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この記事は2024年3月28日に弊社エンジニアブログに掲載した内容を転載しております。
出前館社内で使用されるシステムやインフラ環境の企画・導入・運用保守を担っている、IT本部の情報システム部。この組織において、社員が社用で使用するパソコンやスマートフォン、ネットワークを管理するのがファシリティグループです。コンピューターやネットワークについての深い知見を持ち、グループの業務を支えている『にょもこさん(ハンドルネーム)』に、入社の経緯や担当しているプロジェクト、仕事のやりがいなどを聞きました。
目次
- 働きやすさとやりがいが揃っている環境
- 部署全体に「文章やツールで記録・管理する」文化を根付かせる
- 上流から下流までをすべて経験できる、稀有なチャンス
- システムの全容を理解して、業務に取り組む人に来てほしい
- 情報システム部へのご応募はこちら
働きやすさとやりがいが揃っている環境
ファシリティグループの役割やにょもこさんの担当業務についてお聞きします。
出前館の情報システム部は社内の人々が使うITシステムを管理していますが、ファシリティグループはそのなかでも「物理的に扱えるもの」を管轄しています。たとえばパソコンやスマートフォン、ネットワークなどがそれにあたります。
より正確にお話すると、出前館の社員が使っているパソコンやリンクスクエア新宿にあるオフィスのネットワークは、親会社であるLINEヤフーが管理していますので、現在、私たちのグループが管理しているのは、出前館の業務で利用するIT環境のサポートや加盟店対応を担う子会社の出前館コミュニケーションズで使用している各種デバイスやネットワーク、ビルの設備などです。グループ内で、私はネットワークやパソコン全般に関する業務を担当しています。
にょもこさんは2023年8月に出前館へと入社されたそうですが、何をきっかけに転職されたのですか?
前職でも情シスの部署で働いていまして、大手企業の子会社だったんですが、親会社が決めた方針で、リモートワークが禁止になってしまいました。私はシングルマザーで子どもが2人います。基本的には出社して働くのが好きなタイプですが、子どもの体調不良時や、下校時間が早い時などはリモートワークができないと困ることもあります。
そこで、禁止になる前に手を打って転職しようと思いました。X(旧Twitter)で「リモートワークができなくなるから、転職しようかな」という趣旨の投稿をしたら、「転職活動中の情シスが現れたぞ」という感じに複数の方々からリポストされました。情シス界隈の人たちは、SNSでお互いをフォローし合っているんですよね。だからコミュニティ内で、「この人が転職活動中らしい」というニュースもすぐに回ります。
カジュアル面談のお誘いがいくつも来た中に、以前から面識のあった出前館のIT本部 情報システム部でマネージャーをされている足立さんからの連絡がありました。会ってみることに決めて、居酒屋で一緒におでんを食べながら、出前館での業務についてお話をしました。
足立さんからはどのような説明を受けましたか?
出前館の情報システム部で働くならば、ネットワークをメインで担当してほしいことと、希望があればデバイス管理にも携われることを話してもらいました。私は情シスとして働くのがここで3社目ですが、1社目は手広くなんでもやるいわゆる1人情シスで、2社目はデバイス管理やVDI環境、ネットワークを専門にしていました。
自分の今後のキャリアとして、得意領域であるネットワークやデバイス管理をメインで担当できるところで働きたくて、出前館はその希望に合っていました。また、「情シスの組織はワイワイしていて、チームの雰囲気が良い」とも言われて。それに、前職では働く人の人数が300人以下で端末が300〜500台くらいだったのですが、それより大きい規模の環境を扱えることも魅力でした。そして、子どもたちが名前を知っている会社で働いてみたいという思いもあったので、出前館に決めました。
働き方についても、フレックスタイム制ですしリモートワークもできます。私が出前館に入って感じた大きな点は、リモートワークはもちろんですがフレックスタイム制が導入されていることで子育てとの両立がしやすいことです。学校の授業参観や三者面談などは、昼間の時間帯に開催されることが多いんですよ。そんなとき、働く時間帯を調整できるので助かっています。
部署全体に「文章やツールで記録・管理する」文化を根付かせる
にょもこさんが入社されてから、どのような業務に携わってきましたか?
具体例を挙げると、私が入社したくらいの時期に鹿児島県に出前館コミュニケーションズの新しい拠点が設立されました。新しく構築したネットワーク上でうまく動かないシステムがあったので、その原因調査をして設定し直す作業などを担当しました。この事例のように、拠点のネットワーク構築については、そのオフィスにいる人たちが快適に働けるような環境作りに注力してきました。
足立さんから事前に「にょもこさんはチケット管理システムのJiraでタスクを管理したり、ミーティングの議事録などの情報をSlack上で文書として残したりという運用を情報システム部に根付かせた」と聞いています。
私は何かに記録しておかなければすぐに忘れてしまうタイプなので、どのような情報でも書いておきます。Slackにメモが書いてあれば、その記録をたどって思い出せるじゃないですか。それに、たくさんの仕事を抱えていると「どのタスクがどのような状態になっているか」がわからなくなりますが、Jiraで管理しておけば把握しやすく便利なので使っています。
その文化が部署全体に根付いたことで、業務の進め方はどのように変わったと思いますか?
