1
/
5

【若手プランナー奮闘記】アウターとインナーの両軸でブランドを育む大切さ。〜ソフトクリーム総合メーカー「NISSEI」のコーポレートブランディング〜

株式会社TCDは、「経営に、デザインの力を。」をコンセプトに、企業様のブランディング支援・デザイン支援をトータルで手がける会社です。

入社3年目プランナーの私が、実際の案件を通して学んだことをご紹介します。


目次

  • NISSEIって?

  • ブランディングにおける課題点

  • アウターとインナー、両方に作用する施策を

  • 最後に

NISSEIって?

皆さんはNISSEIという企業をご存知でしょうか。企業名は分からなくても、男の子と女の子のキャラクターを見たことがある方は多いのではないでしょうか。そう、このかわいらしい2人「ニックン&セイチャン」が目印の日世株式会社は、日本で唯一のソフトクリーム総合メーカーです。ソフトクリームミックスはもちろん、コーンカップや製造機であるフリーザー、フルーツ調整品などの製造・販売まで行っています。BtoBがメインのため、普段の生活のなかでNISSEIに気づく機会は少ないかもしれませんが、サービスエリアやカフェで食べるソフトクリームはもちろん、おなじみのフルーツヨーグルトにも実は関わっており、意外と身近な存在なのです。

TCDでは、そんなNISSEI様のコーポレートブランディングをトータルにお手伝いさせていただいております。私はプランナーとして、プロジェクト全体の進行管理はもちろんのこと、メッセージ開発のアイデア出しや従業員の方への取材・ライティングにも携わりました。

ブランディングにおける課題点

日々の暮らしの食を、そっと豊かに彩っているNISSEI。ブランドをさらに育んでいくために、大きく2点の課題を感じられていました。

1つ目は社会的な認知。先述の通り、社名を聞いても何の会社か分かる人は多くなく、1947年創業の歴史ある会社ですが、社会的な認知拡大はまだこれからという状態でした。

2つ目は従業員の誇り醸成です。ソフトクリーム業界のパイオニアであり、今も業界のトップを走り続けているNISSEI。その実績を支えてきた従業員の皆さまは、コツコツと職人気質な方が多く、ご自身の仕事にやりがいをもって日々働かれています。ただ会社の理念などを日頃意識することは、それほど多くない状況でした。自分の担当の仕事だけではなく、NISSEI全体がお客さまや社会に提供している価値も含め、会社に対しての愛と誇りをもっと高めたいという想いがありました。

アウターとインナー、両方に作用する施策を

社会的な認知拡大と、従業員の誇り醸成という2つの課題感からスタートしたブランディング。

まず最初に着手したのは、コーポレートメッセージ開発でした。NISSEIがお客さまに提供する価値をぎゅっと凝縮し、その価値を約束するための言葉となります。NISSEI社内で考案した日本語版メッセージ「笑顔のみなもと」をもとに、TCDでは英語版メッセージ「Mouthful Creations」の開発を担当しました。日々のちょっとした嬉しさや幸せをお届けしているNISSEIの「お口いっぱいのわくわくを届けたい」という願いを込めています。

商標登録に関しても、グローバルにビジネスを展開しているため、日本のみならず世界各国で取得を進めています(2024年現在)。日本、そして世界に向け、NISSEIの理念を分かりやすく伝える、最初の一歩となりました。


また従業員の方々には、NISSEIブランドの一員であることに誇りをもってもらうため、クレドを制作しました。クレドとは一般的に、会社の理念や行動指針を分かりやすくまとめたものです。会社によってカードタイプなど配布の形態は様々ですが、いつでも手に取れる手引き書として活用いただけるよう、ブックタイプにしました。

ブランドの理念体系や行動指針はもちろん、NISSEIブランドの真髄やコーポレートメッセージに込められた想いなどが載せられており、より深く会社のことを理解するのには欠かせないアイテムです。なかでも従業員の皆さまにとっての「笑顔のみなもと」を紹介した特集ページは、それぞれが自社のコーポレートメッセージについて考えるとともに、他部署の方の想いに触れる一つのきっかけにもなりました。NISSEIらしいあたたかな内容で、私にとっても印象深いページです。




そして、本社の看板デザインも担当しました。大阪府の茨木市にある本社は、JR京都線、大阪モノレールからその外観を見ることができます。「NISSEI=ニックン&セイチャン」、「NISSEI=ソフトクリーム」など、社会に浸透させたいイメージは何であるかを考えデザインに落とし込みました。また本社で働く従業員の方々が毎日見るものであることも踏まえ、NISSEIブランドの価値そのものを表現した、わくわくとおいしさが広がっていくようなエレメントもデザインに取り入れています。東京支店や各工場のデザインも順次進めていく予定です。

最後に

老若男女問わず、いつもみんなのあたたかな記憶のなかにあるソフトクリーム。私も心がほっと和らぐようなおいしい瞬間を何度も経験してきました。

NISSEIのように、実は普段の生活に深く関わっているけれど、認知度はまだ高くないという企業はたくさんあります。

企業のブランド価値を正しく浸透させること。それは社会やお客さま、そこで働く従業員と、企業の価値観を共有するための大切な礎となります。アウターもインナーも伝える対象が違うだけで、「自分たちは何者で、何を目指していくのか」という想いをより広く伝えていく目的は同じ。ブランディングにおいてはどちらも相互に作用し合う、とても重要な施策です。

まだまだ勉強中の身ではありますが、今後もプランナーとしてプロジェクトの円滑な進行を支えるのはもちろん、クライアントの横を走りながら一つひとつ課題をクリアし、ともにブランドを育んでいければ嬉しいです。


Like haruna hasegawa's Story
Let haruna hasegawa's company know you're interested in their content