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企業の認知度向上で、事業成果はどれだけ伸びるのか──リサーチ業界の可能性を広げる、サイカとクロス・マーケティンググループの新しい挑戦

2020年2月、サイカは世界11か国・20拠点以上でマーケティングリサーチ事業、ITソリューション事業、デジタルマーケティング事業を展開する、クロス・マーケティンググループとの業務提携と、共同サービスの提供開始を発表しました。

今回の業務提携を主導した、サイカ取締役COOの彌野正和(やの まさかず)に話を聞くと、マーケティングリサーチ業界の可能性を広げる、新たな挑戦への想いが聞けました。

マーケティング業界の長年の課題を解決する

ーまず、今回の業務提携の概要と目的を教えてください。

私たちのお客様であるナショナルクライアントの多くは、四半期や半年、1年ごとに、「認知度・好意度」の定点的な調査を行っています。

この調査に大きな予算を投資しているにも関わらず、認知度・好意度の指標が事業成果にどのくらい関係しているのかが分からないという課題感がマーケティング業界にはありました。

今回の業務提携では、このマーケティング業界の長年の課題を解決するソリューションを提供します。認知度が1%伸びると事業成果がどのくらい伸びるのかを可視化するのが、この業務提携で実現できることです。

ー「多額の投資をしている調査なのに、事業への貢献度合いを数値化できていない」というマーケティング業界が抱える課題を解決するために、今回の業務提携が実現したんですね。

なぜクロス・マーケティングとサイカだったのか

ー認知度・好意度調査を行うリサーチ会社は多くありますが、その中でもクロス・マーケティンググループ様との業務提携に至った理由を教えてください。

業務提携の際にいちばん重要なのは、お互いの思想が合っていることだと思っています。

今回も「自社の利益を求めるだけでなく、広告主の課題を解決し価値を提供していく」思想が、非常にマッチしていたんです。

ビジネスの親和性が高く、2018年頃から定期的に議論をさせていただいていました。関係性が構築できていたこともあり、業務提携に至りました。

マーケットを成長させる第一歩を踏み出す

ー今回の提携によって、クロス・マーケティング様とサイカ双方にどのようなメリットがもたらされるのでしょうか?

共通の話でいうと、マーケットを成長させる第一歩になると考えています。

「認知度・好意度調査結果を上手く使い切れていない」そんな声をクライアントから聞くことがありました。なぜなら、認知度・好意度データの重要性が説明できず、次のアクションに繋げる方法もなかなか分からなかったからです。

ですが、認知度・好意度の数字はブランドエクイティ(ブランドの総合的な価値)にとても近しい数字で、ゆくゆくは売上に跳ね返ってくるものです。

そこで、サイカが提供する広告効果分析ツール「ADVA MAGELLAN(アドバ マゼラン)」で、認知度・好意度と売上の関係性を定量的に可視化する仕組みをつくれば、認知度・好意度調査の結果を、より深い洞察をもって活用でき、マーケティング進化の一助になると考えました。

クロス・マーケティングさんは、認知度・好意度調査を活用した新しい商品設計に繋がる一手を探していらっしゃいました。また、単発の調査で終わるのではなく、クライアントから定常的に求められる継続的なお付き合いができることが理想だと思います。

一方私たちサイカは、お客様の「認知度・好意度データをもっと活用したい」というニーズに応えたいと思っていました。そして、このデータを事業成果に紐づけられたら、クロス・マーケティングさんの調査も、マゼランのアウトプットも、価値がより高まると考えていたんです。

双方が持つ、これらの課題感を解決する提携になったと思います。

サービス開始のハードルを越えて

ーサービスを始めるにあたって、ハードルはありましたか?

いちばん大きなハードルは、マゼランが日次もしくは週次のデータで分析をする一方、認知度・好意度調査は半年・1年ごとのデータしかないことでした。メッシュが揃っていないと分析ができないので、日次・週次データにどう組み込むかという課題が出てきたんです。

単純に考えると、日次・週次でデータを取ればいいのですが、そこでアンケートパネル(回答者)の数の問題が出てきます。例えば回答者が100人の場合、1日10人ずつアンケートを取ると10日で全員に聞き終えてしまいます。11日目からもう一度同じパネルにアンケートを取っても、10日前に同じ質問を受けているから正確な認知度が取れません。なので、マーケティングリサーチ業界では、同一調査に対してアンケートパネルを一定期間休眠させます。

ーなるほど。その課題をどう解決したのですか?

実は、クロス・マーケティングさんはマーケティングリサーチ業界で最大級の調査パネルを持っている会社なんです。実際、認知度調査を日次で行っている企業様の調査をクロス・マーケティングさんが担っていたこともあり、これなら日次・週次で認知度データが取れるということで、話がぐんと前に進みました。

マーケターが投資対効果(ROI)の説明責任を果たせるようになる

ーこの業務提携によって、私たちのクライアントである広告主の皆様に提供できる価値をお聞かせください。

これは本当にシンプルで、認知度・好意度調査のデータと事業成果の連動が可視化されることが、最大のメリットです。

クライアント企業の中には、認知度・好意度データを慣習的に取っている企業様も多いです。でも、この数字の変化だけを定点的に見ていても、それによって売上がどのくらい上がったのかは分かりません。

