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2021年_広島_「ヒロシマの記憶AR」

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来月で終戦から76年を迎えます。戦争体験者が減少する中、どう記憶をつないでいくのか。広島に住むアメリカ人が始めたテクノロジーを駆使した取り組みを取材しました。

 「『敵機だー』という声がしてそれで思わず上を見ました」(田中稔子さん)

 緑の空間で、戦争体験を話す被爆者・田中稔子さん(82)。実はこれ、特殊撮影で田中さんの“分身”を作っているのです。

  AR=拡張現実という現実空間に3次元的映像を重ねる技術で、スマホ画面に被爆者の“分身”が浮かび上がるアプリを開発したのです。この日、“分身”を披露するため田中さんのもとへ。誰もいないはずの空間に、田中さんがまるでいるようにスマホ上では見えます。

(Q.抵抗はなかったですか?)
 「ただ嬉しかったです。いずれ消えていく被爆者は、もちろん高齢ですからね。だけどリアルな形で残っていく。私たちがいなくなっても平和活動を続けていくこと」(田中稔子さん)

 アプリを起動すれば、いつでもどこでも田中さんが目の前で語りかけてくれます。

 「どうぞ被爆者の心を継いでください。そこで継いでくださるということが、次の世界を作るための切り札になると思います」(田中稔子さん)

(2021年07月18日16:49)