こんにちは!城間勝行です。
ふと見上げた夜空に、半分だけ光を湛えた月がぽっかりと浮かんでいた。雲ひとつない澄んだ夜気の中にあって、その姿はどこか頼りなく、それでいて強い引力を持って私の視線を引きつけてやまない。満ちていく過程でもなく、完全に隠れた新月でもない、その中途半端な形のまま夜空に静止しているかのような姿に、妙な味わい深さを感じてしまう。完璧な円を描いていないからこそ、見る者の想像力を掻き立て、その欠けた部分に思いを馳せさせられるのかもしれない。
完全な形を目指すことは、人間にとってごく自然な欲求である。仕事であれ何であれ、私たちは常に隙のない成果や、完璧に整えられた状態を追い求めて生きている。しかし、自然界を見渡してみれば、決して満ち足りていない状態のものが放つ美しさが数多く存在している。あの半月とて、自らが欠けていることを嘆いているわけではなく、ただその瞬間の姿のまま堂々と光を放っているにすぎない。未完成であることや、道半ばであることは、決して劣っていることではなく、むしろこれから変化していく無限の可能性を秘めた状態なのだと、夜空の月は無言のまま教えてくれる。
私たちの日常や仕事の中でも、すべてが綺麗に整っている場面ばかりではない。むしろ、方針が固まりきっていなかったり、試行錯誤の最中であったりする、いわば形作っている最中の不安定なフェーズの方が圧倒的に多い。そうした未完成な状況に直面したとき、私たちは焦りや不安を抱きがちだが、あえてその途中経過そのものを面白がり、楽しむ余裕を持つことができたら、見える景色は大きく変わってくるはずだ。不完全さを恐れずに、その瞬間におけるベストを尽くしながら前へ進んでいく姿勢こそが、新しいアイデアや予想もしなかった面白い成果を生み出す原動力になる。
冷たい夜風がふっと頬を撫で、再び現実の思考へと引き戻される。見上げた夜空の半月は、先ほどよりも少しだけ角度を変えたように見えたが、相変わらず静かにそこに佇んでいた。明日になればまた日常の喧騒が始まり、慌ただしい時間が過ぎ去っていくことだろう。それでも、時折立ち止まって空を見上げる心のゆとりを持ち続けたい。そんなことをぼんやりと考えながら、私はゆっくりと家路へと向かった。