人にしかできないことに集中できる環境づくり。教育・保育・介護のぬくもりを、デジタルの力で守り抜く。「Kyoshin Digital Academy」で大切にしたい、たった一つのこと
【プロローグ:デジタル化の裏にある、本当の目的】
こんにちは!
経営情報企画部で執行役員部長を務め、新しく立ち上がるDX推進組織「Kyoshin Digital Academy(KDA)」の統括を担当します。
突然ですが、みなさんは「情報システム部門(情シス)」と聞くと、どんなイメージを持ちますか?
「社内のPCやネットワークの面倒を見てくれる部署」
「現場から要望されたシステムを、仕様書通りに作る部署」
そんな風に、どこか「裏方の専門部隊」として捉えられることが多いかもしれません。
でも、私たち京進グループが目指しているDXの推進体制は、そうした従来の情シスの枠組みを大きく超えたものです。
私たちが目指すのは、単なる業務の効率化ではありません。
その本質的な目的は、「人にしかできないことへの集中」を可能にする環境を創り出すことです。
塾の先生が、生徒の表情のわずかな変化に気づいて声をかけること。
保育士が、子どもの小さな成長を保護者と一緒に喜ぶこと。
介護スタッフが、利用者様の手を握ってじっくりとお話を聴くこと。
これらはすべて、AIやロボットには代替できない、人間ならではの温かな価値です。
デジタルが人の代わりになるのではなく、デジタルがあるからこそ、より人間らしい温かみのあるサービスを提供できる。
そんな「人中心のDX」を、私たちは本気で実現しようとしています。
そして今、その理想をグループ全体で形にするための新組織「Kyoshin Digital Academy(KDA)」が、いよいよ本格的に始動します。
KDAは、単なる情シス部門の延長線上の組織ではありません。
これまで私たちが直面してきた「現場との壁」を乗り越え、本当の信頼関係を構築するために、グループ内のデジタルに関わる人たちが部署を超えて集まる「バーチャル組織」として産声をあげます。
今回は、これまでの情シスとしての歩みの中で私たちが得たリアルな「気づき」と、なぜ今、組織の壁をぶち破る必要があったのか、その背景をお話しさせてください。
◆ 現場に溢れる「紙」と、画面の向こうで正論を抱えていた情報システム部門
私はこれまで、京進グループのITインフラやシステムを支える立場として、様々な事業の現場を見てきました。
学習塾、保育園、そして介護施設。
それぞれの最前線で働くメンバーたちは、みんな本当にプロフェッショナルで、目の前のお客様のために日々全力で向き合っています。
でも、その一方で、バックオフィスに目を向けると、そこには驚くほどアナログな世界が広がっていました。
デスクの上に山積みになったプリント。
バインダーに綴じられた手書きの報告書。
「あの書類、どこに行ったっけ?」と探す時間。
学習塾に通う生徒たちは、最終的に「紙」の問題用紙と解答用紙で入学試験に挑みます。
だからこそ、塾の授業や訓練の中で紙を扱うのは、ある意味で仕方のないことです。
でも、そこで働く先生たちのバックオフィス業務まで、紙にこだわる必要は絶対にないはずです。
生徒のために使いたい大切な時間が、書類の整理やデータの手入力といったアナログな作業にどんどん消えていく。
そのもどかしそうな現場の姿を、何度も目にしてきました。
それは、保育園や介護施設の現場でも全く同じでした。
保育や介護のスタッフは、一日中、目の前のお客様のケアで手一杯です。
当然、パソコンの前に座って落ち着いて作業する時間なんて、ほとんどありません。
それなのに、自治体への提出書類や日々の記録は、今なおアナログで膨大な「紙」であふれている。
「お客様と対峙したときの温かいケアの記録が、なぜこんなに手続きに阻まれなければならないんだろう」
世の中を見渡せば、スマホや生成AIを誰もが当たり前に使う時代です。
京進グループだけが、この変化に取り残されるわけにはいかない。
というより、私たちが先頭を走って、働く環境を変えていかなければならない。
そんな強い危機感とワクワク感を胸に、私たちは現場を良くするためのシステム開発へと乗り出しました。
しかし、そこで待っていたのは、技術やシステムそのものの問題ではなく、「人と人の関係性」という大きな壁でした。
◆ 「本部の作ったシステムは使いにくい」突きつけられた信頼の壁
私たちは「現場の業務を楽にしたい」「効率化して、もっと良いサービスを届けたい」という一心で、新しいデジタルツールやシステムの提案を持っていきました。
しかし、現場の反応は予想以上に慎重で、時に冷ややかな反応だったのです。
「今でも日々の業務で手一杯なのに、新しいシステムを覚える時間なんてありません」
「本部の正論は分かりますが、現場の本当の苦労や運用の流れを分かって言っていますか?」
ミーティングの席でそうストレートに言われたとき、正直、頭が真っ白になりました。
目指している最終的なゴールは、お互いに「お客様の幸せ」であり、同じはずなんです。
それなのに、なぜかボタンの掛け違いが起きてしまう。
ここで、私たちは情報システム部門としての大きな「慢心」に気づかされました。
私たちは、システムの「機能の便利さ」や「あるべき論」という正論ばかりを押し付けてしまっていたのではないか、と。
現場のスタッフは、日々目の前のお客様への対応に全力を注いでいます。
新しい変化を受け入れることへの不安や、現在のやり方を維持しなければ現場が回らないという現実の重みがある。
それらを深く理解しないまま、画面の向こう側の数字や効率だけで物事を進めようとしていたのです。
お互いが自分の役割の「部分最適」に陥り、相手への真の理解やリスペクトが少しだけ足りなくなっていた。
