ドリップバッグコーヒーの製造現場で感じた課題を、自分でアプリにして解決した話
紙のメモとマンネリ化した担当表
ドリップバッグコーヒーの製造現場で働いています。日々の業務の中で、いくつかの「不便だな」がずっと気になっていました。
たとえば担当割り振り。毎日の作業担当を決めるのですが、同じペアが続いたり、特定の人に偏ったりすることがありました。スケジュールは紙にメモして管理していて、誰かが休んだら伝わらない。
一つひとつは小さなことですが、毎日のことなので積み重なるとけっこうなストレスになります。
「自分で作ればいいのでは」
最初は誰かが解決してくれるのを待っていましたが、そんな人は現れませんでした。
それなら自分で作ろうと思って、独学でアプリ開発を始めました。製造業の現場なので、既存のツールをそのまま当てはめても合わないことが多い。現場で本当に必要なものは、現場を知っている自分が考えるしかないと思いました。
開発にはClaude CodeなどのAIツールも活用しています。プログラミングの実務経験はなかったので、AIを道具として使いながら、自分が考えた仕様を形にしていきました。
技術スタックはNext.js / TypeScript / Firebase。
PWAとして開発し、スマホやipadのホーム画面からアプリ感覚で使えるようにしました。
Roast Plus ── 10の機能で現場をサポート
こうして出来たのが「Roast Plus」という業務サポートwebアプリです。
現場の課題に対応する形で、以下の機能を作りました。
担当表 ── シャッフル機能で、担当のマンネリ化やペアの偏りを防ぎます。
スケジュール ── 紙のスケジュールメモを廃止。誰でも見られて、その場で編集できる共有スケジュールです。
試飲感想記録 ── さまざまな種類のコーヒーを飲んだ感想をチームで記録・共有します。
ローストタイマー ── 煎り度合いによって変わる焙煎時間を正確に測るためのタイマーです。
コーヒー豆図鑑 ── 生豆の種類や欠点豆を図鑑化。省く豆・省かない豆の基準をチーム全体で共有できるようにしました。
作業進捗 ── 作業の進み具合を可視化して、進捗管理の属人化を防ぎます。
ドリップガイド ── ハンドドリップの手順、湯量、時間を表示。誰でも同じ品質で淹れられるようにしました。
コーヒークイズ ── コーヒーに関する知識を4択クイズで楽しく学べる機能です。
開発秘話 ── 開発中の苦労や学びを、2人のキャラクターの対話形式で読める記事にしています。
職場の8人が毎日使っている
Roast Plusは現在、職場の8名が日常業務で使っています。
使ってくれている人の反応を見ながら、機能を追加したり改善したりを繰り返してきました。「こういう機能がほしい」という声をもらって実装する、というサイクルが自然にできています。
企画、開発、運用、改善を全部自分でやっているので、大変なこともありますが、自分が作ったものが目の前で使われている実感は他に代えられないものがあります。
これから
現場の課題を見つけて、技術で解決して、実際に使われるものを届ける。この一連の流れにやりがいを感じています。
今は基本情報技術者試験の勉強をしながら、エンジニアとしてのキャリアを本格的に始める準備をしています。未経験からのスタートですが、Roast Plusを通じて得た「使う人のことを考えてものを作る」という経験を武器に、もっと多くの人の役に立てるエンジニアになりたいと思っています。