金継ぎ
先日、茶碗が割れた。
この茶碗は高いものでは無いけど、ろくろ体験を経て制作したもの。
せっかく作って長年使っていたので、金継ぎに挑戦してみた。
金継ぎ自体は前から知っていて、興味もあった。
ただ、実際にやる機会は無かった。
工作は嫌いじゃなかったので、味のある金継ぎ茶碗にしようと息巻いていた。
通販で金継ぎキットを買い、いざ挑戦。
やってみると、思った以上に難しかった。
まず、漆を使って破片を接着させるのが困難。
漆が乾く前に、欠けた破片のバランスを取りながら、元の形へ素早く整えていく必要がある。
そして次の装飾工程が、最大の難関だった。
最初は、破片を繋ぎ合わせた亀裂部分だけに、朱色で細く装飾を入れるつもりだった。
けれど、茶碗に細い線を描くのは非常に難しい。
ザラザラした触感。
凹凸のある曲面。
紙に絵を描くのとは訳が違った。
結果、大失敗。
朱色で割れた茶碗を塗ったことで、呪具のようになってしまった。
失敗は残念だったけど、諦めきれず色付けに再挑戦してみた。
二度目の色付けでは、割れた箇所へ細い線を描くのは諦めた。
代わりに、大胆に朱色で塗り直した。
さらに、アクセントとして一部の破片の色を変更。
最後に、割れた亀裂部分を太い金色で縁取った。
最初に想像していた形では無いけれど、茶碗は生まれ変わって出来上がった。
新しいストーリーを携えて。
実際に体験すると分かる困難や、思い通りにいかない歯痒さ。
小綺麗に整えるより、大胆に変えた方が上手くいく事もある。
金継ぎを通じて、そんな体験が出来た。