小さなタスクでもチケットを起票することで、担当者や進行状況が曖昧になっているタスクが少なくなったと思います。付け加えると、私が入社してからネットワークに関する設定ファイルなどをGitで管理する運用も、部署全体で徹底するようになりました。
属人化しがちな業務を、チームでの運営に変えていくうえでは、会話や誰かの知見を文章として記録に残すとか、設定やソースコードの差分をバージョン管理するといったことが重要なんですよね。
上流から下流までをすべて経験できる、稀有なチャンス
ファシリティグループでこれから進めようとしているプロジェクトはどのようなものがあるでしょうか?
冒頭で述べましたが、私たちが働いているリンクスクエア新宿のオフィスのネットワークは、親会社であるLINEヤフーが管理しています。ですが2025年中に出前館社内のネットワークを刷新し、自社で管理する方針に変えるという計画があります。
情シス経験者にとって、このプロジェクトのどのような点が魅力的でしょうか?
ネットワーク関連の業務で、上流から下流まですべてを考えてプロジェクトを推進する機会はなかなかありません。、新しいネットワークは、ゼロトラストネットワークをセキュリティの軸にして行くのか、現在の環境をを踏襲しつつより良い構築方法に変えるのかなど、考えるべき点がいくつもあります。
それに、オフィスで利用しているWi-Fiの機器もLINEヤフーから借りているものなので、今後は機器の選定といった作業も入ってきます。会社全体のネットワークの根本的な構造を変えられる、貴重な機会なんですよ。また、ネットワークの構築方法だけではなく運用方法についても見直しを行っていきます。自社でどこまで運用をまかなうのか、パートナー企業に委託するならばどのような業務をお願いしてどうやって管理するのかなど、考えることがたくさんあってやりがいを感じています。
他にも進めているプロジェクトはありますか?
デバイス管理のために、さまざまなソリューションを導入するプロジェクトを進めています。ID・アカウント管理サービスであるMicrosoft Entra ID(旧称:Azure Active Directory)やクラウドベースのエンドポイント管理ソリューションであるMicrosoft Intuneなどの導入はすでに推進しています。
以前の出前館では、手作業でデバイス1台ずつソリューションの導入を進めていました。でもそれでは効率が悪いですし作業ミスなども起こり得るので、現在はSKYSEA Client ViewというIT資産管理ツールを使って、リモートで配付するような方法を採用しています。
それから、デバイスにインストールするエンドポイントセキュリティのツールをリプレイスする作業も進めています。もともとは、中央集権的で管理がしづらいセキュリティツールを使っていたんですが、これをなるべく自動化・効率化できる仕組みに変えたほうがよいということで、EDR(Endpoint Detection & Response)を導入することになりました。
ただ、EDRのログデータを解読できる人が部署内には私以外にいません。運用が属人化してはならないので、監視運用代行サービスも提供されているFalcon Completeを選びました。
システムの全容を理解して、業務に取り組む人に来てほしい
どのようなマインドやスキルの人に、ファシリティグループに参画してほしいですか?
私の個人的な要望としては、導入したツールの機能をフルに使いこなそうとする人に来てほしいです。「ベンダーからの提案だけを見て、提案された機能だけを使う」という人ではなく、そのツールのドキュメントなどを一生懸命読み込んで、より良い使い方を考えられる人であってほしいです。
スキルとしては、ネットワークのレイヤーについて、上の層から下の層まで基本的な知識を理解している人がいいですね。仮に何かのツールを導入したり、ネットワーク通信の状況を調査したりするときに、そうした知識があるうえで仕事に取り組むのとそうではないのとではだいぶ違うと思うんですよね。
デバイスに関するスキルとしては、OSの気持ちを理解できる人。私はWindowsもMacもLinuxも好きなのですが、いつも「このOSはどういう理由でこの設定項目があって、この値を変えるとなぜこう動くんだろう?」と考えながら働いています。各種OSに関して、その仕様やいろいろな設定項目の意味をきちんと理解して触れる人と働きたいです。
今後、出前館でのキャリアで実現したいことはありますか?
「一度何かの方針を決めたら、ずっとこれで運用しなければならない」というインフラにはしたくありません。その時代のセキュリティの流行などにいつでも対応できるように、組み替えが容易な形にしておきたいんですよ。常に技術的な流行に関してアンテナを伸ばしながら、ずっと現場でネットワークと各種IT機器をいじっていたいです。