求人票に書いていないことを、届けたい
踏ん張る場所を見つけた妹
看護大学を卒業し、新卒で病院に入って3ヶ月目に、妹は休職しました。
看護師という仕事が嫌になったわけではありません。配属先の環境が合わなかった...。
その後、妹は別の病棟で働き直しました。自分に合う場所を見つけて、そこで本人が踏ん張った。いまは8年目、現場を支える立派な看護師です。
場所が合うだけでは足りない。頑張るだけでも足りない。その両方が揃ったとき、人は活き活きと働き続けられます。
転職を繰り返していた過去の自分
私自身、環境選びを間違え続けてきました。
新卒で不動産業界に入ってから、8年で5社。半年で辞めた会社もあれば、売上を出していたのに辞めた会社もあります。そのたびに「次は上手くいく」と思って転職...。
仕事自体が嫌だったのではなく、その場所が自分に合うかどうかを、入る前に判断できなかった。
それが落ち着いたのは、いまの会社の仲間に出会い、やりがいのある仕事 —医療機関のSNSを任せてもらえるようになってから。
ここでなら踏ん張れると思える仕事と一緒に頑張りたいと思える仲間に、ようやく出会えました。
求人票に、書いていないこと
そして、さまざまな医療の現場に入るようになって、気づいたことがあります。あの頃の妹や私と同じ理由で、医療者が職場を離れていくことです。
現場で話を聞いていると、辞める理由や転職を考える理由に「環境とのミスマッチ」が出てくることが少なくありません。給与でも、勤務地でも、症例数でもなく、そこにいる人たちと、その場に流れている空気感。
でも、それは求人票には書けません。書きようがない。
SNSなら、それらを伝えられます。働く人の背景も、素の姿も、後輩に向ける目線も。飾らずに出せば、それが一番正確な情報になります。そこまで見せて初めて、候補者は「ここなら合いそうだ」と自分で納得して選べる。
最適なマッチングができる仕組みを設計する
いまは、日頃、立ち入れない現場にも入らせていただいています。そこにあるのは、とても人間味のある景色です。緊張している若手。それを黙って見ている先輩。処置が終わったあとの、ふっと緩む空気。
ただ、私の仕事はそれを撮るだけではありません。誰に、何を、どの順番で届ければ、「ここで働きたい」と思う人に出会えるのか。その道筋を設計することです。
自分で納得して入った人は、簡単には辞めません。踏ん張った人が経験を積み、現場に残る。残った人が、次の若手を育てる。その先にあるのは、患者さんの命です。
私は医療者ではないので、直接、命に触れることはできません。でも、命に触れる人たちが力を発揮できる場所と出会う仕組みをつくるお手伝いはできると思っています。
新卒3ヶ月で休職した妹も、職場を変え続けた僕も、あのときは自分がどこにいるべきかわかりませんでした。同じ思いをする人を、一人でも減らしたい。
そのために、人と病院のマッチングを、勘や運ではなく、設計で成立させられるプロフェッショナルになる。そのために、これからもこの仕事を続けていきます。