ブランド コンサルタント兼クリエイティブディレクター 水野 可奈子と「次世代を担うリーダー・若手たち」のトークルーム
ブランディングやデザイン制作に関わる様々なテーマを取り上げ、ゲストとともにトークを展開。リスナーの皆さまの視点でテーマと向き合えるよう、これからのアンティーグループを担うリーダーや若手をゲストとして招待し、クロストーク形式で進めていきます。これまでの経験や実績に裏付けされた、知識、ノウハウも交えながら分かりやすくお届けします。
#27 日本の伝統的なモノづくりもWebデザインも同じ!?大学で工芸デザインを学び、「使う人の気持ちを考えるデザイン」を追求し、Webデザイナーとして活躍する「樋之内 亜瑚さん」が目指すところ
~un-T Podcast「CDの部屋」人とカルチャーを探るVol.4~
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企画について
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▼テーマ
変わらないために常に進化し続けるアンティーを形づくっているものは何か?
人とカルチャーを探る
▼コンセプト
会社は常に流動的 だからこそ自分たちでいかようにも変えていくことができる
今のアンティーを形づくっているものは何か?
これまでどんな歴史を刻み、これからどこに向かっていくのか?
メンバーそれぞれが影響を受けたアートやデザインについてとことん語り合い、
ここから見えてくるものを探っていきます
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Vol.4の概要
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大阪支社から、Webデザイナー「樋之内 亜瑚さん」をゲストにお迎えしてお送りしています。
大学で工芸デザインを学び、「使う人の気持ちを考えるデザイン」を追求。紆余曲折ありながらも未経験からスタートして現在のポジションを確立するまでのことを詳しくお話しいただいています。
ホストを務める水野に、「このまま経験を積んでいったら恐るべきアートディレクターになる?!」とまで言わしめた樋之内さんが影響を受けたアートやデザインに、ぜひ、触れてみてください!
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#27のサマリ
テーマとポイントをリストにしています。どんな内容で盛り上がったのか、ちょっとだけ覗いていただき、詳細は、ぜひ、Apple Podcast / Spotify / YouTube にてお聴きください。YouTubeのコメント欄にはショートカットリンクも掲載しています。テーマを選んで聴いていただくことも可能です。ぜひ、ご利用ください。
0:00~ オープニング
新シリーズ「変わらないために常に進化し続けるアンティーを形づくっているものは何か?
人とカルチャーを探る」のVol.4となります
アンティーのメンバーそれぞれが影響を受けたアートやデザインについてとことん語り合い、
ここから見えてくるものを探っています
前回に引き続き、本日も大阪支社から元気で明るいWebデザイナーをお呼びしています
本日もよろしくお願いします!
1:00~ ホストの自己紹介
【名前】水野 可奈子(みずの かなこ)
【所属】アンティー・ファクトリー/アンティー・デザイン 東京オフィス 戦略プロデュースグループ
【職能】ブランド コンサルタント兼クリエイティブディレクター
狭義のデザインから広義なデザインまで、デザインが大好きで、この先もずっと探求を続けていきたいと思っています よろしくお願いします
1:21~ ゲストの紹介
【名前】樋之内 亜瑚(ひのうち あこ)
【入社】2022年8月1日
【支社】アンティー・ファクトリー大阪
【職能】デザイナー
2:02~ 樋之内さんを知る!(1)
ー アンティーでのお仕事
イラスト作成が求められる案件を中心に、デザイナーとして幅広い案件を担当させてもらっている
まだ3年目ということもあり、主に、手を動かすポジション
東京のインタラクティブグループとお仕事させていただくことが多い
実績の一例
- 某ガス会社のショールームの設置物のデザイン(東京のインタラクティブグループと協業した案件)
- 某社会福祉法人の採用サイトデザイン(直クライアント案件)
- 某通信大学の大学紹介動画デザイン(提案に時間をかけ、得るものが大きかった案件)
など
14:35~ 樋之内さんを知る!(2)
ー クリエイティブな世界に興味を持ったきっかけ
物心ついたころから絵を描くことが好き
画家に憧れ、芸術面で有名になりたいと思うが、徐々に現実に直面し方向転換
進路を身近なアート「工芸デザイン」に変えて芸大進学を目指す
物心ついたころから絵を描くことが好きで、画家に憧れる
漫画が好きでアニメのイラストを描き、漫画家を目指すようになる
が、中3になり、進路を考えるようになったとき、絵は得意だけどストーリーを考えることが苦手なことに気づき、漫画家の道を諦めて方向転換 画力を上げたいと芸大を目指すようになる
高1の終わりからアトリエの芸大受験コースに通い始め、高3のときには週6のペースで通うが、自分より絵が上手な人が沢山いることに気づき、愕然とする
小さいころから芸術面で有名になりたいという野望があったが、絵の世界では難しいと悟り、進路を身近なアート「工芸デザイン」に変えて芸大進学を目指す
22:45~
ー 大学で「工芸デザイン」を学んでいたときに面白いと思ったポイント
