こんにちは!城間勝行です。
古い赤レンガの壁に囲まれた小さなカフェの窓際で、私は冷たいコーヒーを傾けながら、ふと目の前を通り過ぎる人々を眺めていました。
それぞれの足取りには異なる物語があり、目的地に向かってまっすぐ歩く人もいれば、行き先を見失って立ち止まる人もいます。
私たちが日々向き合っているプロダクト開発の現場も、まさにこの街の風景と非常によく似た構造を隠し持っています。
形のないアイデアという曖昧な素材から出発し、確かな手触りを持つシステムという建造物を積み上げていくプロセスは、まるで未知の都市を地図なしで開拓していく冒険のようです。
新卒で入社した大規模な組織においては、何千人ものユーザーが安全に利用できる巨大なインフラを構築することが何よりも求められました。
そこには鉄の規律と揺るぎない正確さがあり、決められたレールをいかに脱線せずに走り抜けるかがエンジニアとしての最大の使命でした。
巨大な歯車の一つとして全体の調和を保ちながら、巨大な建造物を支え続ける経験は、エンジニアとしての確かな骨組みを私の内部にしっかりと刻み込んでくれました。
しかしその後、少人数のスタートアップの世界へと足を踏み入れたとき、その景色は劇的に塗り替えられることになりました。
明日何が起こるか予測できないスピード感の中で、まだ輪郭すら曖昧な不完全なアイデアを形にし、失敗を恐れずに素早く軌道修正を繰り返す。
あらかじめ用意された正解のルートなど存在しない荒野の中で、仲間たちと知恵を絞り合いながら新しい価値を生み出す興奮は、私のなかに眠っていた別の情熱を呼び覚ましました。
堅牢さを重んじる大企業の文化と、柔軟な変化を愛するスタートアップの文化。
一見すると正反対に見える二つの世界を体験したからこそ、私は状況に応じた最適なアプローチを柔軟に選び取ることができるようになったと確信しています。
開発という仕事の本質は、ただ目の前のコードを書くことだけにあるのではなく、複雑に絡み合った課題の糸を一本ずつ解きほぐし、誰もが迷わずに歩ける新しい道を切り拓くことにあります。
目の前にある画面の向こう側には、必ずそれを必要とする生身の人間が存在しており、その人たちの日常をそっと支える温かい架け橋になれるよう心を配りたい。
赤レンガの壁に刻まれた歴史が長い時間を経ても色褪せないように、私たちが紡ぎ出すテクノロジーもまた、誰かの心に深く残り続ける確かな足跡であってほしいと願っています。
明日もまた新しい街を歩くような新鮮な気持ちで、目の前にある難問に向き合いながら、自分なりの答えを丁寧に探し求めていきたいと思います。