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Tokyo Artisan Intelligence株式会社(以下、TAI)でAIエンジニアとして開発と現場対応の両軸を担うKさん。画像処理を軸とした研究や国際学会での発表、国内外企業でのインターンを経て前職ではAI開発に従事し、2024年にTAIへ入社しました。現在はロボットや鉄道関連のフィジカルAIの中核をなすプロジェクトでアルゴリズム開発から要件定義、現場での実験まで幅広く担当し、技術を社会につなげる役割を担っています。
今回は、研究者からフィジカルAI※エンジニアへとキャリアをシフトした背景や、スタートアップの現場で感じるやりがいについて伺いました。
※フィジカルAI:AIを搭載したロボットやエッジデバイスが、現実世界(フィジカル空間)で直接行動し、環境を理解し、相互作用を行う技術領域のこと
プロフィール
2020年、北九州市立大学大学院の修士課程(情報工学専攻)修了。修士課程では画像処理・信号処理を専門に研究し、国内外の学会で論文発表を行う。AIスタートアップや大手企業のAI部門、イタリアのBrescia大学などで研究・開発インターンに参加し、幅広くAI領域に取り組む。博士課程では学振DC1の内定を得るが、コロナ禍によって当初予定していた進路を諦めざるを得ず退学を決断。2021年より国内AIスタートアップにてAI開発に従事した後、2024年11月にTAIへ参画。AIエンジニアとして開発業務を担当するほか、FAE (Field Application Engineer: 技術営業)として現場での実装や顧客対応にも携わる。
研究で磨いた技術を社会へ。研究者から現場のAIエンジニアへ踏み出した理由
Q:まずは、これまでのキャリアとTAIに入社された経緯を教えてください。
大学院では画像処理や信号処理を研究し、複数の企業や研究機関でのインターンで画像復元、異常検知、強化学習によるゲームAIなど幅広いテーマに取り組みました。研究に没頭する一方で、「技術が実際の現場でどのように使われるのか」を知りたいという思いが強くなり、より実践的な環境に身を置くために大学を離れる決断をしました。その後は国内のAIスタートアップでモデル開発に携わり、そこで初めて「技術の事業化」や「顧客に価値を届けること」が想像以上に難しいことだと学びました。
Q:そこからスタートアップのTAIを選ばれたのには、どんな背景があったのでしょうか?
前職の人事担当者からの紹介がきっかけでTAIを知りました。スタートアップでありながらすでに社会実装されているプロジェクトがいくつもあることを知り、自分の技術でお客様の課題の手助けができる環境に魅力を感じました。
入社の決め手になったのは、大学教授でもあるCEOの中原さんの存在です。お話をする中で、「社会人博士という道もあるよ」と提案していただき、研究にも実装にも軸足を置ける環境であれば、技術者としてのキャリアの幅も広げながら、将来的には一度断念した博士への挑戦も、社会人博士という形で視野に入れられるのではないかと考えるようになりました。
そのような点に魅力を感じ、2024年11月にTAIへの入社を決めました。
Q:入社前に描いていたイメージと、実際に働いてみて感じた違いはありましたか?
入社前から「現場に行く機会が多い」と聞いていたので、業務面に関しては大きなギャップはありませんでした。一方で、中原さんについては、教授ということもありもっと居室に篭って粛々と物事を進めていくタイプかと思っていましたが、実際はとてもパワフルで、気さくに会話できるフラットな雰囲気に驚きました。
AI開発については、周囲から「実際にやってみると大変」とは聞いていたものの、何事も自分で経験してみないとわからないという信念から、キャリアの中でいずれは経験しておきたいと思っていました。いざ取り組んでみると、やはり想像以上に難しく大変なことばかりではありますが、課題のヒアリングから開発、現場への導入まで一連の流れに関わるなかで、TAIの技術によってお客様の課題解決に貢献できているという実感が大きなやりがいにつながっています。
入社翌日から現場へ。代表と並走しながら成長できる環境
Q:入社後の最初のプロジェクトには、どのように参加したのでしょうか?
入社初日はオリエンテーションがありましたが、翌日からすぐにプロジェクトに参加しました。ちょうどロボット関連の案件が名古屋で進行しており、先輩メンバーに同行して現場に入りました。前任者が丁寧な引き継ぎ資料を残してくださっていたため、背景や技術的な方針もスムーズに理解できました。
開発現場では、中原さんをはじめ周囲のメンバーが相談に乗ってくださり、名古屋駅から現場へ移動する車の中で会社の話や今後の展望を伺う機会も度々ありました。入社当初からそうした機会を頂けたことは、とても大きかったと感じています。
ロボット開発の現場です。配線や加工など慣れないことも多く大変ですが、フィジカルなものづくりはやりがいがあります
Q:TAIでは、日頃どのようにメンバーや代表とコミュニケーションを取っていますか?
