SDLC 「Systems Development Life Cycle」 システム開発ライフサイクル
SDLCは、情報システムが構想され、作成され、使用され、最終的に使われなくなるまでの一連の工程をモデル化したものです。この概念は、情報システムの開発プロセス全体を包括し、異なる開発モデルやプロセスを含む場合と、特定の古典的な開発モデルであるウォーターフォールモデルを指す場合があります。
1. SDLCの概要
企業などが業務で用いる情報システム、特に、その中核となるソフトウェアについて、構想から廃棄までがどのようなプロセスで行われるかを示している。情報システムの開発においては、その中核となるソフトウェアを構想から廃棄まで、複数の段階でのプロセスによって行われます。厳密な定義や規格は存在せず、プロセスの分け方や段階の数には幅がありますが、通常、4から10段階程度の工程に分けることが一般的です。
2.SDLCの手順
よく用いられるソフトウェア開発のモデルとして、次の5つの主要な段階からなる考え方が広く採用されています:
- 要求(の分析・定義): プロジェクトの初期段階で、システムの要件を明確に定義し、ユーザーおよびステークホルダーからの要求を収集します。この段階では、システムが何を達成すべきかが詳細に検討されます。
- 設計: 要件が確立されたら、システムの設計が行われます。設計段階では、システムのアーキテクチャ、データベース構造、ユーザーインターフェース、およびその他の要素が詳細に計画されます。
- 実装(狭義の開発): 設計が完成したら、実際のソフトウェアコーディングやプログラムの開発が行われます。この段階で、設計段階で策定された計画に基づいてプログラミングが実施されます。
- 試験(テスト): 実装が終了すると、ソフトウェアのテストが実施されます。システムが要件を満たしており、期待通りに動作することを確認するためにさまざまなテストが行われます。
- 供用: ソフトウェアがテストに合格したら、ユーザーに提供・導入され、運用が開始されます。ソフトウェアは実際に稼働し、ユーザーに利用されます。
この5つの段階は、ソフトウェア開発プロセスの中核を形成し、ソフトウェアライフサイクル全体に関連しています。また、構想、企画、計画、運用、保守、更新、廃棄などの追加の段階が、プロジェクトの特性や必要性に応じて導入されることがあります。
ソフトウェアの「ライフサイクル」(life cycle)は、システムが完成し使われ始めた後も含め、ソフトウェアが存在する全ての段階を指し示す概念です。このライフサイクルは、次世代システムの計画や要求定義から始まり、同じプロセスを循環的に繰り返すモデルとして表現されることがあります。
3.SDLCの歴史
ソフトウェア開発のためのソフトウェアライフサイクル(Software Development Life Cycle、SDLC)は、1960年代に提唱された概念で、当初はコンピュータシステムの開発をモデル化するために使用されました。最初に導入されたのは、各プロセスを順番に完遂していく「ウォーターフォールモデル」であり、これが当初のSDLCの中核をなす部分でした。
しかし、時が経つにつれて、ソフトウェア開発プロセスは複雑化し、単純な順次進行だけではプロジェクトに適切に対応できなくなりました。このため、現代では反復型開発手法なども提唱され、同じプロセスが何度も繰り返されながらシステムの完成度を高める方法論も一般的となりました。
このような変化に対応して、SDLCは一連のプロセスを何度も繰り返すことや、システム開発プロセスの反復を許容し、適応性を高めるものとして捉えられています。SDLCは、様々な開発モデルに共通するプロセス群を示す概念であり、その適用方法はプロジェクトの性質や要求に合わせて調整されます。
Miichisoft は、SDLC を作業に組み込むメリットとデメリットをリストした記事も提供しています。ご興味があれば、リンクをクリックしてくださいます。
参考リンク:https://note.com/miichisoft_jsc/n/nc93705c8872f
4. 結論
SDLCは情報システム開発の中核を形成し、ソフトウェアのライフサイクル全体を包括します。プロジェクトの成功においては、プロジェクトの性質や要求に応じて適切な開発モデルを選択し、適応性を持たせることが重要です。SDLCはプロジェクトを計画的かつ効率的に進行させ、品質管理とリスク管理を強化するための枠組みとして、現代のソフトウェア開発において不可欠な概念となっています。ソフトウェア開発は、より広範なシステム開発プロセスの重要なコンポーネントとなることがよくあります。 システム開発プロセスについてより深く理解するには、下のリンクをクリックして詳細をご覧ください。