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UberとLyftが秘密裏に上場申請したほか、SlackやAirbnbも2019年の上場に向けて準備を進めていると報道されるなど、ユニコーンでもIPOへの流れができ始めています。と、ユニコーン企業に関する記事を立て続けに書いており、お前の仕事はそれなのか!って言われそうなので、ここで一つ自分の事業に繋がりそうな記事を書いてみます。
今回は、UberとAirbnbとWeWorkのこれまでのM&Aについて、自分なりに考察してみようと思います。
■Uber
創業者であるTravis Kalanickの失脚し、Expediaの元CEOだったDara Khosrowshahiに変わ理、買収の方針も変わったように見えます。Travis Kalanick政権下では、技術や人材を獲得するためのM&Aが多かったように思えます。しかし、Dara Khosrowshahi政権下で行ったものは、2018年4月のバイクシェアリングのように、MaaSというくくりの中で買収しています。
他の2社と比較しては買収をあまりしない一方で自社による立ち上げが上手のようです。既に水屋の「Uber Freight」とフードデリバリーの「Uber Eats」が立ち上がりつつあり、救急車の「Uber Health」と人材派遣の「Uber Work」も本格始動中。
「FinTech」の領域にも進出しており、アメリカやラテンアメリカでビジネスチェック・アカウントやデビットカードを発行したり、オランダで電子マネーのライセンスを申請しています。
また、WeWorkやAirbnbが海外の同業者を買収する一方で、Uberは同業に売却しています。中国はDidiに、ロシアはYandexに、東南アジアはGrabに売却しています。
■WeWork
WeWorkでは大きく3つの路線でM&Aをしています。
1つ目は「Powerd by We」の強化を目的とした買収を行なっています。「Powered by We」とは、WeWorkのOEM版で、WeWorkが創業以来培ってきたノウハウを外部企業のオフィス作りにも活かしていこうと言うものです。例えば、顧客のための適切な物理的スペースの選定、内装工事、インテリアのカスタム、ビルオペレーションを管理するソフトウェア、人材交流を促進するためにWeWorkの従業員を派遣するなどです。これまでに、AirbnbやIBMなどが利用しています。そのための買収を数社やっており、初めて買収したBIMの会社もそうですし、2016年3月に受付システム、2017年11月にコミュニティプラットフォーム、2018年8月会議室予約サービスなどがそうです。面白いのが、これらのいくつかが、WeWorkが顧客として使っていたものを買収していることです。
2つ目は、入居者を支援することを目的とした買収です。特にマーケティングの側面が強く、2017年8月にセールスとマーケティングのプラットフォーム、2018年3月にコンテンツマーケティングを買収しているます。これも、WeWorkが顧客として使っていたものを買収しています。
3つ目は、コミュニティを拡張する方向で行なっています。WeWorkでは、2016年から賃貸住宅の「WeLive」、フィットネスジムの「Rise」、教育の「WeGrow」などをスタートさせており、これらを強化する会社を買収しています。中でも教育についてはわかりやすく、2017年10月にプログラミング教育、2018年5月に高等教育、2018年8月にはデザイン教育に関する会社を買収しています。
■Airbnb
最後はAirbnb。3社の中でもっともM&Aをしており、大きく3つの路線で買収しています。
1つ目は、海外の同業を買収しています。Uberは売却していますが、WeWorkと同様にAirbnbは海外の同業を買収しているのは、興味深いなと思います。2011年1月にドイツの同業、2012年3月にイギリスの同業、2017年2月に高級路線を取っていた同業、2017年11月に障害者向けの同業を買収しています。
2つ目は、「旅行」に関連するサービスを買収しています。2012年7月の観光情報サイト、2012年10月に飲食店レビューサイト、2012年12月に地域Q&Aサイト、2015年9月に乗換案内、2016年7月にアクティビティ予約サイトを買収しています。ただ、Airbnbの面白いところは、これらを買収した後に閉じて自社のサービスに取り込んでしまうことです。また、自社でも立ち上げを行なっています。例えば、ホテル予約に進出したり、自社ブランドのアパートをNewgard社と連携して建設したり、航空会社の設立を検討していたり。また、法人向けの「Airbnb for Business」はかなり成長しており、2017年4月では25万社だったものが、2018年8月では70万社に拡大していいます。
3つ目は、アクハイアリング。2012年7月に自撮り共有サービス、2016年4月に仮想通貨のマイクロペイメントを買収しています。
いかがでしたでしょうか。Uber・WeWork・Airbnbとグローバル展開するユニコーン企業がこれまでに行ってきたM&Aの特徴について見てきましたが、こういう軸で買収していたのか!やこういう哲学で買収してきていたのか!という学びが個人的にありました。
今後、会社を成長させるにあたって、「上場企業が未上場企業を買収する」「非IT企業がIT企業を買収する」「未上場企業が未上場企業を買収する」といった選択肢も増えていってもいいのかなと思っています。
もし、「会社や事業を買収したい!」や「売却したい!」などのご要望がありましたら、弊社か私までご連絡いただけますと幸いです。