最初にITの仕事を始めたとき、私はWebサイトを作っていました。
企業のホームページを作ったり、デザインを考えたり。
当時は、とにかく「ちゃんと動くものを作る」ことを考えていたと思います。
そこから社内SEに転職して、Webサイトだけではなく、企業の中で実際に使われている業務システムに関わるようになりました。
そこでkintoneを使った業務改善にも携わるようになりました。
最初は、
「Excelで管理しているものをkintoneに移せば、もっと仕事が楽になる」
そんなふうに考えていました。
実際、kintoneに移すことで便利になることはたくさんあります。
でも、いろいろな企業の業務を見ていると、そう簡単にはいきませんでした。
kintoneを導入したのに、Excelが残っている。
kintoneには入力しているけど、別のExcelにも同じ内容を入力している。
せっかくシステムを作ったのに、結局これまでのやり方も残っている。
こういうケースを何度も見ました。
そのときに、
「システムを作るだけでは、会社は変わらないんじゃないか」
と思うようになりました。
もちろん、システム自体が悪いわけではありません。
問題は、その前後にある業務の進め方でした。
- 「そもそも、この作業は必要なのか」
- 「なぜこのタイミングで入力するのか」
- 「このデータを入力したあと、誰が何に使うのか」
そこまで考えないままシステムを作ってしまうと、結局は今までの仕事をそのままシステムに置き換えただけになってしまいます。
この考え方が大きく変わったのが、Salesforceの案件に携わったときでした。
Salesforceを使った業務を見ていると、単に顧客情報を管理するだけではありません。
営業の進め方そのものを整理したり、情報が次の担当者に自然に渡るようにしたり、蓄積された情報から次の判断につなげたりする。
「システムに合わせて仕事をする」のではなく、
「仕事をどうしたいのかを考えて、それに合わせてシステムを作る」
という考え方を知りました。
これは自分にとってかなり大きな経験でした。
さらに、CRMに蓄積されたデータを実際に分析する機会があり、データを持っているだけでは意味がないことも実感しました。
データを見ることで、
- 「どこで案件が止まっているのか」
- 「どんな顧客が多いのか」
- 「何が成果につながっているのか」
といったことが見えてきます。
今まで経験や感覚だけで話していたことを、データを使って考えられる。
ここにも、ITを使う大きな意味があると思っています。
だから、これからは「システムを作る人」だけではなくなりたいと思っています。
企業の業務を見て、
「ここはシステム化したほうがいい」
「これは今のやり方を変えたほうがいい」
「せっかくデータがあるなら、こういう使い方ができる」
というところまで、一緒に考えられる人になりたいです。
特に、ITが得意ではない企業とは長く付き合っていきたいと思っています。
「DXをやりましょう」と言われても、何から始めればいいのかわからない。
そんな企業に、いきなり難しい話をするのではなく、
「まずはここからやってみましょう」
と一緒に進められる存在でありたいです。
そして、個人的に一つ目指していることがあります。
企業に、ITに強い人を一人増やしたい。
私が全部やってしまうのではなく、その会社の中に、
「これ、システム化できるんじゃない?」
「このデータ、何かに使えないかな?」
と考えられる人を一人作る。
その人が中心になって、少しずつ社内の仕事が変わっていく。
そんな状態を作れたらいいなと思っています。
Webサイト制作から始まって、社内SEになり、kintoneやSalesforceなどの業務システムに関わってきました。
振り返ると、最初は「何を作るか」ばかり考えていました。
今は、「なぜ作るのか」「作ったあと、会社の仕事がどう変わるのか」を考えるようになりました。
これからは、開発だけにこだわらず、業務改善やデータ活用まで含めて、企業のIT活用を一緒に考えられる人になりたいと思っています。
まだ自分自身も勉強している途中です。
だからこそ、企業と一緒に考えて、一緒に試して、少しずつ良くしていく。
そんな仕事を続けていきたいと思っています。