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クルージングヨット教室物語115

Photo by Buddy Photo on Unsplash

「それでは、今年も大きな事故もなく、横浜のマリーナが運用できましたことを祝して乾杯!」

横浜のマリーナ理事長の挨拶で、横浜のマリーナ一同は、保田のばんやにて乾杯をしていた。

ビールやお酒類も運ばれてきたが、ばんやの料理もテーブルにたくさん運ばれてきた。

「美味しそうだね」

香代は、隣の麻美子に言った。

「取ってあげようか」

麻美子は、香代の分の小皿に、お刺身や料理を取り分けていた。

「ほら、隆の分も取ったよ」

香代の分だけでなく、隆の分まで小皿に取り分けている麻美子だった。瑠璃子や陽子の分までも、取り分けてあげている麻美子だった。

「ラッコさんの生徒さんは皆、仲が良いですね」

向かいのテーブルに座っているプロントのクルーたちが、麻美子に言った。

「ええ、うちは、皆どの子も仲が良いですから。ね」

麻美子は、プロントに返事しつつ、香代や瑠璃子にも声をかけていた。

「生徒さん同士で、お姉さんを中心にしっかりチームワークが取れているんだね」

「本当ですね。うちの生徒さんにも、生徒さんの中で、誰か生徒皆をまとめてくれるお姉さんみたいな生徒さんがいたら、うちの船の生徒さんも、まだ皆残っていたかもしれないですね」

プロントのクルーたちは、麻美子のことを褒めていた。

「え、麻美ちゃんは生徒じゃないよ」

プロントの話を聞いていた香代が、プロントに突っ込んでいた。

「え、生徒さんじゃないの」

「私は、ヨット教室の生徒ではないんだけど。でも、うちの生徒さんの中では一番ヨットのことをわかっていないの私だから、生徒みたいなものかも」

麻美子が、プロントの皆に答えていた。

「それでは、続いてはビンゴ大会を始めましょう!」

今回の宴会の司会から、続いての催しが説明された。バスケットの中に入ったビンゴの用紙が、会場皆のところに1枚ずつ配られた。

司会が、ビンゴのブロックが入ったガラガラを回して、出てきたブロックに書かれている数字を読み上げていく。

「2番!」

「ビンゴー!」

ビンゴになった人たちが、ビンゴの紙を持って、前に出て景品をもらっていく。

「ぜんぜん当たらないな」

「私も!ぜんぜん当たらない」

香織と隆が、自分の当たらないビンゴ用紙に文句を言っていた。

「ビンゴー!」

アクエリアスの中村さんが、ビンゴ用紙を片手に叫んで、前へ出て行った。

「おめでとうございます!今回の景品はフェンダーです!」

中村さんは、司会の手にしていた大きなしずく型のフェンダーをもらっていた。

「すごい!中村さん、実用的なものをもらえましたね」

大きな真っ赤なフェンダーを持って、自分の席に戻ってきた中村さんは、皆に羨ましがられていた。


作家プロフィール

主な著作「クルージングヨット教室物語」「プリンセスゆみの世界巡航記」「ニューヨーク恋物語」など


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