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クルージングヨット教室物語61

Photo by Ryuno on Unsplash

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「温泉ホテルって空港の近くなのね」

バスを降りると、麻美子は、すぐ上空を飛行機が飛んで行くのを眺めながら、言った。

「ついこの間、レンタカーで周ったところだな」

「また、懐石料理を食べに行っちゃう?」

「あの懐石料理屋さんは高いんだから、そんなには食べに行けないよ」

麻美子は、瑠璃子の言葉に笑っていた。

「私は、懐石料理よりもリス村に行きたいな」

動物好きの香代が、麻美子に言った。

「リスさんたち、可愛かったものね」

麻美子は、香代の頭を撫でながら答えた。

温泉ホテルの入り口まで少し歩いていき、受付で入浴の手続きを終えた。

「ね、ゴルフ場もあるんだね」

アメリカのサンフランシスコでは、よく両親に付き合って、弟とゴルフ場を周っている麻美子が、温泉ホテルの周りにあったゴルフ場のコースを眺めて、言った。

「麻美子、ゴルフをするものな」

「私は、あんまりしないけど、お父さんと弟がよくゴルフするのよ」

麻美子は、隆に答えた。

「今度、ここにゴルフしに来るか」

「うん。そしたら、ラッコにゴルフクラブを積んでこないと・・」

隆は、ジェット機で大島へゴルフしに来るところを想像していたのに、麻美子はヨットでゴルフクラブ持って大島に来て、ゴルフ場へ向かうつもりになっていた。

「私、高校生の頃はゴルフ部のユーレイ部員だったよ」

瑠璃子が、麻美子に言った。

「私も、ゴルフクラブは持っていて、たまに、打ちっ放しの練習場に行くよ」

「私も、一応ゴルフクラブは持っている」

雪と陽子も言った。

「うちのヨット、意外にゴルフやる人多いな」

「本当に、そのうち皆がゴルフクラブ持って、大島までヨットで来るようになりそう」

瑠璃子が言った。

「そうね」

「私はさ、ゴルフを理由にして、うちのお父さんとか弟をラッコに乗せて、着いた先で好きなゴルフを楽しませてやりたいなと思ったんだけどね」

麻美子は、隆に言った。

「弟なんて、実際のヨットには一度も乗ったことないくせに、陸上から海上のヨットを眺めているだけで、サンフランシスコでヨットは珍しくないとか飽きたって言ってるからさ」

「俺も、麻美子の弟は一回ぐらいは、ラッコに乗りに来てほしいとは思っているけど、サンフランシスコに行ったまま、ぜんぜん帰ってこないじゃん」

隆は、少し残念そうに呟いた。

「へえ、麻美ちゃんの弟ってサンフランシスコにいるんだ」

「それじゃ、オータニショーヘイも生で見てたりして」

「それが見たんだってさ。日本から出張で来てたお客さんを、サンフランシスコジャイアンツの球場に連れて行ったら、そこでショーヘイがホームラン売ったとかって興奮してたよ」

麻美子は、瑠璃子に話した。

「それじゃね」

また、男湯と女湯の別れるところに着いて、麻美子は隆に手を振った。

「今日は、アクエリアスの皆が一緒だから、1人じゃなくて寂しくないわね」

男湯にアクエリアスの皆と入っていった隆に言った。

「隆さん、寂しそうだったんだ」

昨日、お風呂にいなかった雪が、麻美子に言った。

隆と別れた後のお風呂の中でも、麻美子のサンフランシスコの話やら瑠璃子の会社での話など、ラッコのメンバーたちは、女子会トークに花を咲かせていた。

あんなに、お風呂の中でも女子会トークが大盛り上がりだったのに、お風呂から上がったのは、隆よりも麻美子の方が先だった。

「どうだった?お風呂は」

麻美子は、お風呂から上がって来た隆に聞いた。

「オーションビューのお風呂で気持ちよかったよ」

隆は答えた。

「お昼ごはんなんだけど、ここのレストランで食べていこうかと思ったんだけど、宿泊者たちでいっぱいで一般の客は入れないんだって」

麻美子は、隆に伝えた。

「ホテルの人が教えてくれたんだけど、港に戻るバスの途中に植物園があって、そこのレストランが人気あるんですって」

「ああ、植物園あるね」

「そこに行って、お昼ごはんにしようかと思うんだ」

隆は、麻美子に全てお任せで、またバスに乗ってホテルから植物園へと移動になった。

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