建設DXの核心──施工管理・安全管理・BIMの三位一体で現場はどう進化するのか**
建設DXの核心──施工管理・安全管理・BIMの三位一体で現場はどう進化するのか**
オリエンタルヒルズ株式会社
代表取締役社長 晴山佳須夫
建設業界ではここ数年、DXの議論が活発になっています。
しかし、単なる“デジタル化”が目的化してしまうと、
現場の改善につながらないケースも少なくありません。
建設DXの本質は、
「施工管理」「安全管理」「BIM」をバラバラに扱わず、一体として再設計すること」
にあります。
今回はこの3つの領域を深掘りし、
それぞれが現場でどのように価値を生むのかを解説します。
◆ 1|施工管理DX──“紙と勘”から脱却し、プロジェクトを見える化する
施工管理のDXが最も大きな効果を生むのは、
**「リアルタイムで状況を把握できる環境」**をつくることです。
【よくある課題】
- 図面・工程表が紙やExcelに依存
- 写真報告や出来形管理が手作業
- 進捗状況が現場監督の頭の中に属人化
- 協力業者が情報にアクセスできない
こうした状態は、
手戻りや遅延を誘発し、コストを押し上げる原因になります。
【当社が支援した施工管理DXのポイント】
① 現場アプリで「撮影→自動整理→自動報告」を実現
- 写真は工程と位置情報に紐づく
- レポートが自動生成され、提出漏れゼロ
- 本社からも即時に状況確認が可能
② 図面の最新版を自動共有する“図面クラウド”
- 図面差し替えミスを根絶
- 更新履歴で過去との差異も把握できる
- 職人全員が常に最新情報にアクセス
③ 進捗ダッシュボードで遅延リスクを可視化
- 進捗入力がスマホで可能
- 全現場の状況を一覧表示
- 異常値をAIが自動でアラート
施工管理のDXは、
「情報共有の速度」と「現場判断の質」を劇的に向上させる取り組みです。
◆ 2|安全管理DX──“見えないリスク”をデジタルで可視化する
安全管理こそDXが最も必要とされる領域です。
事故は一度起これば、企業にとって計り知れない損失になります。
【よくある課題】
- K Y(危険予知)活動が形式的
- 朝礼・安全巡視が紙台帳に記録されるだけ
- 危険箇所が現場ごとに記録・管理されない
- ヒヤリハットが共有されず再発防止に活かされない
これらはすべてDXで改善可能です。
【当社が提案する安全管理DX】
① デジタルK Yシートの導入
- 現場の作業内容に応じた危険予知項目を自動生成
- 過去の事故・ヒヤリハットデータと連携
- “本当に危険な作業”が浮き彫りになる
② ヒヤリハット共有プラットフォーム
- 写真・位置情報を添えて瞬時に共有
- データを集計し、安全傾向を分析
- 月次会議で活用できるレポートを自動生成
③ IoTセンサーによる現場の安全監視
(ご希望でIoTベンダーとの連携も想定)
- 作業員の位置情報取得
- 高所作業の落下検知
- 重機接近アラート
- 作業環境(温度・湿度)の測定
安全管理DXの本質は、
「事故が起きたあとではなく、起きる前に予防する仕組み」をつくることです。
◆ 3|BIMの本質──デジタルで建物の“未来”を設計する技術
BIM(Building Information Modeling)は、
単なる3D図面ではありません。
建物の
- 形状
- 材料
- コスト
- 工程
- 性能
- メンテナンス情報
などをひとつのモデルに統合する、
“建設プロジェクト全体の情報管理基盤” です。
【BIMが活きる場面】
① 設計段階での衝突検出(Clash Detection)
- 配管、設備、梁などの干渉を事前に発見
- 施工段階の大幅な手戻りを防止
② 工程シミュレーション(4D BIM)
- 工程とモデルを連動
- 未来の現場が視覚的に確認できる
- 経営層が意思決定しやすい
③ コストシミュレーション(5D BIM)
- 材料・数量・金額を自動算出
- 予算の透明性が向上
- 見積精度が飛躍的に高まる
④ 維持管理(FM)との連携
建設後の建物データとしてBIMを活用することで、
- 設備点検
- 修繕計画
- 資産価値の維持
を効率化できます。
◆ 4|施工管理×安全管理×BIMが統合されると何が起きるか
この3つが連携すると、建設DXは「別次元の成果」を生みます。
【統合DXの効果】
● 遅延リスクの自動検知
BIMの工程モデル × 現場の進捗データで、
リアルタイム予測が可能。
● 品質の均一化
経験に依存していた品質がデータで標準化される。
● 原価管理の精度向上
施工進捗 × 仕入れ × 工程データの一元化で
原価差異を即時把握。
● 安全の“見える化”
危険エリアをBIM上で可視化、
現場の安全ルールをデジタルで統一。
● 現場・設計・経営の意思が一体に
全員が同じ情報で判断できるチームへと進化。
◆ 5|建設DX成功企業の共通点は「小さく始めて、大きく育てる」こと
建設DXには膨大な可能性がありますが、
「いきなりBIM全面導入」は必ず失敗します。
成功する企業の共通点は、
- まずは施工管理アプリから
- 図面管理のクラウド化から
- 安全管理の一部だけから
といったように
小さく始める こと。
そして、
現場が慣れたところで次の領域へ広げる。
この順序が最も成功確率の高いアプローチです。
◆ 結語──建設DXは“未来の現場をつくる意思”である
建設DXの核心は、
「現場の働き方を未来仕様に変えること」
です。
施工管理が変われば、現場の判断が変わる。
安全管理が変われば、事故ゼロの文化が育つ。
BIMが浸透すれば、建物のライフサイクル全体が変わる。
そしてその変革は、
建設業のイメージを変え、
若手が誇りを持てる未来をつくります。
オリエンタルヒルズ株式会社は、
現場と経営と技術の橋渡し役として、
建設DXの実現にこれからも真摯に取り組んでまいります。