自分を表す3つの言葉 —— 私が「一禅堂 恋みくじ」というサイトを作り続ける理由
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1つ目:静けさ(しずけさ)
恋愛って、心がうるさくなる出来事だと思います。
好きな人の一言に浮き上がったり、返事が来ないだけで底が抜けたり。
相手の気持ちが見えない時間は、頭の中で勝手に物語が増殖して、いつの間にか「最悪の結末」だけがリアルに感じられてしまう。
そういうとき、世の中はだいたい「背中を押す言葉」か「断定する言葉」を差し出します。
「今すぐ動いたほうがいい」
「こういう相手はやめたほうがいい」
「脈あり/脈なし」
わかりやすいし、強い。けれど、心が弱っているときほど、強い言葉はあとから効きすぎることがあります。
私が大事にしているのは、逆です。
恋に迷っている人が、ほんの少しだけ呼吸を戻せる“静けさ”。
結論を急がせず、焦りを鎮めて、心の中のノイズを減らしていく感覚。
静けさは地味です。バズりません。
でも、恋愛の判断って、本当は静かな場所でしかできないんですよね。
だから私は、静けさをつくる文章を選びたいと思っています。
2つ目:言葉(ことば)
恋愛の悩みは、理屈で解けないことが多いです。
それでも人は、言葉に触れることで、自分の中の“正体不明の感情”を少しずつ輪郭づけられる。
たとえば「不安」とひとことで言っても、実際には、
期待、怖さ、自己否定、過去の記憶、比較、焦り、怒り——いろいろが混ざっています。
それを雑に「不安」と名付けたままだと、心はずっと落ち着きません。
言葉には、感情を分ける力があります。
「私は相手が嫌いになったんじゃなくて、“見捨てられる気がして怖い”のかもしれない」
「私は会いたいんじゃなくて、“大事にされている確信”が欲しいのかもしれない」
そう気づけた瞬間、人は少しだけ自由になります。
占いという形式が好きなのも、そこに理由があります。
占いは本来、未来を断言するものではなく、今の自分を映す鏡のようなものだと思うからです。
鏡は答えを押しつけないけれど、見落としていたものを見せてくれる。
私は「結果」よりも「言葉」を作りたい。
読み終えたあと、心の角が少し取れて、「じゃあ自分はどうしたい?」と考えられる文章。
そのために、語尾の温度や、言い切りの強さ、比喩の角度を、細かく調整しています。
3つ目:余白(よはく)
恋愛の文章で一番難しいのは、読み手の人生を尊重することだと思います。
人の恋は、背景も事情も複雑で、外側からは全部わかりません。
だから私は、文章の中に“余白”を残すようにしています。
余白というのは、逃げではなく、信頼です。
読んだ人が、自分の経験や感情を置けるスペース。
「これが正解」と決めつけず、「あなたの中にも答えがある」と返す姿勢。
誰かの恋に、簡単にラベルを貼らない。
「こういうタイプだからダメ」と切り捨てない。
そのかわり、「いまのあなたの状態なら、まずはここから整えよう」と、足元を照らす。
私はその余白を、サイト全体にも持たせたいと思っています。
騒がしい世界の中で、ひとりで深呼吸できる場所。
読んだ人が、少し静かになって、少しだけ強くなれる場所。
そうした考えから、個人で運営しているのが 一禅堂 恋みくじ というウェブサイトです。
一禅堂 恋みくじウェブサイト:https://www.ichizenn.com/koi-mikuji/
恋みくじといっても、吉凶を当てるためのものではありません。
迷いの最中にいる人が、自分の感情をほどき、次の一歩を選ぶための言葉を置いています。
「背中を押す」のではなく、「足元を見えるようにする」。
私はその距離感を、いちばん大事にしています。
個人で取り組んでいるWebプロジェクトについては、これまでの背景や考え方を 第三者メディアのPR記事としてまとめていただいたこと もあります。自分の言葉だけでなく、外部の視点を通して整理されることで、プロジェクトの立ち位置や伝え方を改めて見直す良い機会になりました。