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SF作家をはじめ多様な領域で才能を発揮するエンジニア: Empath Engineer 尾崎沙世さんインタビュー

今回は、COVID-19による完全リモート採用実施中にEmpathへのジョインを決断してくれたエンジニアの尾崎沙世さんにインタビューをしました。尾崎さんは、計測工学を専攻した後、計測システムの特注開発・インテグレーションなどを経験。米国シリコンバレーにてスタートアップとのジョイントプロジェクトに参画したことがきっかけで、より高度な計測製品開発に携わりたいと考えるようになり、2020年にEmpathに入社を決めました。また尾崎さんは、エンジニアの視点を持って作家活動をしています。そんな尾崎さんの人柄、エンジニアとSF作家としての活動についてお話を伺いました。

幼少時から興味を持った物の構造、エンジニアの道へ

・幼少時代など、エンジニアになろうと思ったきっかけで覚えている出来事はありますか?

幼いころに、グリコのキャラメルのおまけについているおもちゃがあったんですけど、知ってますか?3歳頃の記憶なんですけど、そのおまけにプラスチックの歯車のおもちゃがついていたんです。構造が気になったのか分解してみたんですよね。分解してみると単純な構造で、中身が見えたことが面白いと感じて。その出来事をきっかけに目覚まし時計を分解するなど、自分の手で分解して中身を見て、元に戻すのを試行錯誤していました。

あとは、中学生ぐらいの時、家にWindows95のPCがあって、親からは触っちゃダメと言われてウズウズとしてたんですけど(笑)。結局、PCを触るのを禁止していた母から「レシピの目次をPCに打ち込んでおいて。」とお願いされたんですよね(笑)。それからは、家族の中で私が主にPCを使う時間が多かったと思います。

・お母様さすがですね!尾崎さんの才能を見抜いてたんですね!

単に母はPCに打ち込む作業が面倒だっただけだと思います(笑)。でもそのおかげで、PCの可能性を感じることができ、理系に進むきっかけを見つけられたと思います。

高校生時代は、先生に頼み込んで学校のPCを触らせてもらってプログラミングの自習をしていましたね。PCの裏側で動く部分を作ることに次第に興味を持つようになりました。

大学も理系に進み、計数工学(応用物理分野)の専攻に進みました。大学時代は、アルバイトとレポートに追われる日々でした。いくつかアルバイトを経験しましたが、印象に残っているのは、院生になってからはじめたアルバイトです。寝ているときの睡眠深度を測るアルゴリズムを開発し、介護領域等の活用を進めていたベンチャー企業の手伝いをしていました。ベンチャーといっても、イケイケな感じではなく(笑)、割と年配の方が始めた会社で落ち着いた雰囲気でしたね。大学院修了後の進路としては、商社に入社し、開発部門で働いていました。

大企業でのエンジニア経験、海外駐在での学び

・大学院時代からベンチャーやスタートアップへの興味があったんですね。新卒で入社された会社ではどのような仕事をしていたのですか?

当初カスタマーサポートをやりたかったのですが、入社半年で開発部に配属されることになりました。大きな声では言えませんが残業がなかなか多く忙しい日々でした。。(笑)でも、ナチュラル・ハイというか、アドレナリン出てる感じがすごくありました。

・大抜擢じゃないですか!実際に働いてみて、感じたことはありましたか?

そうですね、よかったこととしては、 新人でテストチームに配属されたことで、テストの重要性を学べたことです。元々ソフトウェアテストを理解していませんでした。実際にテストをして不具合を出し、修正するというプロセスを通じて製品の品質を意識するようになりました。テストは建築の基礎のようなもので、おろそかにしてもなんとなく製品はできますが、すぐに崩壊することを学んだんです。コードレビューについては、プロダクトコードを書くにあたって意識すべき点やソフトウェア設計という観点を持たせてくれたので、その後エンジニアとして働くにあたって大変勉強になった出来事でした。

嫌だったことは、業務というよりは物理的な不満ですが、自分が所属するフロアに女子トイレがなかったことですかね。当時の配属先では、女性のエンジニアは私一人だったので、他のフロアに行かないといけないのが面倒でしたね。。(笑)

・それは不便でしたね(笑)。でも業務的に満足していたみたいですし、基礎を学べる良い環境だったんですね。仕事でも海外経験もあるそうですが、その時のことも教えてもらえますか?

