ロスゼロは「食品ロス削減事業」に真正面から挑む、関西のスタートアップです。
2018年4月、「規格外・余剰品のような廃棄されてしまう食品を、製造・加工メーカーから買い取り、お得な価格で消費者に届ける」通販サイトから当社はスタート。
その後、製造や流通段階で行き場を失った余剰・規格外品食品を消費者に直接つなぐEC(BtoC)事業、未利用の原材料を使ったアップサイクル食品を製造・販売するDtoC事業、サブスクリプション「ロスゼロ不定期便」を運営するなどし、サステナブルな社会の実現を目指しています。
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気仙沼でいちご農家を営む、シーサイドファーム波路上(はじかみ)代表の佐藤さん。
2011年に東日本大震災を経験し、そこからの復活を目指し、様々な壁を乗り越え、甘くて美味しいいちごを作り続けています。
とはいえ、収穫したいちごの中には、規格外のいちごが一定数出てしまい、それらを自らの手で廃棄しなければならない現実に、佐藤さんは、長年心を痛めていました。
「丹精込めて作っているいちごを、廃棄することなく、美味しく食べてもらう方法は無いものか…」
そんな佐藤さんの悩みを知った方が、当社と佐藤さんを引き合わせてくれたのでした。
「では、ロスゼロが規格外のいちごを引き取り、消費者にお得に届けすることで万事解決!」
というほど、食品ロス削減事業は簡単なものではありません。
消費者に安く届けるには、生産者の佐藤さんから、いちごを安く、タダ同然で引き取る必要があります。
そうなると、生産者の方は、「新たな手間をかけて流通させたところで、自分たちにはお金が入らず、かつブランド価値も下がる。それなら、今まで通り廃棄する」という選択を取らざるを得なくなる。
『単に消費者に安く届けるだけでは、食品ロス問題は解決されない』
これが、私たちが食品ロスに取り組み始めて感じた大きな課題でした。
「では、この規格外のいちごに付加価値をつけ、消費者にも美味しく食べてもらえる方法は無いものか…」
そこで目をつけたのが、日本に輸入されたチョコレートの中で、結局使われることなく捨てられてしまう未使用の製菓材料。
これを独自に製品化し、いちご農家の佐藤さん、地方創生に積極的に取り組まれているJTBさん、他にもたくさんの関係者の方と打ち合わせを重ね、
「不揃のいちごの形をいかしてフリーズドライにし、ホワイトチョコでコーティングした、気仙沼みなといちご」が、当社の『Re:You』ブランド第一号商品として誕生しました。
…とここで、また新たな壁が。
販売予測が立たない間は大量生産はできず、ロスが出ないように小ロットで作ると、原価が高くなり、一つの商品の販売価格が大幅に上がってしまいます。
いくら、美味しく食べて社会貢献になるとはいえ、値段が高すぎれば、消費者の皆さんには買っていただけません。
次に考えるべきは「販路開拓」。売り先が広がれば、生産量をあげ、コストが削減でき、かつ食品ロスを出さずに提供できるはず。
そこで当社は、インターネット通販のみならず、百貨店での催事販売、広報によりテレビやラジオで取材して頂いたり、神戸市のふるさと納税の返礼品にしたり、大手クルマディーラーのお客様へのお土産にして頂くなど、販路開拓に務めた結果…
シリーズ販売数は現在までに2万点を超え、新商品チョコレート「シェアりゆう」に至っては、販売早々に販売総数8,000枚を突破。
多くのいちごやチョコレートが、廃棄されることなく消費者のもとに届き、現在もいちご農家の佐藤さんや関係者の方に喜んで頂くことができています。
単に、規格外の食品をお得に流通させるのではなく、ECショップ運営・物流のノウハウ、企画力や自治体連携などを駆使して、食品ロス問題の根本からの解決をめざす。
その結果、インターネット通販、サブスクモデルの「ロスゼロ不定期便」(開始4ヶ月で2000人突破)、百貨店での販売、アップサイクル商品企画・開発・販売、食品ロスの企業教育研修など、事業はどんどん広がりを見せています。
ビジネスとして、適正利益は確保する。それ以上に、生産者や食品製造メーカーさんの想いを受け止め、新しい消費のあり方を社会に発信することで消費者の意識を変えながら、一つ一つ丁寧に取り組む。
サービススタート以来、当社が削減した食品ロスは累計500万点をこえ、毎月10トン(サブスクの『ロスゼロ定期便』のみで5トン超)の食品が廃棄されることなく、消費者の方に美味しく食べられています(2022年4月現在)
とはいえ、日本全体の食品ロスは600万トン(2017年現在)。私たちの挑戦は、まだ、始まったばかりです。