1
/
5

ジョンソンエンドジョンソンの業績、評判~中島徳至

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)はジョンソン3兄弟によって1887年に米国ニュージャージー州で設立されました。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の数万点にのぼる製品は3つの部門に分かれています。

第1は消費者向け製品で、一般用医薬品(店で売られる大衆薬)、スキンケア製品、赤ちゃん用のケア製品、オーラル(歯と口)ケア製品などが含まれます。

第2の部門が医療用医薬品で、免疫領域、中枢神経系領域、感染症領域、がん領域などが中心です。

そして、第3の部門が医療機器・関連製品で、整形外科、外科手術関連などです。

3つの部門のうち、医療用医薬品部門が売上でも利益でも中心となっており、2014年には総売上の43%、税引き前利益(全社共通費用負担前)の54%を生み出している。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は医療用医薬品メーカーとして、米国第3位、世界でも第7位に位置しているが、医薬品を軸にして医療機器や関連製品、日用品にわたるヘルスケア分野での多角化という点では、トップ7社の中で最も進んでおり、総売上では他社にかなりの格差をつけて最も大きくなっています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)の売上の特色は、長期にわたってコンスタントに成長してきたことにあります。

過去30年間の年平均成長率は9%に達し、売上減少は、リーマン・ショック後の2009年と2010年に前年からわずかに減ったときだけです。

長期にわたって売上が安定して伸びてきた理由としては、事業の多角化と販売市場のグローバル化が挙げられます。

たとえば、3つの部門それぞれの売上の増減のサイクルは異なっており、2009年と2010年は同時に2つの部門の売上が減少したため、総売上の減少につながったのです。

また、売上を地域別に米国、欧州、その他に分けてみると、この10年では、総売上が減少した両年のみ、米国と欧州の両方で売上が減少しています。

事業の多角化、販売地域のグローバル化の成果は、売上の大幅減少を避けられただけでなく、成長部門、成長地域が全体の売上を牽引(けんいん)していく点にも表れています。

リーマン・ショック後、ドル高の影響を受けながらも売上が回復しているのは、医療用医薬品部門の売上拡大と新興国での売上増加の成果です。

さて、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は長期にわたって、高い利益を享受してきました。

たとえば、過去30年間の平均粗利率は69%に達しています。

1997年以降は68~72%で、振れが小さいのが特色です。

営業利益率、当期純利益率は売上拡大とともに、上昇していずれも高い水準です。

たとえば、最近10年平均の営業利益率は26%。

部門別では、医療用医薬品部門の利益率が最も高く、医療機器部門もそれに次いで高い利益率を確保しています。

グローバル市場でトップシェアあるいは2番手シェアの製品が総売上の7割を占めており、独自性が評価され、価格が崩れにくい形ができているのです。

中島徳至

<参考>
https://indokeizai.com/index.htm

Like 中島徳至's Story
Let 中島徳至's company know you're interested in their content