こんにちは、TOWNの永井隼人です。2016年12月16日、TOWN株式会社と株式会社レウィングコーポレーションが合併しました。不動産会社として8年前に創業したレウィングは、不動産清掃業からはじめ、原状回復工事業、リフォーム業、賃貸管理業、サブリース業と、事業転換を繰り返し、不動産賃貸流通プラットフォームにたどり着きました。その経緯を少しご紹介したいと思います。
不動産メンテナンス事業での起業のきっかけ
1日の始まりと終わりを過ごす住まい、人々の生活と密着している不動産に魅力を感じて、2005年4月にハウスコム株式会社という不動産会社へ入社しました。不動産の仕事は未経験でしたが、ハウスコムで不動産についての知識を0から教えていただき、2年ほどで沼津店の店長を任せて頂けるようになりました。沼津店で賃貸仲介業を続けていく中で、不動産のオーナーの方が不動産の老朽化に不安を持っていることがわかりました。物件の老朽化が進んでいるけれど、入居者が決まりにくく家賃収入が減っているから、大きな費用が掛かる建て替えは出来ない、メンテナンスで長く使えるようにしたいという声が多くありました。そのことをすでに起業していた兄(TOWN株式会社、代表取締役永井)に相談したところ、「自分で起業してやってみたらいい。起業のサポートするから。」とアドバイスをもらい、2008年9月に沼津で不動産メンテナンス事業の「株式会社レウィングコーポレーション」(以下:レウィング)を起業しました。起業して社会の役に立ちたいという思いもありました。ただ、先に起業していた兄に仕事での視野の広さで差が付けられていることが悔しくて、追い付きたいという思いも強かったです。
お客は増えるが不動産メンテナンス事業で解決できない入居率
オーナーの方のところへ、起業してからほぼ毎日、20件ずつ訪問し続けていました(3ヶ月ぐらい訪問し続けると番犬が吠えなくなります)。オーナーの一人ひとりからお部屋の現状を聞くと、どのオーナーも空室対策に頭を悩ませていました。不動産メンテナンスは、お部屋を綺麗にすることでその部屋の魅力を引き上げます。リフォームや部屋の装飾をすることで、物件チラシを見た入居希望者や、内見に来ていただいた入居希望者にお部屋の良さをアピールすることができます。また、入居者へのアフターサービスとしてお部屋の不具合やトラブルの対応を行うことで、オーナーの手間を減らすことが出来ます。ですが、不動産メンテナンス自体が入居希望者に営業をかけることは出来ません。どんなにお部屋をメンテナンスしても、入居希望者の目に触れさせられないかぎり、入居率を上げることは難しく、次第に不動産メンテナンス事業での空室対策に限界を感じはじめました。
不動産賃貸管理業で見えた可能性
不動産メンテナンス事業を6年間続ける中で、沼津の40社以上の賃貸仲介会社との信頼関係が出来ていました。このつながりを活かし、2015年4月、オーナーに代わって賃貸仲介会社にお部屋を営業する不動産賃貸管理業を始めました。事業開始からすぐに、10年間空室だった築23年のお部屋がリフォームやメンテナンスなどのお金を使わずに、募集から3ヶ月で入居が決まったり、市場に合った適正な家賃にしたことで3年間空室だった築31年のお部屋が1ヶ月で入居が決まったり、募集開始から約4ヶ月で90%以上が入居されるようになりました。これらの経験から、必要以上に新しく建設したり、過剰なリフォームを行なったりしなくても、最適な投資で立地や条件に合ったメンテナンスを行い、適正な家賃を設定することで、お部屋を流通させられることがわかり、流通の可能性の大きさを感じました。
新しいインターネットサービスを設計
賃貸業界には、仲介手数料や広告料、敷金、礼金など複雑な商習慣があります。この商習慣は入居者にとってとてもわかりづらく、オーナーや賃貸仲介会社にとっては決済の手間がかかります。これを解決するには、オペレーションの自動化や顧客対応のオンライン化など、さまざまな業務にIT化が必要でした。そこで、2015年5月、オーナーが貸しやすく、賃貸仲介会社が仲介しやすく、入居希望者が入居しやすい不動産賃貸流通プラットフォーム「TOWN」(https://town.me/)をTOWN株式会社とともにリリースしました。リアルのレウィングとITのTOWNと役割が明確だったので、とてもスムーズに仕事が出来ました。そして一緒に仕事をしていく中で、別の組織でなく同じの組織のほうがよりスムーズに仕事ができると考え、現在は、TOWN株式会社と株式会社レウィングコーポレーションが合併し、レウィングのメンバーはこのサービスに集中して取り組んでいます。
日本の空室を世界の資産に
日本は少子高齢化社会に伴い、空室率が上がっていますが、TOWNの入居希望者に外国の方が増えてきています。日本への移住者も2012年から年々増えているので、今後は外国の方へのサービスを充実していこうと考えています。日本には、世界に誇れる魅力的な土地や文化がたくさんあります。このまま人口減少による衰退を待っているのではなく、日本の余っている空室を世界の資産に変えて、地域を活気付けたいと考えています。