フリーランスとして仕事を始めるとき、
「いくらで仕事を受けるか」
については、多くの人が考えると思います。
時給にするのか。
出来高にするのか。
一件いくらにするのか。
月額契約にするのか。
私自身も、見積もりを出すたびに今でも悩みます。
でも、料金と同じくらい決めておいた方がいいことがあります。
それが、
「いつ仕事を締めて、いつ請求し、いつ入金してもらうのか」
です。
フリーランスにとって、請求は単なる事務作業ではありません。
自分の事業のお金の流れをつくる仕事でもあります。
まず「どこまでやったら完了なのか」を決める
単発の仕事で意外と曖昧になりやすいのが、
どの時点をもって仕事の完了とするのか
です。
たとえば動画制作なら、
初稿を提出した時点なのか。
修正が終わった時点なのか。
完成データを納品した時点なのか。
クライアントから検収OKが出た時点なのか。
営業代行でも、
リストを作成した時点なのか。
DMを送信した時点なのか。
返信対応までなのか。
アポイントを取得した時点なのか。
日程が確定した時点なのか。
同じ「仕事をする」でも、完了地点によって業務範囲は変わります。
そして完了地点が決まっていなければ、
いつ請求していいのかも決まりません。
仕事を始める前に、
「何をするか」だけではなく、
「どこまでやったら、この仕事は完了なのか」
まで決めておく。
これは料金を決めるときにも必要なことだと思っています。
また完了条件は、仕事内容だけではなく、請求のタイミングにも関係します。
たとえば「動画編集10本」の単発案件を受け、月をまたいで制作することになったとします。
9月に6本、10月に4本完成した場合、9月末に6本分を請求するのか。10本すべて完成してからまとめて請求するのか。
さらに、「納品した時点で完了」とするのか、「クライアントの検収が終わった時点で完了」とするのかでも、締める月が変わります。
私は出来高制を基本にしているからこそ、「何を1件と数えるのか」「どの状態になったらその仕事は完了なのか」「月をまたいだ場合はどう締めるのか」まで決めておくことが重要だと考えています。
「動画編集10本・1本○円」と料金だけ決めても、請求ルールまでは決まっていません。
出来高を決めることと、出来高が確定する条件を決めることはセットです。
昔は、クライアントの支払条件に合わせていた
私も以前は、請求のタイミングについてそれほど深く考えていませんでした。
クライアントから、
「15日締めでお願いします」
「月末に請求してください」
「納品後に請求書を送ってください」
と言われれば、それに合わせる。
その結果、入金日もバラバラでした。
5日に入金がある。
15日に別の案件が入る。
月末にまた別の入金がある。
こまめにお金が入ってくるので、一見すると安心です。
実際、フリーランスにとって入金があるのはありがたいことです。
ただ、私の場合は別の問題がありました。
こまめに入金があると、その分こまめに使ってしまうのです。
「また来週入るから大丈夫」
「月末にも入金予定があるから大丈夫」
そうやっていると、今月いくら稼いで、翌月いくら使えるのかが見えにくくなります。
入金はあるのに、お金の管理がしやすいわけではありませんでした。
今は「月末締め・翌月25日払い」を基本にしています
現在、私から支払条件を提示できる仕事については、
月末締め・翌月25日払い
を基本にしています。
もともとは、以前関わっていた仕事の支払日が25日だったことがきっかけでした。
複数の仕事をしているなら、それぞれ違う日に少しずつ入金されるより、できるだけ同じ時期にまとめた方が収入全体を把握しやすい。
そこで、ほかの仕事についても25日前後に入金されるよう、支払条件を揃えるようになりました。
もう一つ、私の場合は27日前後に家賃などの大きな支払いがあります。
その直前に入金がある程度まとまっている方が、
「今月はいくら入って、ここからいくら支払うのか」
を把握しやすく、翌月の予算も組みやすくなります。
もちろん、取引先側に支払サイトが決まっている場合など、すべての仕事をこの条件にできるわけではありません。
ただ、こちらから条件を提示できる場合には、できるだけ自分のルールに揃えています。
入金日を決めるとき、仕事側の都合だけを見る必要はありません。
自分の固定費がいつ引き落とされるのか。
生活費をいつ確保したいのか。
税金や事業経費をどう管理するのか。
そうした「お金が出ていくタイミング」から逆算して、「お金が入ってくるタイミング」を設計する方法もあります。
フリーランスも、自分側のルールを持っていい
フリーランスを始めた頃は、
「クライアントの条件に合わせるもの」
という意識が強くありました。
もちろん、相手の経理処理や支払ルールに合わせなければならない取引もあります。
でも、すべての条件を相手に決めてもらう必要はありません。
自分も一つの事業として仕事をしている以上、
自分の事業を管理しやすいルールを持っていていい。
今はそう考えています。
これは支払日だけではありません。
見積もりの有効期限。
仕事の開始条件。
完了条件。
修正回数。
追加作業の扱い。
請求のタイミング。
支払期限。
こうしたものを一つずつ決めていくことで、毎回ゼロから判断しなくても仕事を進められるようになります。
入金が早いことだけが、資金管理ではない
もちろん、資金に余裕がない時期には、入金が早いことがとても重要です。
私自身、入金を早めてもらえることに助けられた経験もあります。
だから、
「支払日は遅い方がいい」
という話ではありません。
大切なのは、
自分がいつ売上をつくり、いつ請求し、いつお金を受け取るのかを把握できていること
だと思います。
入金日がバラバラでも、きちんと管理できる人なら問題ありません。
私は、入金日をある程度まとめた方が管理しやすかった。
それだけのことです。
フリーランスの仕事の仕方に、一つの正解があるわけではありません。
請求まで含めて、一つの仕事です
仕事を受ける。
作業する。
納品する。
そこで仕事が終わったような気持ちになることがあります。
でも、事業として考えれば、その後があります。
完了を確認する。
請求書を発行する。
入金を確認する。
必要なら未入金を確認する。
お金を受け取るところまで含めて、一つの仕事です。
そして、毎回違うタイミングで請求し、毎回違う条件で入金を待っていると、その管理自体が新しい仕事になります。
だから私は今、
「いくらで受けるか」だけではなく、
「どこまでやったら完了で、いつ締めて、いつ支払ってもらうのか」
まで含めて仕事を設計するようにしています。
フリーランスは、自分で仕事を選べる働き方です。
同時に、自分で仕事のルールをつくらなければならない働き方でもあります。
料金を決めることも。
完了条件を決めることも。
請求日を決めることも。
支払日を決めることも。
全部、自分の事業を長く続けるための仕組みづくりです。
請求とは、お金をもらうためだけの事務作業ではありません。
自分の仕事とお金が、無理なく回り続ける流れをつくること。
それも、フリーランスとしての仕事の設計だと思っています。