ギャラリーの現場で見つけた「アートと人がつながる瞬間」
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大学院の在学期間、銀座 蔦屋書店のギャラリーにて、「アーティストマネジメント」というチームの一員として展示の企画運営やアート作品の販売に携わっていました。
企画段階からアーティストとやり取りを重ね、作品やコンセプトについて話を聞きながら展示準備を進め、会期中は作品販売や来場者への作品案内、VIP顧客への作品提案・納品対応なども担当していました。また、取り扱う作家は国内外の若手アーティストから大御所まで幅広く、日々多くの作品や表現に触れながら、アートという「市場」についても実践的に学ぶ機会となりました。
特に「蔦屋書店」という環境では、一般的なギャラリーとは違い、アートにそれほど関心のない通りがかりのお客様も含め、さまざまな方が来場されていました。そのため、ただアートを売るだけでなく、より多くの人に展示を楽しんでもらいたいという思いで働いていました。
個人的に印象に残っているのは、一度、自分自身が企画を任せていただき、3名の作家によるグループ展を担当した経験です。作家それぞれと個別にやり取りを重ねながら、展示全体の設計やPR文章の作成までを一貫して担いました。言葉になりきらない作家の想いや世界観を、どうすれば伝えられるかを考え続け、インタビュー記事の作成なども行いました。私が書いた作家の紹介文章を、作家本人から「このまま他のところでも使いたい」と言ってもらえたことは、今でも強く心に残っています。
また、リサーチや展覧会、アートフェアに足を運ぶことも楽しく、素敵なアーティストに出会うと「この人と一緒に、どんな展示ができるだろう」と妄想し、ワクワクしていました。アルバイトの立場でしたが、自主的に「いつかご一緒したいアーティスト」を資料にまとめ、上司に渡したりもしていました。
アーティストの近くで作品の話を聞き、作品の背景や面白さを、自分なりに咀嚼して人に伝えていく。その積み重ねのなかで、作家のファンが増えたり、作品が売れたりして、作品が人に届いていく瞬間に立ち会えたことが、アートと人、アートと社会をつなぐ仕事がしたいと強く思うようになった原点です。