生産性を劇的に変える「フロー状態」の科学。
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仕事に没頭し、時間が経つのを忘れるほどの高い集中状態を心理学では「フロー」と呼ばれたりします(他にゾーン、ランナーズハイなど)。
数年前に、パフォーマンス向上の科学を体系化した講座(Zero to Dangerous)を受講したのですが、その中で語られた「フロー・サイクル」が非常に有益だったので、ここで共有したいと思います。
フロー状態の利点
・生産性500%向上:マッキンゼーが10年に渡って、エグゼクティブの方を対象に実験を行った結果フロー状態にいる時は、通常と比べて生産性が500%向上するという結果が報告されました。
・創造性700%向上:フロー講座(Zero to Dangerous)を提供しているThe Flow Research Collectiveの研究によると、フロー状態では創造性が700%向上することが報告されました。
・学習時間の短縮:作家のマルコム・グラッドウェルは著書「天才!成功する練習の法則」1万時間の法則について話しています。彼によると、高度な技術の習得には最低でも1万時間がかかるとされています。しかし、米国国防高等研究計画局(DARPA)の研究によると、フロー状態ではこの学習時間を半分にできる可能性を示しています。
フローサイクル
私たちの脳がフロー状態になるのに4段階のサイクルをぐるぐる回っています。このサイクルを理解していないと、無理に集中しようとして逆に燃え尽きてしまうこともあります。
1. もがき(Struggle)
脳が情報を収集し、課題に立ち向かう段階です。ここではストレスホルモンのコルチゾールが分泌され、正直「苦しい」と感じます。しかし、この負荷がないと次のステップへは進めません。集中できない人のほとんどはこの段階から進めず、ずっと脳と体を苦しめています。
2. 解放(Release)
一度、その課題から意識的に離れることで、Struggleからこちらに移行します。散歩や軽い運動などでリラックスすることで、脳が「もがき」で得た情報を整理し始めます。ここで一酸化窒素が放出され、脳の準備が整います。
3. フロー(Flow)
深い没頭状態です。ドーパミンやエンドルフィンが脳内を満たして、パフォーマンスが最大化されます。集中し過ぎて、1時間が5分に感じたり、周りの声や音が聞こえなかったりします。
4. 回復(Recovery)
フローは脳のエネルギーを激しく消費します。フロー状態から抜けたあとは、神経伝達物質を再構築するための休息が不可欠です。ここを疎かにすると、次のサイクルに入るための「もがき」に耐えられなくなります。
この4段階の中で、私たちはリリースと回復をおろそかにしたり、間違った方法で行っていることが多いです。ストレッチや瞑想、何も考えないことがとても重要になります。
「Why(目的)」がフローの質を決める
サイモン・シネックが提唱する「ゴールデンサークル(Why-How-What)」の視点も不可欠です。
「何をやるか(What)」よりも先に、「なぜやるのか(Why)」という目的意識が明確であるほど、脳は迷いを捨ててフローに入りやすくなります。
最後に
フロー状態は正しい理解と環境設定によって意図的に作り出せる脳の状態です。
私自身もこの理論を学んで、日々の環境づくりに取り入れてから、睡眠の質、ストレス軽減、集中力が向上したのを実感しました。
「もっとチームの生産性を上げたい」「クリエイティブな時間を増やしたい」と考えている方のヒントになれば幸いです。