「文系企画職」がカスタマーサクセスセンターの提案支援アプリを自ら「構想~設計~開発」して気づいた価値
はじめに:営業出身Excelもろくに使えなかった私が、アプリ開発に行き着いた背景
役割: カスタマーサクセスセンターの業務効率化・CS満足度向上を目的としたオペレーションの企画担当。
抱えていた問題:
- 組織には業務委託や派遣スタッフが多く、スピーディなスキル習得が難しく、クライアントへの提案の質が「個人のスキルや経験」に依存してしまっていた。
- 解決するためのツール構想はあったが、社内の開発組織は別案件で手一杯。要件定義から実装まで数ヶ月以上待たなければいけない状況だった。
実現プロセス:「Gemini」だけ×数日間で実装したSTEP
- STEP0:全体設計
最終的なアウトプットのイメージと制限事項をGeminiに伝え、使うツール、進める順番、必要な準備を一緒に洗い出し(「BigQuery×GAS×Gem」を使うことが決定) - STEP1:デモ版の作成
ダミーデータを用意し、Geminiにコードを書かせながらGAS(Google Apps Script)でWEBアプリのプロトタイプを作成 - STEP2:要件のブラッシュアップ
デモ版を実際に触り、「ここを改善したい」「この条件を追加したい」という要望を次々とGeminiに投げ、アプリを洗練。
⚠実際のアプリをみると修正したい点や、付け加えたい機能がどんどん湧いてくるため、まずは自身で仕様を確認できたのが良かったです。アプリの仕様が変わると必要なデータも変わるのでデータ構築⇔アプリへの反映の行き来を減らすことに繋がります。
- STEP3:データ定義
最終的なアウトプットに必要なデータ一覧と、項目の定義を整理(Geminiへの依頼するだけ) - STEP4:SQLの作成
整理したデータを1つ1つ作成。BigQueryから必要なデータを抽出するためのSQLも、Geminiと壁打ちしながら作成。 - STEP5:実データとの結合
デモ版のコードを、実際のSQLからデータを取得するコードに差し替え実行 - STEP6:テストと検証
実際のデータを使って仕様通りに動くかを確認し、完成!
完成したツールの仕組み:データを活用した提案を生成
【各ツールの役割】
- BigQuery:データ抽出(顧客データ、市場データの統合)
- GAS:ロジック判定とプロンプト生成(条件分岐、UI構築)
- Gemini:個別化・生成(架電トーク、メール文面の作成)
【詳細】
- 自動比較と条件分岐
BigQueryから「該当カスタマーのデータ」と「周辺エリア・同セグメントのデータ」を自動取得し比較 - 具体的なアクションの提示
比較結果をもとに、「エリア相場との差分からの改善提案」「競合情報を踏まえた個社提案」など、具体的なアクションをツールが自動で提示 - プロンプトの自動生成
取得したデータをGAS上の画面に反映。ユーザーが追加要素を選べる仕様にし、最終的な「Geminiへの依頼プロンプト」を自動生成 - トークスクリプトの出力
あらかじめ役割を仕込んだGemini(Gem)にそのプロンプトをペーストするだけで、架電用の「トークスクリプト」や、そのまま送れる「メール文面」が出力
現場導入・浸透:「AIを渡すだけ」では現場は動かない
もともと、Geminiは現場に開放されており「参考プロンプト」や「専用のGem」も展開していましたが、”使う人は使う”という状況でした・・
「使い方に悩む・迷うくらいなら、使わない」というメンバーでも使えるように、メンバーが自主的に実施しなけらばならない工程を極力なくす(シンプル)を追求。その結果が、「WEBアプリ」という形式でした。
▼メンバーが実施する作業工程は3つだけ
- 該当カスタマーのコードを入力する
- 提案に含めたい項目をチェックボックスで選択する(任意:選択しなくても良い)
- 生成されたプロンプトをGeminiにコピペする
現場メンバーの悩みはもちろん、スキルを理解できている「現場の企画」が設計・開発したことが現場にとってに”手触り感のあるツール”につながったと思います。
導入後の変化:現場の「迷い」が消え、顧客の「納得」が生まれた
- 定性変化(メンバーアンケート)
「何を話せばいいか」という迷いが消え、架電のハードルが下がった。「カスタマーに話を聞いてもらいやすくなった」との声 - 定量変化(ツール導入前実績との比較)
提案に対する合意率:133%/1日当たりの架電数:1.4倍(事前準備時間の減少)
おわりに:企画職が自ら「つくれる」時代を実感
これまでは「開発のROI(費用対効果)」やら、「他案件との優先順位」やら・・「こうなったらいい」という構想はあっても、進めたくても進められなかった現場の改革が、自分進められるようになった」と実感しました。
「現場の頑張りを正当な成果に繋げる」
企画としてずっと大事にしたいと思っていることが、より幅広い手段を使って実現できることに、改めて「企画」の面白さを実感しました。
これまでの経験を活かしつつ、やったことがないことをやり続けたい。と思っているので、「業務設計」と「テクノロジー」を掛け合わせた変革など興味がある方がいらっしゃればぜひ、お声がけいただきたいです!