なぜ私は「教える」より「伴走する」仕事を選んだのか
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言葉を整え、人に寄り添う——通訳から教育への道
2012年から約8年間、私はメキシコで通訳として働いていました。
日系建設企業が大手自動車メーカーの工場建設を請け負うことになり、多くの日本人建設エンジニアが現地へ渡る中、そのプロジェクトに通訳として参画したのが始まりです。
現地には多くのスペイン語通訳がいましたが、私は重要な会議、契約交渉、行政との打ち合わせなど、特に難易度の高い場面を任されることが多くありました。言葉だけでなく、背景や立場、微妙なニュアンスを汲み取り、双方が納得できる形に「整える」こと——それが、私の役割でした。
退職後も業務委託として同じ建設会社から仕事をいただき、さらにクライアント企業から新たな仕事を紹介いただくなど、通訳としてはとても恵まれた環境で仕事を続けていました。
コロナ禍での帰国、そして新たな模索
しかし、2020年。新型コロナウイルスの影響で、状況は一変します。
日本から来ていた多くの駐在員が帰国し、私自身も当時まだ幼稚園年中だった子どもを抱え、メキシコでの生活や仕事の見通しが立たなくなりました。そして2020年12月、日本へ帰国する決断をしました。
帰国後、日本で「外国語を活かす仕事」を続けることは、思っていた以上に制約が多いものでした。しばらくは派遣会社を通じて働いていましたが、子どもが少し成長したことをきっかけに、一度フルタイムの仕事を離れ、資格の勉強と在宅での仕事を並行する道を選びました。
AIとオンライン教育との出会い
その中で出会ったのが、AIとオンライン教育の分野です。
在宅でできる仕事を模索する中で、生成AIを活用したライティングスクールの講師として、昨年から働くようになりました。
これまで通訳として、多くの人の話を聞き、その思いや考えを言語化するお手伝いをしてきました。その経験とコミュニケーション力を活かし、「傾聴」を軸としたサロンでの起業にも挑戦しましたが、正直なところ、まだ思うようには進んでいません。
一方で、講師の仕事は、迷いや悩み、不安を抱える方に寄り添い、一緒に考え、伴走しながら成長していく——そのプロセスが、驚くほど自分に合っていると感じています。
一人ひとりに向き合う日々
現在は月に約10名の受講生を担当し、この仕事も8ヶ月ほど続いています。
受講生一人ひとり、背景も個性も違います。その分、毎日新しい発見があり、私自身も多くの気づきをいただいています。
「どう伝えたら、もっと分かりやすいだろう」
「この方には、どんな寄り添い方が合っているだろう」
そんなことを考えながら、伝え方や関わり方を日々試行錯誤し、学び続けています。
今は、人が自分のペースで学び続けられる環境をつくること、不安を抱えた人が一人で立ち止まらなくていい状態をつくることを大切にしながら、教育・メンタリングの仕事に向き合っています。