新卒5年目くらいの頃ですかね。海外はもともと行きたかったんですけど、なかなか案件がなくて。私はリーマンショックの後に社会人になったので、なかなか海外に行かせられないというような状況でした。2014年に営業のメンバーから1ヵ月くらいでやってほしい中国での案件があると相談を受けました。業界では起こりがちなことなんですが、顧客から機能追加の要望が来た時に、メーカに改修を依頼するも人手が足りないという状況でした。日本から遠隔で案件を受けようと思っていたのですが、現地じゃないとコードを見せられないと。じゃあ現地に行きますかという経緯で、中国の北京に行くことになりました。

・海外ではたらきたいという夢が叶ったんですね。海外はどちらに行かれていたんですか?また、現地の方と一緒に業務に携わったり、生活したりしてみてどう感じましたか?

中国の北京へ1か月駐在をさせてもらいました。空港に到着して外に出ると、PM2.5の真っ只中だったので、辺りは真っ白でした(笑)。実は海外に行きたいと思ってはいたものの、英語が流暢なわけではないので少し不安はありました。ただ、中国の方も英語を完璧に話せるわけではなかったので、テキストや身振り手振りを駆使してコミュニケーションを取っていました。仕事をする上では、コードを使ってのやりとりもあるので、共通言語はコードを介して進めていく感じでしたね。もちろん大変ではありますが、食べ物も美味しかったしとても良い経験をさせてもらいました。その後、イギリス2年、アメリカ1年半と駐在を経験した後に、転職をしたのですが、次の会社は1年ほどで退職しました。理由は、2つありました。1つ目は、VoC(Voice of Customer)を起点とした企画を推進する会社だったのですが、海外のマーケットを意識しているものの、大きな企業だったので、ごく限られた範囲の機能開発マネジメントに忙殺されてしまいあまり面白さを感じなかったためです。2つ目は、日本企業のスピード感が合わず、もう少しスピーディーに業務を進めたかったためです。

写真: 北京駐在時に、現地の写真を撮り集めていた。異なる価値観での生活において気晴らしになっていたようだ(Photo by Sayo Ozaki)。

コロナ禍でのスタートアップへの転職、「多様性」を重視した決断

・海外での駐在経験があったからこそ、閉ざされた環境と感じることが多かったのかもしれませんね。そこで感じた閉塞感は、コロナ禍で転職をしようと思ったきっかでもあるんですか?

閉塞感。そうですね、前の会社が大企業過ぎて合わなかったというのが1番の理由です。例えば、施策やプロジェクトに関して変だなと違和感を抱きつつも「大企業だから」という理由や諦めのようなものがあり、現実を変えるのに時間がかかるという点が自分に合わなかったと感じています。こうした背景から、なるべく自分が違和感を持ったことに対してざっくばらんにフィードバックができる、フットワークの軽いイメージのあるベンチャーやスタートアップを転職先として考えていました。

・そんな思いがあったんですね、実際入社してみてEmpathの印象はどうですか?

Empathには、R&DチームのSara、そしてインドネシアチームであるEmpatiの多様なメンバーがいるのがいいなと感じています。なんというかたまにわかりあえない感じ(笑)。いうこと聞いてくれないというのは、私は悪いとは思っていなくて。やっぱり人がいっぱいいるとどうしても意見が食い違うじゃないですか。自分の意見と違うことはあるけど、もし食い違った意見をないものとして対処してしまうと、組織の歯車にならないといけない。大企業は適材適所で歯車になれてルールに沿って動ける人を求められがちだと思うのですが、私にとっては息苦しさを感じてしまい合わないなと思ってしまいます。もちろん食い違う意見をすべて受け入れることでストレスはあるけれど、話し合えばわかりあえると思うのでそこは諦めたくないなと思っています。

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・Empathの多様性について尾崎さんの視点からお話いただけて嬉しいです。入社して4か月経ちましたが、今後Empathをどんな会社にしていきたいと考えていますか?

