【関沢憲史】ステークホルダー調整を円滑にする環境設計.関係者全員が動きやすくなる条件
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経営コンサルタントとして企業支援をする中で、最も時間がかかるのが
「ステークホルダー調整」です。
どんなに優れた戦略も、関係者の合意と協力がなければ実行できません。
今日は、調整を円滑にするための「環境設計」についてお話しします。
大手総合商社の戦略企画部門にいた頃、私はグローバル規模のプロジェクトで
国籍も立場も異なる多様なステークホルダーと調整を重ねてきました。
その経験から学んだのは「調整力は個人のスキルだけでは限界がある」ということです。
むしろ重要なのは「関係者全員が動きやすくなる環境」を先に作ることでした。
具体的には、三つの条件を整えています。
一つ目は「情報の透明性」です。
関係者全員が同じ情報にアクセスでき、プロジェクトの全体像を理解している状態を
作る。情報格差があると、疑心暗鬼や政治的な駆け引きが生まれてしまいます。
二つ目は「意思決定のルール明確化」です。
誰が何を決めるのか、いつまでに判断するのかを事前に定義しておく。
曖昧なまま進めると、後で「聞いていない」「そんなつもりじゃなかった」
という対立が生まれます。
三つ目は「小さな成功体験の共有」です。
大きな目標の前に、関係者全員が「一緒にやれば成果が出る」と
実感できる小さな成功を積み重ねる。信頼関係は、言葉ではなく共通体験から
生まれます。
中堅・中小企業の支援でも、この考え方は同じです。
社長、現場、外部パートナー
立場は違っても、全員が気持ちよく動ける環境を整えることが、
プロジェクト成功の鍵になります。
調整力とは、説得する力ではなく環境を設計する力。
そう考えると、ステークホルダーマネジメントの本質が見えてきます。