交流会やSNSで、自宅サロンを経営されている方とお話しする機会があります。
ネイル、エステ、リラクゼーションなど、提供しているサービスはさまざまです。
その中で、ときどき耳にするのが集客のお悩み。
「新規のお客様がなかなか増えない」
「SNSを頑張っているけれど、予約につながらない」
「リピーターを増やしたい」
もちろん、SNSでの発信や口コミ、リピート施策は大切です。
でも、そんなお話を聞きながら、私は以前から思っていたことがあります。
美容サロンの営業先は、個人のお客様だけでなくてもいいのではないでしょうか。
前職には、ネイルサロンの福利厚生がありました
以前勤めていた会社には、ちょっと変わった福利厚生がありました。
ネイルサロンで施術を受けられるというものです。
社内では「社長のおごり」という名目でしたが、実際には施術代の請求書が会社宛に届く仕組みでした。
利用する社員は、自分の都合に合わせてサロンへ予約を入れ、施術を受けます。
メニューはクリアジェルネイル一択。
デザインを選ぶ必要もなく、会社側で毎回予約を取りまとめる必要もありません。
社員が自由に予約し、施術を受ける。
費用は会社が負担する。
とてもシンプルな仕組みでした。
当時はありがたく利用していましたが、今振り返ると、これは美容サロンにとっても一つの営業モデルになるのではないかと思うのです。
個人向けサービスを、法人向けに提案する
美容サロンの集客というと、どうしても個人のお客様を対象に考えがちです。
Instagramで施術事例を投稿する。
キャンペーンを企画する。
予約サイトへ掲載する。
口コミを増やす。
もちろん、どれも必要な活動です。
でも、そこにもう一つ、
企業に対して、福利厚生としての導入を提案する。
という選択肢があってもいいのではないでしょうか。
例えば、ネイルサロンであれば、社員向けのネイルケアやクリアジェル。
エステサロンであれば、フェイシャルケア。
リラクゼーションサロンであれば、ヘッドスパやボディケア。
既存の施術メニューを、従業員向け福利厚生として提案するのです。
必ずしも新しい商品を開発する必要はありません。
同じサービスでも、誰に、どのような目的で提案するかによって、営業の入口は変わります。
業種によって、提案できる福利厚生は変わる
例えば、外回りの営業職が多い企業。
お客様と直接会う機会が多い仕事では、服装だけでなく、手元や顔周りなどの清潔感も大切です。
男性向けの脱毛サロンであれば、手元や顔周りなど、本人が気になる部分をケアする施術を福利厚生として提案できるかもしれません。
商談の場では、手元や顔周りなど、細かな部分まで印象に影響することがあります。
また、ネイルサロンであれば、派手なデザインではなく、クリアジェルネイルという選択肢もあります。
爪を整え、自然なツヤのある手元にすることで、清潔感のある印象につながります。
会社が従業員に身だしなみを求めるのであれば、そのためのケアを福利厚生として支援するのも一つの方法ではないでしょうか。
一方、建設業や製造業など、体を使う仕事が多い企業ではどうでしょうか。
リラクゼーションサロンや整体など、仕事終わりにリフレッシュできるサービスが喜ばれるかもしれません。
仕事が終わったあとに、体をいたわる時間を持てる。
そんな福利厚生も、従業員にとって魅力の一つになると思います。
もちろん、どの施術が喜ばれるかは、従業員の年齢層や仕事内容、希望によっても変わります。
大切なのは、自分のサロンで何ができるかだけでなく、その企業で働く人に何が必要とされているかを考えること。
同じ美容サービスでも、営業先の業種や働き方によって、提案の切り口は変わります。
商品を変えなくても、ターゲットと提案方法を変えることで、新しい販路が見えてくるかもしれません。
施設へ出向いて施術するという選択肢もある
介護施設などでは、サロンへ来店していただくのではなく、こちらから訪問する方法も考えられます。
例えば、利用者さん向けのハンドケアやネイルケア、リラクゼーションなど。
外出が難しい方でも、施設内で美容サービスを楽しんでいただけるかもしれません。
また、介護職員さん向けに、仕事終わりのリフレッシュを目的とした施術を福利厚生として提案することもできます。
ここでは、利用者さん向けのサービスと、職員さん向けの福利厚生を分けて考える必要があります。
誰が利用するのか。
誰が費用を負担するのか。
施設内のどこで施術するのか。
どんなメニューなら無理なく提供できるのか。
利用者さん向けの場合は、本人の希望や健康状態、施設の方針、安全面への配慮も欠かせません。施術内容によっては資格や法令上の確認も必要です。
お客様にサロンへ来ていただく方法だけでなく、サービスを必要とする場所へ届ける。
これも、美容サロンが新しい販路を考えるうえで、一つの選択肢になるのではないでしょうか。
法人向けにするなら、運用の仕組みも必要です
ただし、個人のお客様に施術を提供することと、法人向けに福利厚生として提供することは、少し違います。
例えば、こんなことを決める必要があります。
- 企業は施術代を全額負担するのか、一部補助するのか
- 利用できるメニューを限定するのか
- 従業員一人あたりの利用回数に上限を設けるのか
- 予約は従業員が直接行うのか
- 施術実績をどのように管理するのか
- 企業への請求は月末にまとめるのか
また、企業側の福利厚生費として認められる条件や、従業員への給与課税の有無など、税務上の確認も必要です。
会社が支払えば、すべて福利厚生費として処理できるわけではありません。
対象者の範囲や利用条件なども含め、税理士などの専門家に確認したうえで制度を設計する必要があります。
さらに、サロン側も法人契約によって本当に利益が出るのかを考えなければなりません。
法人契約だからといって、必ずしも毎月一定数の利用があるとは限りません。
予約枠や施術単価、請求業務の負担も含めて検討する必要があります。
まだ私自身、このモデルを事業として検証したわけではありません。
あくまで、実際に福利厚生を利用した経験から考えた、一つの営業アイデアです。
集客に悩んだら、営業先を変えてみる
売上が伸び悩んだとき、どうしても今の集客方法を改善することに意識が向きます。
SNSの投稿回数を増やす。
キャンペーンを考える。
広告を出す。
でも、今の営業方法を頑張ることだけが、売上を伸ばす方法ではありません。
営業先そのものを変えてみる。
これも一つの選択肢です。
個人のお客様に一回ずつ予約していただく方法に加えて、法人との定期契約や施設への訪問施術など、新しい取引の形をつくれないか考えてみる。
そのためには、どんな企業にニーズがありそうなのかを調べる必要があります。
営業職の多い企業なのか。
身だしなみやセルフケアへの関心が高い従業員の多い企業なのか。
福利厚生の充実に力を入れている企業なのか。
ターゲットによって、提案するサービスも営業文面も変わります。
そして、営業先が決まったら、企業リストを作成し、担当部署を調べ、営業DMや問い合わせフォームなどから接点をつくっていく。
ここから先は、通常の法人営業と同じです。
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