Vol.08 第2章:金を取って、初めて見えたもの
Vol.08 「金か、心か。」第2章:金を取って、初めて見えたもの
だが、それが裏目に出てしまったのだ。
来ていたのは、
ディスコに慣れている人間ばかりではなかった。
むしろ、ほとんど行ったことがない大学生も多かった。
結果、どうなったか。
場の雰囲気に圧倒され、
居心地の悪さを感じる人が増えていった。
そして――
集客は、急激に落ちていった。
このとき、自分は何をしていたのか。
答えはシンプルだ。
「金」そのものを追いかけていた。
最初にうまくいった形を、
そのまま拡大しようとしていた。
だが、本質を見ていなかった。
自分の提供した仕事が、
役に立たなければ「金」は入ってこないということを。
それを理解しないまま、
自分の私利私欲だけを追い求めていたのだ。
結果として、
流れは止まり、
数字は落ちていった。
そして気づく。
「自分は、わかっていなかった」
この経験を通して、ひとつ理解した。
自分が一番初めに始めたと思っていたことが、
気づけばどの学生も同様なイベントを行っていた。
同じことをやる人間や、
同じようなことを仕組みとして回す会社も現れる。
うまくいっているときは、
それが“価値”になっているように見える。
だが、人と同じやり方では結果も同じになり、独自の価値は生まれない。
勝つためには、
他とは異なる方法で、異なる価値を提供する必要がある。
とことんハマったものが、
誰かの役に立ったとき、
それは初めて「仕事」になる。
そして、その対価として、金が入ってくる。
だが同時に、ひとつの現実がある。
役に立たなければ、すべて消える。
どれだけうまくいっていたとしても、
どれだけ注目を集めていたとしても、
必要とされなくなった瞬間に、その価値はなくなる。
そして、あっという間に淘汰される。
この世界は、思っている以上にシンプルだ。
価値があるか、ないか。
それだけで、すべてが決まるのだ。