奈良市にある「星のや奈良監獄」。2026年6月25日の開業日に、実際に宿泊してきました!
赤レンガ造りの美しい明治建築で、2017年まで刑務所として使われていた建物が、重要文化財の指定を受けたのちにホテルへと生まれ変わったという、世界的にも珍しい施設です。私自身、まだ刑務所として稼働する前の2022年10月に見学ツアーへ参加した経緯があり、「この場所がホテルになる」と知った時からずっと訪問を心待ちにしていました。開業日に泊まれるとは思っておらず、感慨もひとしお♪
⭐重要文化財としての「奈良監獄」
建物の歴史は1908年(明治41年)に遡ります。監獄の近代化を進めるため急ピッチで整備された「明治5大監獄」の一つとして誕生し、1946年以降は16歳から26歳未満の少年受刑者を収容する施設として、2017年の閉鎖まで109年にわたり稼働していました。
正門はロマネスク様式で、赤レンガと相まって古城のような佇まい。到着日はダブル台風が接近するあいにくの空模様でしたが、外を歩くタイミングでは奇跡的に雨が止んでいて助かりました! チェックアウト時には、正門前の植え込みを食べ尽くす勢いの鹿の群れにも遭遇。これほどの数が現れるのは珍しいと、スタッフの方も驚いていました。
15時、正門が開き、いよいよチェックイン。ロビーに続くメインラウンジは、かつて講堂として使われていた空間で、開業日には演奏イベントも行われていました。ライブラリーを兼ねており、滞在中いつでもお茶を楽しめる造りになっています。
⭐監獄をそのまま客室にした、世界的にも珍しい構造
館内は、中央の看守所から5つの収容棟を放射状に見渡せるかつての設計をそのまま活かした造り。中央の棟はミュージアムとして公開され、残り4棟がホテルの客室に改装されています。元監獄をホテルに転用した例は海外にもありますが、多くは共用部分のみの活用にとどまり、独房そのものを客室として使っているケースは非常に珍しいのだそうです。
全48室はすべてスイートタイプで、独房を9〜11室分つなげて1部屋に仕立てているため、部屋の造りが横に長いのが特徴。天井高は3.5mあり、放射状の設計のおかげでどの部屋にも自然光がしっかり入ります。ダイニング、寝室、リビングと続く広々とした空間で、当時の面影を残しながらも快適に整えられていました。
今回宿泊したのは独房10室分の部屋タイプで、夕朝食付き一人94,318円。決して安くはありませんが、ミュージアムの入場券が含まれ、閉館後も23時まで自由に出入りできる特典もあり、価格に見合う体験でした!
⭐旧独居房でいただく、演出たっぷりのディナー
夕食はフレンチ「ガストロノミー・クロニクル」。かつての独居房や接見所をリノベーションしたダイニングは、内装の作り込みに驚かされます。各部屋の入口には番号がふられ、そのデザインは「鳥かご」がモチーフとのこと。監獄という空間との掛け合わせに、思わず唸りました。
料理の演出も凝っていて、ろうそくを目の前でカットして皿に仕立てたり、赤レンガを模した器をハンマーで割ると中からステーキが現れたりと、遊び心のある仕掛けが随所に♪ 苦手な食材がある旨を事前に伝えていたのですが、きちんと対応していただけたのもありがたかったです。
⭐明治の洋食文化を再現した朝食
朝食は「文明開化朝食」と「和朝食」の2種類から選択可能。文明開化朝食は、スコッチエッグやカニクリームコロッケ、エビフライ、煮込みハンバーグなど、明治期の洋食文化を彷彿とさせるボリューム満点の内容でした!
宿泊者はミュージアムの開館前や閉館後にも入場できる特典があり、人のいない静かな空間をゆっくり見て回れたのも贅沢な時間でした。
~まとめ~
自由を奪われた生活の場だった監獄が、時を経てラグジュアリーホテルへと姿を変える。その変化を肌で感じながら過ごした二日間は、単なる観光とは違う、少し不思議な感慨を伴う滞在になりました。歴史的建造物の保存とホテル活用という両立の難しいテーマに、一つの答えを見せてくれる場所だと思います!
星のや奈良監獄
奈良市般若寺町18