ルールが先にあって従うというよりは、プロジェクトや取り組みに関して課題感を持って考えを混ぜ合わせることで結論を出していけるチームにしたいです。

私の上司である中川さんと話していたのですが、開発と研究は失敗が大事で、失敗を元に改善していくということを根底に置いています。だから、ダメなところや課題によく目が行くんですよね。ただ、課題だけ見つけるだけではなく「ではどうするべきか?」という問いを常に持って次の改善案に繋げていきたいと考えています。開発メンバーをはじめとして、Empathのメンバーはみんな建設的に議論を進められるメンバーが揃っていると感じています。

SF作家として活動する原点について

・開発チームのメンバーから尾崎さんが活躍していると聞いています。また、尾崎さんはSF作家として活動しているそうですね。兼業作家としての活動についてお話を聞かせていただけますか?

文章を書くことは昔から好きで、小学校2年生頃から今まで日記を書いています。作家になろうと思ったきっかけは、手書きの日記もそうなんですが、オンライン文章を公開していたことですね。オンラインで公開した記事を読んだ友人から、2010年くらいに作家になってみたらと言われました。その時は、自信もなかったしなんとなく書かなったんです。その後、2011年に震災があって、原発についてネットで色々と批判が交わされていた中で私が違和感を覚えた一言がありました。それは、「科学(技術)における最大の罪はは失敗だ。」という言葉です。工学にとって失敗することが悪ではないと思うんです。一番やっちゃいけないことは隠すこと、つまり捏造することは技術者の倫理に反していると考えています。こうした体験から、割と人より得意かもしれない手段である「書く」という行為で作家活動を始めようと思いました。

それからは、少しずつですが技術をテーマにSF小説を書いていました。SFなので、技術者倫理や科学倫理は意識して執筆しています。SFを執筆している理由は、子どものころから好きだったからです。小学校2年生くらいまでは動物が出る本しか読んでいなかったのですが、3年生くらいからSFも読むようになりました。

今後の展望: 多角的な視野で個別の活動に彩りを添える

・2011年の震災がSF作家になる大きなきっかけとなったんですね。様々な賞を取られたり、短編を出版されたりなど、本業のみならず、SF作家としての活躍もされていて素晴らしいですね!今後、SF作家の仕事のみに絞りたい!という希望はあるんですか?

家の中にだけいると視野が狭くなり小さな世界に生きることになってしまうので、作家としての仕事だけ。。とは考えていません。作品は、人と人が関わることでアイディアが出てくると考えています。自分が思ってもみなかった見方をする人と出会うことで、自分の視野を広げられますし、創作意欲も湧いてきます。あとエンジニアとして手を動かしたり、新しい技術や知識に触れたりすることで、書きたいことの方向性が決まることもあります。何か1本に職種を絞るというよりは自分の好奇心が動くことをまずやってみて、できることを積み重ねて行きたいと考えています。

あとがき

尾崎さんは、完全リモートの環境でありながらも戸惑うことはなく、エンジニア・チームと、Empathチームと活発に議論を交わしており大活躍しています。スピーディーに、かつ丁寧に仕事を進めてくださる姿勢はチームメンバーに勇気を与えてくれています。今回、尾崎さんにお話を伺ったことで、エンジニアとしての活躍はもちろん、SF作家としての活動や、SF作家としての活動のきっかけを聞くことができ、尾崎さんが持つ信念を教えてもらいました。尾崎さんのSF小説はAmazon Kindleや書籍で読んでいただけますので、ぜひみなさんも読んでみてくださいね!

『飲鴆止渇(いんちんしかつ)』

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NOVA2021夏号掲載『おまえの知らなかった頃』(紙媒体のみ)

https://www.amazon.co.jp/NOVA-2021%E5%B9%B4%E5%A4%8F%E5%8F%B7-%E6%B2%B3%E5%87%BA%E6%96%87%E5%BA%AB-%E5%A4%A7%E6%A3%AE%E6%9C%9B/dp/430941799X

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