作品をつくることを学ぶだけでなく、伝統工芸がどういう風に成り立っているのか、どういう工程でそれぞれの専門領域が成り立っているのかまで学ぶことができた
大学の授業で、もの、例えば、木工だったら「箪笥」、染色だったら「服」が、どうやってつくられているからこれだけの値段がするのかということまで学ぶことができた
それまでは、周りがリーズナブルなもので溢れていても、それらがどうやってつくられているからその値段なのかまで考えることはなかった
単に安いものを沢山ではなく、何かしらこだわりあるものを買いたいと考えるようになった
つくられている工程を知ることで、服の買い方が変わった
単に安い服を沢山買いたいではなく、何かしらのこだわりのあるものを買いたいと考えるようになった
大学の授業を通して、伝統を継承することの大切さを実感
学生時代からこの視点を持てたことが、すごく大きな財産になった
「着物」の授業の場合、どういうところを通って、どういうしきたりがあってそこに生産をお願いをしているのか?というような詳しいところまで教えてもらった
一人ひとりのプロ意識がとても高い世界 静かそうに見えても、内側に熱いものを持っている 講師の方に見せていただいた作品には、祖父・父・ご自身と継承されてきた職人としての情熱と技がミックスされていた
アンティーの理念ブックにある「変わらないために進化する*」とも繋がってくる
学生時代からこの視点を持てたことが、すごく大きな財産になった
*「過去・現在・未来」と連続した長い目線で未来を見据え、「今必要なこと」「この先に継承していくべきこと」を見極めていくことがデザインにとって重要(ユーザビリティのことが元になっている話)
27:13~
芸大を目指していた頃に描いた絵
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29:33~ 本編トーク(1)
ー 好きなアーティストやクリエイター
普遍的で飽きの来ないデザインが魅力
昔の暮らしに密着した作品から現代風のアートまで、デザインの幅の広さに衝撃を受ける
柚木沙弥郎(ゆのき さみろう)
染織工芸家
- 民藝運動の提唱者である柳宗悦(やなぎ むねよし)さんの影響を受け、多くのテキスタイルや暮らしの中のデザインをつくられた方
- 着物のような昔の方の普段の暮らしに密着した作品から、ホテルに置かれているような現代風のアート、その他絵本まで、幅広くデザインに携わられている
- 形の選び方が独特 他の方にはない個性がある
- 色選びが一番の魅力 モノクロなど色の少ない作品も数多くつくられている
- モノクロであっても、スポットを当てる場所、見せ場のつくり方が上手い
33:27~
シンプルだけど、親しみやすく、上品
モダンで洗練されたデザインに魅了される
芹沢銈介(せりざわ けいすけ)
染織工芸家
- 柚木沙弥郎さんも影響を受けたといわれるような偉大な方 レジェンド
- のれんや屏風にタイポグラフィー(漢字)をあしらったデザイン、暮らしのデザインが特徴
- 大学在学中に出会って展覧会などに行くようになり、深く知っていく
- 柚木沙弥郎さんに近いものも感じるが、よりモダンで洗練されている
- うちわが有名 シンプルだけど、親しみやすく、上品
- 色合いは、柚木沙弥郎さんより少し褪せた感じ 落ち着いた中にも彩りがある
- 日本の風土に合った色合い いわゆる日本の伝統色を超えてくるような深い味わいを感じる
36:54~
絵本の読み聞かせのボランティアをしていた母の影響で、佐々木さんの作品が好きになる
佐々木マキ
漫画家、絵本作家、イラストレーター
- 線の使い方など今の自身のイラストに影響を与えた人 シュールな作風
- 筆でフワッと描かれたようなラフな線ではなく、黒い輪郭線でくっきり描かれた絵が好き
- 最近では、このテイストを商業用のイラスト提案の1案として組み込むことが多い
- コントラスト、明るい色合いが好み 輪郭線が好きな理由は、ここにあるのかもしれない
41:49~ 本編トーク(2)
ー 影響を受けて制作したもの
【染織工芸】
大学の卒業制作 (卒業式で着るために制作)
テーマ「我が家マッチ歴史ラベル」
自分の歴史・人生・家族などをマッチのラベルデザインに込めた訪問着
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2020年度 同窓会賞
工芸科 染織専攻 学部4回生
本仕立て訪問着
サイズ: 180×180
素材・技法: 絹・酸性染料・手描き友禅・シルクスクリーン
制作期間: 約半年
【イラスト1】
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【イラスト2】
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46:20~
ー 3名から受けた影響
最も影響を受けているのは「ビビッドな色使い」「コントラスト」
加えて「シンプルなのに力のある表現(工芸デザイン的な美しさ)」をとても尊敬している
- 最も影響を受けているのは「ビビッドな色使い」「コントラスト」
- 自身の性格とも合っているので、自分のカラーにしていきたい
- 加えて「シンプルなのに力のある表現(工芸デザイン的な美しさ)」をとても尊敬している
- 実際に、沢山手を動かし、絵を描いたからこそ得られた結果なのだと思う
- 完成までに多くのプロセスを積み重ね、経験を経たからこそ削ぎ落すことができている
- 自分もプロセスを大事にしたものをつくれるようになりたい
ー 仕事だとプロセスに時間をかけられないときもあるけど、葛藤はない?
