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クルージングヨット教室物語149

「土曜日とかは何をしているの?」

土曜日の午後、麻美子は隆に質問した。

「何をしているって、テレビを見ている」

隆は、麻美子の実家のリビングで、麻美子のお父さんとテレビのゴルフ中継を見ながら答えた。

「え、今じゃなくて。普段の土曜日ってこと」

麻美子は言い直した。

「普段の土曜日?会社はお休みだし、大概、こうやって家でのんびり過ごしているじゃん。麻美子だって、いつも一緒にいるじゃん」

「そうだよね」

麻美子は、隆に答えた。

「家でブラブラしているだけなら、別に土曜もヨットに行っても良いんだよね」

「それはそうだけど」

隆は、麻美子に答えた。

「陽子ちゃんに、土曜とかはヨットに乗らないのかって聞かれたから」

麻美子は、自分のスマホを覗きながら、隆に答えた。

「家でブラブラしているだけなんだし、ヨットに行っても良いものね」

隆からの返事を待たずに、自分で麻美子はLINEに答えていた。

「お正月に、うちの弟が来た時、陽子ちゃんも一緒にヨットに乗ったじゃない」

「ああ」

「なんか、いつものメンバーじゃなくて、弟と私たち3人だけで乗った時のヨットのことが気に入ってしまったみたいよ」

「そうなんだ」

「来週の土曜は、陽子ちゃんと3人でヨットに行きましょう。で、そのまま泊まって、次の日曜日もヨットに皆で乗れば良いでしょう」

麻美子は、来週の週末の予定を決めて、隆にも伝えていた。

が、次の、明日の日曜日に、今度の土曜日も普通にヨットに乗ることを皆に伝えたら、皆も一緒に乗りたいというので、土曜日も皆で乗ることとなってしまった。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など

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