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「入札情報速報サービス NJSS(エヌジェス)」のカスタマーサクセスチームは、転換期を迎えています。適切なマネジメントをするために、マネージャーの清水希は本音を伝え合うコミュニケーションを実践することにしました。チームをまとめる清水とメンバーの橋口拡和が、日々変化するカスタマーサクセスチームの現状と今後を語ります。
より良いサポートのため、転換期真っ只中のカスタマーサクセスチーム
うるるのサービスのなかでも特に多くのお客様に価値を提供しているのが、NJSSです。NJSSは全国の官公庁・自治体・外郭団体などの入札情報を一括検索するとともに、案件を管理できるサービスです。入札市場に参入している企業や、今後参入を考えている企業で活用されています。
約3,000社のお客様をサポートするのは、NJSSのカスタマーサクセスチームです。マネージャーの清水を含む14名のメンバーが、日々お客様の支援をしています。
一般的にSaaSの仕組みでは、一度交わした契約が自動的に更新されます。しかし、NJSSは自動更新のサービスではありません。これまでは3〜4名しかいないカスタマーサクセスのメンバーが、3,000社のお客様に個別で営業をして更新につなげていました。
そんなうるるのカスタマーサクセスは、2020年3月現在転換期を迎えています。
清水 「今までは、契約後のサポートが不十分なまま契約満了時に更新の営業をしていました。しかしこのままでは、局所的課題解決ができません。
そこでカスタマーサクセスのメンバーを増やし、わかりづらい入札市場に慣れないお客様を継続的にサポートする施策をはじめました。転換期を迎えたばかりなので、今期実施している施策の効果を来期に検証し、改善していこうというフェーズにいますね」
試行錯誤を繰り返してNJSSのカスタマーサクセスを整えようとしているマネージャーの清水は、うるるが4社目の会社です。うるるの前は、3,000人もの社員がいる大手企業で働いていました。
清水 「リーマンショック後だったので安定を求めて大手企業に転職したんですが、仕組みができあがっていたため、新しい発想をしてもなかなか意見が通らなかったんです。
人生は一度きりなので、自分がやってみたいと思ったときに行動できる環境の会社で働きたいと考えました。
また、社会に貢献できていると実感しながら働きたいという想いも持っていました。そんなとき、草野球仲間だったうるる取締役の小林から声をかけられ、うるるへの入社を決めたんです」
清水の部下であり、他のカスタマーサクセスメンバーを引っ張っていく役割も担っている橋口は、前職で不動産売買の仲介をしていました。しかし、過酷な労働環境が自身に適していないと感じ、転職を決意したのです。
橋口 「電話営業を22時に終えて、それからお客様に紹介する物件の下見に行っていました。帰宅するのは深夜2時頃となり、出社は毎日8時半。
月に4日休めれば良いという労働環境で長く勤め続けるのは難しいと感じ、転職先を探していました。そして転職サイトに希望する条件を入力していったら、うるる1社だけが残ったんです。これは運命だと思い、すぐに応募しましたね」
施策をメンバーに委任し、メリハリのあるマネジメントを実施
2019年9月にシナプス組織が発表されてから、うるるでは双方向に情報を伝え合う組織づくりが進められてきました。NJSSのカスタマーサクセスチームでは、マネージャーの清水がコア(CORE)、他のメンバーがコアラー(CORER)となっています。
コアの清水は、コアラーであるメンバーをマネジメントして成長させなければなりません。そこで清水が重視しているのは、メンバーとのコミュニケーションです。メンバーそれぞれが大事にしているポイントを見定めるため、コミュニケーション量を多く取るようにしています。
清水 「僕は、まずメンバーそれぞれの長所をしっかり伸ばしたいと思っています。でも、新卒入社のメンバーは自分が何を楽しいと思えるのか、自分の仕事がどう社会に貢献しているのかがわからない状態なんです。
だから僕は、これから担当してもらう仕事がどのような価値を生み出すのか、最初に教えてしまいます。そのうえで、自分に合ったやり方や手段を考えさせるようにしていますね」
マネージャーだけでなく副部長も兼務している清水は、忙しいなかでも適切にマネジメントをするため、施策と名をつけたものは完全に委任するようにしています。
清水 「どのような課題があるか共有し、それに対して今月やるべきことを具体的なミッションに落とし込みます。認識がずれないよう、最初にヒアリングするのが重要ですね。
ミッションを達成する期日はメンバーに決めてもらいますが、遅れそうになったらすぐに報告してほしいとお願いしています。
リスケの理由と進め方の変更案をきちんと報告してくれれば、叱ることは一切ありません。やってみないとわからないことが多いので、とりあえずやってみようと話しています」
施策をメンバーに委任することで得られるメリットは、マネジメントの効率化だけではありません。メンバー一人ひとりが、自分でやり遂げたという成功体験を積むことができるのです。