例えば、去年の企業認知率が65%で今年は70%に上がっていたら、成果が出ている気がします。でもこれがもし、100億円投資して5%しか上がっていないのだとしたら「本当にこれでいいの?」となると思うんですよ。

マーケターの皆さんは成果ベースで評価される世界にいると思います。マーケターが「認知度調査で認知率が5%上がりました。プロモーション投資結果の一観点としては良かったです。」と報告したところで、経営からは「5%上がった結果、売上はいくら上がったのか」を問われます。それに答えられないんですよね。

なので、マーケターが投資対効果(ROI)を定量的に説明し説明責任を果たすことにも寄与する、価値あるサービスだと思っています。

目指すはマーケティングの大進化

ーリリースから9ヶ月経ちますが、サービスの進捗はいかがですか?

すでにいくつか案件が動いていますが、お客様からも「こんな数字見たことない!」と言っていただき満足感は高いと思います。事業成果への連動もしっかり可視化できていますね。

解決すべき課題もありますが、間違いなくマーケットポテンシャルがあると実感しています。

ー今後解決していきたい課題についても伺えますか?

まず、サイカの課題は、マゼランをデファクトスタンダードなサービスに育てることです。長期的にマゼランを使う前提があれば、認知度・好意度データを毎月購入してマゼランに蓄積する意味があります。でも、先が見えない状態でマゼラン用にのみ日次・週次のデータを購入するのはお客様にとってはヘビーじゃないですか。なので、継続的にプロダクトの価値を伸ばさないと、このスキームが成長しないんです。

クロス・マーケティングさん側でいうと、日次・週次でデータを取得することでオペレーションコストがかかるんですよね。その部分のサービス設計を効率化できると、さらに広く展開していけるのではないかと思います。

ーこのサービスをどう成長させていきますか?

認知度・好意度データを取っているすべてのクライアント企業様に、マゼランとセットでこのスキームをご利用いただいている世界が理想です。

認知度・好意度調査は、事業成果に紐づく先行指標です。基本的には知らないサイトにはアクセスできないし、知っているものの中から良いと思うものを選びますよね。

「認知率が●%上がると事業成果がこのくらい伸びるから、ROIが合う」と説明できる世界が築けると、マーケティングの大進化を導けると思うんですよね。今はわかりやすい刈り取り型が主流で、ターゲティング広告でお客様の興味関心を高めるコミュニケーションを取ることが多いですが、これはマーケティングのチャネル上、限定的です。もっと包括的な、中長期を見越した投資とは逆の世界観です。この世界観のままだと、やっぱり限界があります。

マーケターの皆さんが、中長期に向けた先行投資をして大きく成果を出していくマーケティング活動を理想とされている中、先行指標の最たるものが認知度・好意度調査です。そのデータを最終ゴールの事業成果に紐づけるのが今回のスキームなんです。マーケティングの進化に必要不可欠なパーツになれる可能性があると思っています。

ーありがとうございます。では最後に、この提携によってお客様に提供したい未来についてお聞かせください。

この業務提携を通して、マーケターの活動がもっと評価されてほしいと思っています。

よくある話ですが、例えば月1,000万円売り上げたら月1,000万円分の価値の仕事しているとわかるし、誰が見ても簡単に比較できます。一方で本当に重要な仕事をしていても、その活動がどのくらい事業成果に紐づいているか見えないと、評価されにくいこともあると思うんですよね。

マーケターの活動に置き換えると、認知度・好意度が事業成果に寄与する意味合いを語れないことが、やるべき仕事を絞り込んでしまう可能性にも繋がります。それはきっと企業にとってもマイナスです。

マーケターの皆さんが今以上に説明責任を果たせるようになり、自信を持って理想像に向けたアクションをとれるようになれば、企業の成果にも繋がります。

その支援をするのが、私たちの仕事だと思っています。

最後に、今回の提携を進められた、株式会社クロス・マーケティンググループ執行役員の金丸悠一様にもコメントをいただきました。

ーサイカと業務提携し共同サービスの提供を開始したことでもたらされたメリット・変化を教えてください。

「認知度データを取得する」という提案から、「認知・好意度など各ファネルの売上貢献度(ROI)を提供する」という、企業における事業成長に欠かせないマーケティング活動そのものに対しての提案に大きくシフトできた点です。
マーケティング活動をサポートすることをミッションとする私たちにとって、「調査=ファクトデータを取得する」ことだけではなく、そのデータを企業の事業活動に照らし合わせ、具体的な施策まで提案できるADVA MAGELLANとの連携は、私たちのお客様にとっても新しい価値を提供できる大きな進化と捉えています。

ー今後に向けた意気込みをお聞かせください。

ADVA MAGELLANは日々のデータセットにより、マーケティング活動に欠かせないROIをアウトプットできるサービスです。実施施策の検証はもちろん、検討中の施策についてもROIのシミュレーションができるという点では素晴らしいサービスです。
一方、マーケティングでは、顧客の意見を聞くことが非常に重要です。データだけでは読み取れない「施策がうまく行ったのはなぜ?」「改善するポイントはどこ?」という、生の声を私たちの方で取得し補完することで、マーケッターの活動をより支援していけるような体制を共に作っていければと思っております。

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