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「求人は出しているのに、若手が来ない」
今回支援した建築板金会社の採用課題は、広告費が足りないことではありませんでした。
ハローワークの求人を四半期に一度更新しても、年間の応募は数名。採用につながるのは、いても1名程度です。
応募者の年齢層も40〜50代に偏り、会社が本当に採りたい若手・未経験者には届いていませんでした。
しかも当時は、採用専用サイトがありません。
求職者が会社を知れるのは、求人票に書かれた仕事内容や給与、休日などの限られた情報だけでした。
けれど、ヒアリングと既存資料の確認を始めると、「なぜ伝えていないのだろう」と思う魅力が次々に出てきました。
“条件の良い会社”ではなく、“続けられる理由がある会社”だった
この会社は、金属屋根・金属外装という得意分野に特化しています。
何でも受けるのではなく、得意な仕事に集中し、無理な値下げよりも適正な価格を守る。その結果、会社の利益を社員へ還元できる経営を続けていました。
自己資本比率は71%。高い経営安定性があり、創業から90年を超えて事業を続けています。
完全月給制、年間休日131日、資格取得の会社負担、研修制度、利益の50%を社員へ還元する仕組み。
求職者にとっては、「建設業だからきつそう」「休めなさそう」「将来が不安」と感じやすい業界です。
しかし、この会社には、その不安を覆すだけの材料がすでにありました。
足りなかったのは、魅力ではありません。
その魅力を、若手・未経験者が「自分がここで働くなら」と想像できる形で伝えることでした。
求人票を増やすのではなく、“応募する前に知りたいこと”をつくった
そこで採用専用サイトを作成しました。
ただ会社の歴史や福利厚生を並べるのではなく、応募を迷っている人の頭の中にある質問に、一つずつ答える構成です。
「建築板金って、実際には何をする仕事?」
「未経験でも、いきなり危険な現場へ行くのでは?」
「どんな先輩がいて、何を教えてもらえる?」
「自分はこの仕事に向いている?」
「入社後、どんな技術を身につけられる?」
仕事内容、社員インタビュー、キャリアイメージ、求める人物像、研修制度、よくある質問、募集要項までをつなげました。
Indeed広告から興味を持った人が、採用サイトを読めば「ここなら働けるかもしれない」と判断できる。
広告は入口であり、採用サイトは応募を決めるための受け皿です。
この2つを分けずに設計したことが、最初の転換点でした。
結果:応募者の年齢層が変わり、採用につながった
採用サイトの公開とIndeed広告運用の改善後、応募者の層は40〜50代中心から20〜30代中心へ変化しました。
サイト公開後約3か月で、応募13名、面接11名、採用4名。
未経験の現場スタッフの採用単価は44,014円でした。
もちろん、数字だけが成果ではありません。
大事なのは、会社が「誰に来てほしいか」を明確にし、その人が応募前に不安に思うことへ答えられる状態をつくれたことです。
若手・未経験者にとって、建築板金は最初から魅力が伝わりやすい仕事ではありません。
だからこそ、仕事内容の面白さ、働き方、成長の道筋、職場の人間関係、会社の安定性まで、応募の前に見せる必要があります。
採用が変わった理由は、広告を増やしたからではない
この事例で行ったのは、次の4つです。
・ヒアリングと既存資料から、会社にある本当の強みを掘り起こす
・「若手・未経験者が何を不安に思うか」から、採用ページの情報を設計する
・Indeed広告と採用サイトの訴求をそろえる
・応募数だけでなく、応募者の年齢層・面接・採用まで見て改善する
採用がうまくいかない会社は、魅力がないのではなく、魅力が伝わっていないことがあります。
求人票を出して終わりにせず、会社が選ばれる理由を見つけ、求職者が「ここで働く自分」を想像できる形にする。
この積み重ねが、年間採用ほぼ1名の状態を、若手・未経験者にも届く採用導線へ変えた理由です。