清水 「自分の力で最後までやり遂げた成功体験は、何事にも代えられないものです。成功体験を積む過程で失敗しても、問題はありません。NJSSのカスタマーサクセスチームは現在転換期にあるので、たくさん失敗してほしいと思います。
失敗を悔しがっていたメンバーの成長を実感したときは、自分のことのように嬉しく思いますね」
本音を伝え合うコミュニケーションで成長できるチームをつくる
橋口は、清水のマネジメントの魅力はきちんと課題を見抜いて伝えてくれることだと考えています。
橋口 「約1時間向き合って、僕の課題が何なのかを特定してくれたこともあります。自分が気付いているようで実は気付いていないところを見抜いて指摘してくれるので、次の行動に移しやすいですね」
しかし、橋口には入社当時からはっきりと指摘していた清水も、他のメンバーには気を遣って回りくどい伝え方をしていました。ところがある社内調査で、チームメンバーが清水のコミュニケーションについて「思っていることがあるならもっと言ってほしい」と感じていることがわかったのです。
そこで、以前から橋口に対して行なっていたはっきり伝えるコミュニケーションを全員に行ないました。徹底的に本音を言うことにした結果、マネジメントも上手くできるようになっていったのです。
清水 「相手の状態にかかわらず、今その人に思ったことをきちんと伝える努力をしています。本音を言われ慣れていない人や怒られた経験が少ない人はショックを受けてしまいますが、指摘は期待の裏返しなんだと伝えることで、以前よりメンバーの成長率が上がったと実感しています。
結局、回りくどい言い方をせずはっきりと伝えたほうが、みんなすっきりした顔をするんですよね。僕がはっきり伝えるようにしたことで、メンバーも一生懸命やったことを胸を張って報告してくれるようになりました」
橋口 「はっきり言ってくれることは、確実に自分のためになります。誰もが課題を抱えながら生きていますが、100%俯瞰して自分を見られる人はなかなかいませんよね。だからこそ忖度せずに言ってもらえると、自分が認識できていない課題に向き合う機会になると感じています」
双方向の情報伝達を重視しているうるるでは、メンバーからも本音で報告してもらうことが大切です。だからこそ清水は、部下が勇気を出して提案してくれることを歓迎しています。
清水 「僕は現場を見ていないので、現場を見ているメンバーから僕が考えた前提を変えるような提案があるとありがたいです。最近、新卒2年目のメンバーから、カスタマーサクセスの前提となる定義を見直したいという提案がありました。
実際に現場でこういうことが起きているから、こう変えたいと伝えてくれたんです。多分、それを言うのは怖かったはずなんです。ある意味上司のやり方を否定するとも言えますから。
でも僕は、きちんと対策案を練って伝えてくれたことがすごく嬉しかったんですよね。より良くするための提案を部下がどんどんしてくれるチームになってきていると感じます」
マネージャーだけでなく、メンバーも本音を伝え合うことができるチーム。これこそ、うるるが目指すシナプス組織の姿なのです。
個人の目標を支援しつつ、チームは新たな道へ進む
シナプス組織のコアラーである橋口には、今後他のメンバーをマネジメントするコアとなる可能性があります。しかし、橋口は他にやりたいことを見つけ、そこに向かって進んでいきたいという想いも持っているのです。
橋口 「僕は、カスタマーサクセスでつまづいて自分は何もできないと痛感したことがきっかけで、数年前から事業部に還元できる特殊能力を身につけたいと思っていました。
そしてようやく、データサイエンティストになるという目標を見つけたんです。データサイエンティストを目指したいという想いは清水にも理解してもらえて、カスタマーサクセスチームのなかでスキルを身につけられるよう、流れを作ってもらいました。
とはいえ、後輩が増えたことで少しずつ育成の楽しさもわかってきたんです。だから今後はコアとしてコアラーを育成する道も残しつつ、スキルアップを目指していきたいと思っています」
マネージャーとしてチームをまとめる清水は、転換期を迎えたNJSSのカスタマーサクセスを再現性のある仕組みとして確立させたいと考えています。
清水 「まずは人力で切り拓いてフローをつくり、自動化や標準化できる部分はどこかを考えて仕組み化していくことが目標です。
仕組みができあがれば、他のサービスの特性に合わせて再現できるのではないかと考えています。顧客満足度を高めるため他のサービスも仕組み化していくというのが、次のステップですね」
そして清水には、次々と立ち上がる新しい事業に携わりたいという想いもあります。
清水 「今期はあらゆる施策を打たせてもらい、来期に具体的な課題と直面できる状況になるので、NJSSカスタマーサクセスの課題は来期中に解決したいと考えています。
そして、うるるはどんどん新しい事業を立ち上げていくべきだと思っているので、そちらにも携わっていきたいですね」
転換期を迎えているカスタマーサクセスチームを、適切なコミュニケーションでマネジメントしている清水。橋口をはじめとするメンバーも、本音で報告することでそれに応えています。
カスタマーサクセスチームの取り組みが、今後NJSSやうるる全体にどのような影響をもたらすのか。ご期待ください。