これが、私たちが得た、最も大きな苦い気づきでした。
システムがどれだけ高度で完璧でも、それを使う現場との間に「信頼関係」がなければ、ただの押し付けになってしまう。
形だけのシステム導入では、誰も使ってくれない中身のないDXになってしまう。
本当の変革を起こすためには、情シスがただ仕様書を作るのをやめ、現場と同じ目線に立って泥をかぶる覚悟が必要だと痛感したのです。
◆ 部署の壁をぶち壊す。デジタル人材が結集する「バーチャル組織」の誕生
「情シスだけで考えていては、現場との信頼は築けない」
この強い危機感から生まれたのが、これから本格始動する新組織「Kyoshin Digital Academy(KDA)」の構想です。
私たちは、従来の物理的な部署の壁を完全に取っ払うことに決めました。
KDAは、IT管轄部門の人間だけで構成される組織ではありません。
学習塾、保育園、介護施設といった、各事業部門で実際に汗を流し、かつデジタルマインドを持った人材が結集する「バーチャル組織」として立ち上げます。
なぜ、わざわざ「バーチャル組織」という形態をとるのか。
それこそが、事業部門との関係性を再構築し、本当の信頼を築くための鍵だからです。
これまでは「システムを作る本部」と「システムを使う現場」という二項対立になってしまいがちでした。
しかし、現場の「困った」を誰よりも肌で知っている事業部のメンバーが、デジタルを推進するチームのコアメンバーとして中に加わる。
そして、現場を経験した人間がデジタルのセクションにいることで、本部の技術と現場の想いをつなぐ「架け橋」になっていく。
これにより、お互いの理解やリスペクトが足りずに衝突していた関係から、ゴールを共有して共に走る「一つのチーム」へと生まれ変わるのです。
完璧なシステムを求めて本部の会議室で立ち止まるより、スピード感を持って現場の声を吸い上げ、アジャイルに試行錯誤を繰り返す。
一生懸命に取り組んだプロセスを尊重し、たとえ失敗しても「次の成長への糧・学び」として称え、寄り添い、信じて「待つ」文化。
このバーチャル組織という新しい挑戦こそが、現場の「困った」を「良かった」にダイレクトに変え、社内のコラボレーションを爆発させるための、私たちの最大の武器なのです。
◆ パートナーとも現場とも。「対等なリスペクト」から始まる信頼構築】
この「バーチャル組織」としての歩みを始めるにあたり、私たちがこれからも大切にしていきたい決意があります。
それは、現場に対しても、そして開発を共にするデジタルのパートナー企業(ベンダー)に対しても、常に「対等なリスペクト」を持つということです。
よくある「お金を払っているんだから、そっちで考えて作ってください」という丸投げの関係性では、現場を本当に幸せにするシステムなんて絶対に作れません。
私たちはパートナーとも、ゴールを共有してともに達成を目指すチームでありたいと考えています。
対等だからこそ、私たちKDAのメンバーも常に勉強し、力をつけなければなりません。
「専門的なことはお金を払って専門家に委ねる」という甘えを捨て、自分たちで手を動かし、理解を深める「内製化」にも果敢に取り組んでいきます。
現場の痛みがわかること。
技術のプロとしてパートナーと対等に渡り合えること。
この両輪が揃って初めて、私たちは社内外から本当の「信頼」を獲得できるのだと信じています。
完璧なマニュアルがあるわけではありません。
これから始まるKDAの活動のなかで、きっとまた予期せぬトラブルや、現場との意見の食い違いも起きるでしょう。
でも、私たちは恐れません。
部署の垣根を超えたオープンなコミュニケーションを大切にし、全員が同じゴールを見据えて進化し続ける。
そのプロセス自体が、私たちにとっての大きな「まなび」であり、組織の強さになっていくはずです。
【エピローグ:ここから始まる、ステキな大人が増える未来】
新組織「Kyoshin Digital Academy(KDA)」の挑戦は、まさにここから始まります。
これまでの情報システム部門としての気づきや失敗、現場から突きつけられた厳しい言葉は、すべてこれからKDAが大きく躍進するための、かけがえのない「学び」へと変わりました。
DXにおいて大切なのは、最新のテクノロジーそのものではありません。
大切なのは、そのデジタルという道具を使って、人と人とのつながりをいかに深く、豊かにしていけるかです。
事務作業の手間を減らし、生まれた時間で、もっと人間らしい温かなコミュニケーションを生み出していく。それが、私たちの目指す変革の形です。
京進グループには、「ステキな大人が増える未来をつくる」というビジョンがあります。
高いスキルを身につけるだけでなく、自分なりの夢を描き、豊かな人間性を持って社会を幸せにできる人。
創業時から大切にしてきた「探求する好奇心」や「前向きに挑戦する姿勢」という、一生を支える「見えない学び」を体現する姿。
そんな「ステキな大人」を、デジタルの力で世の中にたくさん増やしていきたい。
そして、その未来を創る私たち自身もまた、部署の壁を超えて変化を楽しみながら挑戦し続ける「ステキな大人」でありたいと思っています。
まだ誰も正解を知らない、サービス業のDX。
だからこそ、自分たちの手で未来のスタンダードを創り出す、最高にエキサイティングなステージがここにあります。
組織の壁をぶち壊し、技術の力で人の温もりを最大化する。
この始まったばかりの挑戦を、あなたも私たちと一緒に、一から創り上げてみませんか?
KDAは、これからの京進グループの未来を、そしてサービス業全体、社会の未来を共に共創していく、熱い想いを持った未来の仲間を待っています!