クルージングヨット教室物語60
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「岡田港に入港できるらしいよ」
中村さんは、奥に泊まっている37フィートのヨットオーナーから聞いた話を隆に伝えた。
「岡田港に入れるんだったら、岡田の方が横浜に近いし、帰りが楽になりますね」
「今日の目的地は岡田港にしましょうか」
ラッコとアクエリアスは、式根島を出航すると大島の岡田港を目指してセーリングしていた。
「左から船体が浮き上がった船がすごいスピードで走って来ている」
陽子が、ラットを握っている香代に伝えた。
「熱海からの高速船だね」
隆が、陽子に言った。
「あんなに水面から浮き上がって走るんだ」
「ジェット船だからね」
「乗ってて怖くないのかな、あんなに浮き上がって走っているの」
「中に乗っているお客さんは、自分の乗っている船が、あんなに浮かんでいるとは思っていないのでは」
「そうか。私たちは、、走っている姿が見えているけどね」
麻美子は、隆に答えた。
「あそこって元町港?」
香代は、熱海からのジェット船が入港していった先の港を指差して聞いた。
「そうだね」
「この間の海の日に行った時に、レンタカーで行った場所だ」
香代のセーリングが良かったのか、それとも風向きと潮が良かったのか、熱海からのジェット船ほどではないが、ラッコも意外に早く岡田港に入港できていた。
「昼前に、岡田へ着けてしまったね」
隆は、香代に言った。
午後の時間がまるまる余ってしまったので、またキャビンの中で宴会していても仕方ないので、岡田港から出ている公共のバスで近くの温泉ホテルまで日帰り入浴して来ようとなった。
今回は、アクエリアスのメンバーと雪も一緒だ。
「帰りの時間も、ちゃんとある?」
「結構いっぱい時間あるよ」
岡田港のバスの時刻表を確認して、麻美子が隆に伝えた。
「バス、来たよ」
皆は、バスに乗って、岡田港を出発した。