メンバー間での日頃のコミュニケーションはとてもフラットで、技術的な相談から雑談まで自然に話しやすい雰囲気があります。中原さんとも、仕事の合間の時間に業務の進め方やキャリアについて話す機会が多く、普段から声をかけやすい距離感があります。
特に思い出深いのは、私の結婚式で中原さんにスピーチをしていただいたことです。CEOであり大学教授という立場でご多忙な中ご参列くださった上、スピーチでは式当日の出来事も即興で織り込んでお話しくださり、会場を大いに盛り上げていただきました。
お客様の声がダイレクトに返ってくる。技術が「現場で動く」手応え
Q:現在取り組んでいる業務や、やりがいを感じる瞬間について教えてください。
現在は、ロボット関連のプロジェクトを中心にAIエンジニアとして開発を担当しています。これは先ほどもお話しした入社直後から関わってきたプロジェクトで、これは先ほどもお話しした入社直後から関わってきたプロジェクトで、現場でお客様にロボットが動いている様子をお披露目した際には「すごいですね」「次のアップデートも楽しみにしています」と前向きな言葉をいただけて、達成感がありました。AIというと、コンソールに結果を出力したり、画像に情報を書き込んだりと、普段は画面の中でしかその動きを見ることがないので、実際のロボットに組み込まれて動いている様子が目に見えるのは大きなモチベーションにつながっており、フィジカルAI開発の醍醐味を感じています。
また、TAIではソフトウェア開発だけでなく、FAEとしてお客様のもとへ伺い、製品の導入や保守なども行います。ハードウェアの知識も自然と身につきますし、展示会に出展してお客様とお話したり、お客様と一緒に実証実験をしたりと、リアルなフィードバックを直で得ながら改善を重ねていける点は、AIエンジニアとFAEの兼務という働き方ができるTAIならではの面白さだと感じています。
鉄道関連会社が一堂に集まる鉄道技術展で共同開発プロダクトの説明をしました
技術だけで終わらない。現場で磨かれる業務の幅と成長
Q:実際に働く中で、どのような場面で成長を実感していますか?
TAIに入ってからは、これまで経験してこなかった領域にも積極的に関わるようになり、自分でも成長を実感しています。実際に現場に行って状況を見ながら改善していくという業務は、今まで得られなかった経験です。
また、顧客の課題のヒアリングやソリューションの提案など営業的なプロセスにも触れるようになり、業務の幅が広がりました。複数のプロジェクトを同時に進めることも多く、正直大変な時期もありましたが、その分だけ自分の裁量や責任が大きくなり、半年を振り返るだけでもかなり成長した実感があります。
TAIはスタートアップならではのスピード感がありつつ、案件のバリエーションが多く、自分の手で挑戦できる範囲が広いのが魅力です。「現場で役に立つAI」を作る過程を一気通貫で経験できることが、成長につながっていると感じています。
実装から現場まで一気通貫。若手エンジニアが一番成長できる環境とは
Q:研究者を経て、スタートアップで働く魅力について教えてください。
スタートアップで働く面白さは、「挑戦できる領域の広さ」と「自分のアウトプットがすぐ現場に届く」点にあると感じています。TAIではロボットや鉄道など、普通のエンジニアキャリアではなかなか触れられない領域の案件に携わることができ、毎回新しい発見があります。また、課題を解決することができるのであれば、どんな手法を使うのかは各自の裁量に委ねられているため、自分の技術をどう組み合わせて目標を達成するかを自由に試せる環境です。
また、複数のプロジェクトを同時に進めることも多く、正直大変な場面もありますが、その分だけ裁量や責任が大きく、短期間で成長している実感があります。技術が社会で使われていくプロセスを間近で見られるのも、スタートアップならではの魅力だと思います。
Q:若手エンジニアに伝えたいことはありますか?
私が大切にしているのは、「何事も自分で経験してみること」です。研究も開発も、人の経験談を聞いているだけでは分からない部分が多く、実際に手を動かし、自分が経験することで初めて理解できることがあります。そうした自分なりの発見を重ねる中で、自分がどのような役割を持って働きたいのか、どのような環境で成長したいのかが自然と見えてくるのではないかと思います。
技術の幅を広げ、未来の仲間を支える。TAIで描くこれからのキャリア
Q:今後挑戦したいことや、キャリアの展望について教えてください。
もともと30代ではマネージャーとしてチームをリードしたいという思いがありましたが、TAIに入ってからはAI開発だけでなく、営業的なやり取りやFAEとしての現場対応など、これまで経験してこなかった分野にも関わるようになり視野がさらに広がりました。
技術面では、半導体チップの専門知識を持つメンバーが社内にいるので、そうした領域にも挑戦し、エンジニアとしての幅を広げていきたいと考えています。また、中原さんの存在もあり、社会人博士に挑戦することも将来的な選択肢の一つです。また、自分自身の技術の幅を広げるだけでなく、これから入ってくるメンバーの育成にも関わっていきたいと考えています。TAIは、技術開発から現場への導入まで携われる環境なので、その経験を次の世代にも共有しながら、自分の役割の広がりとともにチームの成長にも貢献していきたいです。
TAIでは積極採用中です!ぜひお気軽にご連絡ください。