時間をかけてつくることに慣れていた分、葛藤は大きい 今も葛藤している
- 着物の制作に半年など、学生時代は、時間をかけてじっくり取り組めていた
- 一方、仕事においては、限られた時間の中で成果を出すことが求められる
48:36~
(ちょっと脱線)
ー 大学で工芸デザインを学び、一旦、市役所に就職??
就活のタイミングがコロナ禍と丸被りして、軒並み採用中止に・・・
とりあえず働こう!と市役所に就職し、チャンスを狙い、Web業界に転職を決める
- 就活のタイミングがコロナ禍と丸被り
- 染織繋がりで、アパレル関係に行きたかったが、軒並み採用中止に・・・
- どうやって生きて行こう?とりあえず働こう!という気持ちで、契約社員として市役所に就職
- 腕が鈍らないよう、図案を描く仕事なども行いながら、チャンスを狙う
- やっぱり転職しよう!「Web」「工芸」両方のデザインができたらすごい!
- まずWebデザインを習得し、そこから人生を考えよう!とWeb業界に転職を決める
ー 今取り組んでいる領域「デジタルの世界の体験デザイン」と、大学で学んできた「工芸デザイン」との間に、何らかの共通点はある?
考え方に通ずるものがある
使う人があってこそのデザイン 日々そう感じている
- 「手仕事」「パソコン仕事」の違いはあるけれど、考え方に通ずるものがある
- 「使う人の気持ちを考える」「UI/UXを考える」使う人があってこそのデザイン
- 日々そう感じている
53:07~ 本編トーク(3)
ー 個人のクリエイティブ活動
結婚式のペーパーアイテムを依頼されることが増えてきた 実家の年賀状も任されている
工芸・Web・グラフィックとデザインの幅が広がってきている
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ー プライベートで絵を描くことは?
今は、仕事に対する気持ちの方が大きい
作家活動は、あまりできていない
- 今は、仕事に直結するデザイン力を磨きたい、実力ををつけていきたいという気持ちの方が大きい
- 作家活動は、あまりできていない
- でも、今経験できていることが、きっとこの先の作家活動にも活かされてくると思う
55:10~ 本編トーク(4)
ー 今後広げていきたい/チャレンジしてみたいこと
社会から求められる人材になりたい
そのためにも、自身の強みとしてイラストを描く力をのばしていきたい
- アンティーに入社してはじめてクライアントワークを経験したことによって、社会から求められる人材になりたいという思いが強くなった
- 自身の強みは、イラストを描けること
- でも、ただ描けるだけでは駄目 世の中に沢山いる
- この人だからお願いしたいと求められる存在になりたい
- そのためにも、付加価値(ディレクションができる、スピードが速いなど)を高めていきたい
- また、自分が描きたいではなく、お客様の要件にしっかり応えられるイラストにチャレンジしていきたい
59:10~ クリエイターを目指している方へのメッセージ
想いがあれば、伝わるデザインをつくることができる!!
積極的チャレンジする姿勢、自分から発信していくことが大事
- 私自身、Web未経験からスタートして今(Webデザイナー)に至る
- 未経験からでも、「もっと頑張りたい」「もっとできるようになりたい」「こういうことを伝えたい」という想いがあれば伝わる 周りも助けてくれる
- ただ、私たちは、クリエイターであってもアーティストではない ここを忘れてはいけない
- お客様の成果を生み出すことが第一にある
- その他、やりたいことは口に出して言った方が良い
- 私自身、このやり方でイラスト案件を継続して任せてもらえるまでになった
- とにかく積極的チャレンジする姿勢、自分から発信していくことが大事 仕事が広がっていく
1:03:27~ クロージング
本日は、大阪支社 樋之内 亜瑚さんのお話をお聞きして参りました
つくることに邁進した学生時代
でも、就活がコロナ禍と重なり、思うようにいかず、一旦別の道を歩みながらデザイナーの夢を持ち続け、アンティーで叶える
そんな純粋なパワーを今アンティーに注いでくれている
そういうエネルギーに支えられているということをとても良く実感できた回だった
また次回、新たなクリエイターをゲストにお呼びして、好きな世界観、好きな作品、いろいろな活動のことをお聞きしていけたらと思います
次回もよろしくお願いします!
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