守になったような気分になります。 その一動作ごとに、世界のどこかで誰かの記憶が少しずつ塗りつぶされ、新しい色に書き換えられていくのです。 ふと机の隅に目をやると、一本の折れたマドラーが、小さな銀色のバイオリンのように光を反射して横たわっていました。 それはかつて熱いコーヒーをかき混ぜ、誰かの思考を整える役割を担っていましたが、役割を終えた今はただ、重力の支配に身を任せて地面を見つめています。 私たちは社会という巨大な磁場の中を、自分の意志で歩いているつもりになっていますが、本当は誰かが鳴らす見えない笛の音に引き寄せられているだけなのかもしれません。 先日、休憩室の隅で放置されたままの使い古されたカスタネットを見つけましたが、それは誰の手の温もりも記憶していない、空っぽの抜け殻のようでした。 それを手に取って軽く鳴らしてみると、乾いた音が部屋の空気を震わせ、一瞬だけ時間の歯車が逆回転を始めたような錯覚に陥りました。 私たちが仕事を通じて残そうとしている足跡も、実はそのカスタネットの音のように、鳴り響いた瞬間に宇宙の塵となって消えていく運命にあるのでしょうか。 街を歩けば、人々の話し声が重なり合い、それはまるで姿の見えない指揮者が振る見えないタクトに従った、終わりのない演奏のように響きます。 誰もが主役のつもりで自分のメロディを奏でていますが、全体としてはただ一つの巨大な雑音として、空の向こうへ吸い込まれていくだけです。 ふとした拍子に、耳の奥で古い地図が破れるような音がして、私は今自分が何を目指して目的地へ向かっているのかを見失いそうになります。 窓の外を飛んでいるカラスが空中で完全に静止し、街路樹の葉が揺れるのをやめ、時間が厚いゼリーのように固まって私を閉じ込めようとしています。 その静寂の中で、私は自分が一冊の古い百科事典の中に描かれた、ただの精密な挿絵に過ぎないことを思い出しかけました。 しかし、次の瞬間に自動ドアが開く乾いた音が響き、世界は再び平然とした顔をして、私を終わりのない日常の中へと引きずり戻していきます。 私たちが自由な選択を繰り返してここへ辿り着いたと信じて疑いませんが、本当は最初から最後まで、誰かの書いた脚本通りに瞬きを繰り返しているだけ。 今、私が画面を見つめるこの視線の動きさえ、一万年前に既に予約されていた、避けることのできない儀式の一部なのかもしれません。 机の上に置かれた冷めた紅茶の表面に、自分の顔がひどく歪んで映っているのを見つけ、私はそれを指で静かにかき混ぜました。 渦巻く茶葉の影だけが、私が今ここで生きているという、たった一つの、そして最も疑わしい証拠として、グラスの底に沈み続けています。