エディタというツール(私の半生にVZあり)
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昔むかし(1980年代)の家庭向けコンピュータはマイコン=My Computerと呼ばれており、電源を入れるとしばらくしてコード編集画面が立ち上がった。
ここでプログラムを手入力したり、カセットテープに保存したプログラムをロードするコマンドを入力できたりした。
RUNと打ち込めば入力したプログラムが動作し、NEWと打ち込めば記憶されていたプログラムがメモリから消えた。
マイコンとは、コードエディター兼コマンドプロンプトをブラウン管に表示する電化製品なのであった。
私が大学に入った頃(1990年)にはマイコンはパソコン=Personal Computerと呼ばれるようになっていた。
そのパソコンは、電源を入れるとMS-DOSが起動してコマンドターミナルが表示されるようになった。(※現在のWindowsのコマンドプロンプトはこれの子孫。)
コマンドを入力してファイル操作をし、そうやってパソコンを制御したのだ。
いまのClaude Codeと感覚はまるで同じ。
MS-DOS上でエディター(以下、エディタ。技術者は何故か語末の伸ばし棒をつけたがらない)と呼ばれるプログラムを起動し、そこでコードを手入力して保存、それをコンパイルして実行ファイルに変換し、その実行ファイルを呼び出すとプログラムが動く、という流れになった。
それまで一択だったエディタ(=プログラム入力方法)は、各自の好みで選べるようになったのだ。
私が大学の研究室に配属された頃はVZエディタという、研究室で購入していたエディタを使った。私はVZを使ってC言語やFortranのプログラムを書き、そして私の手にはVZのメニュー構成やキーアサインがしみついた。
(ちなみに卒論は、MS-DOS版一太郎 Ver4.3で書いた。Texも使ったかも)
それから10年の間にパソコンはMS-DOSではなく、WindowsというOSで動くようになった。(※当初はMS-DOS画面からwinと入力して起動するDOSアプリだったが)
プログラムコードを書くツールは引き続きエディタであり、最初に入った会社ではMIFESという市販エディタが使えたのでそれをVZのキーアサインにカスタマイズして使っていた。
また、Visual Studioのように、エディタもフォームデザイナも一つになっている統合開発環境も出始めたが、思想がそれまでと全く異なっていたので、「手」はそれに順応するのにしばらくの時間を要したが、若かったのでどうにでもなった。
次の会社に移ったときMIFESは使えなくなったが、そこでは当時人気のあった秀丸エディタを使うことになり、これもまたVZ-MIFESと同じ感覚になるようにキーやメニューをカスタマイズした。
このように、その頃のプログラム技術者は人それぞれエディタをカスタマイズして使うのが当たり前で、他人のエディタは全く使い物にならないが自分のエディタであればその10倍速で仕事ができる、みたいなことになっていた。
皆、自分流のカスタマイズに命を賭けていた、は誇張ではない。
やがて、完全無料・オープンソースのサクラエディタなどに人が移っていき、私もその流れに乗った。(秀丸への感謝は今も変わらない)
いま私のPCで動作するサクラエディタは1990年時のVZのメニューとキー配置が息づいている。それじゃないと仕事にならない。
一方、Visual Studioは.netに進化し、コードの定型を呼び出せたり(スニペット)、次第に入力途中に「こう書きたいんでしょ?」とご提案(サジェスチョン、オートコンプリート)をする環境に進化していった。
提案してくれないとコードが書けない、という世代の技術者が顕著になってきた。
その世代はまた、言語に依らない開発環境であるEcripseやVScodeといったものを生み出し、オープンソースにして誰でも開発参画できるようにし、自由自在に機能拡張できるようにしてきた。
そういったところに人は集まり、立ちどころにGitHubや他WebサービスとAPIを通じて繋がり、がっちりと世界的標準の席を勝ち取っていった。(まあ、標準なんてものはすぐに変化するんでしょうけどね)
いま、このテキストはそういった人々の叡知であるVScodeで書いている。
VScodeでないとやりづらい分野に触れなくてはいけない時代(AI 1st)になってきたのだ。(いつまでも あると思うな Cの仕事)
コードを書き始めてみるとVScodeの効率の良さには全く敵わないので、今後のコードはVScodeで書くことになるだろう。
が、私の手はいまだVZのキー配置を彷徨い続けてしまうので、昔ながらのエディタも捨てることはできない。ファイルの保存はCtrl+Sではなく、F1、S と操作するのがVZ流だ。
テキストを書く分にはVScodeでもサクラエディタでも問題ないのだが、例えばVScodeでの矩形選択のやり方を知らないので、データ整形などには引き続き古参の“VZエディタ feat.サクラエディタ”を使うことになるだろう。
VScodeでも矩形選択できることは知っているが、調べて使って手になじませる時間がどうにも惜しいw
このぐらいにしましょうか、また昔ばなしでした。
統合開発環境前夜のおじさん達は、こんな経緯をたどってきたのですよ。