今年5月、TOKIUMでは「経理AIエージェント」という新しいソリューションの提供開始を発表しました。
TOKIUM、業務の自動運転を支援する「経理AIエージェント」の提供を発表
「経理業務にAIって、具体的にどういうこと?」
「なんだか難しそう……」
そう思った方もいらっしゃるかもしれません。
今回は、客観的なデータに基づき、なぜ今、経理業務にAIが不可欠なのか、そしてTOKIUMが提供する「経理AIエージェント」が秘める可能性について、わかりやすく解説していきます。
目次
伸びゆくAI市場と「AIエージェント」の衝撃
日本企業のAI導入は道半ば、企業が直面する「AIを使いこなす以前の壁」
なぜ経理業務にAI導入が進まないのか?
TOKIUMが「経理AIエージェント」を推進する理由
TOKIUMだからできる、AIとプロスタッフが連携した「経理AIエージェント」
「人の力」を組み合わせることで、AIの出力精度を高める
AI導入を成功させる「定着化サポート」
今後の展望:AIエージェントの拡張と“業務の自動運転”
伸びゆくAI市場と「AIエージェント」の衝撃
ChatGPT3.5の登場以来、AIは急速に普及し、その勢いは市場規模にもはっきり現れています。
IDC Japanの調査¹ によると、2024年の国内AIシステム市場は前年比56.5%増の1兆3,412億円に達すると予測されています。さらに驚くべきことに、2029年には2024年比で3.1倍の4兆1,873億円にまで成長すると予測されています(年平均成長率25.6%)。
この成長率は、国内ITサービス市場の年間平均成長率6.6%²や国内ソフトウェア市場全体の年間平均成長率10.7%³と比較しても突出しており、AI市場がこれからの社会を牽引する中心的な技術であることを明確に示しています。
特に注目すべきは、AIの進化の方向性です。2024年頃から、AIは単なる「アシスタント」から、自律的に判断し実行する「AIエージェント」へと大きく発展しました。
そして今後は、複数のAIエージェントが連携し、より複雑な業務を自動化する「マルチAIエージェント」への急速な発展が期待されています。
これは、 AIが単なる「アシスタント」から自律的に実行する「エージェント」へと進化することで、これまで人間の高度な判断が必要だった複雑な業務も、AIの力で解決できる可能性が高まった、ということを意味しています。
出典:
¹ IDC「国内AIシステム市場予測、2024年~2029年」
² IDC「国内ITサービス市場予測、2024年~2029年」
³ IDC「国内ソフトウェア市場予測、2023年~2028年」
日本企業のAI導入は道半ば、企業が直面する「AIを使いこなす以前の壁」
これほどまでにAI市場が拡大し、技術が進化しているにも関わらず、日本の企業におけるAIの導入はまだ途上にあります。
JUAS(一般社団法人 日本情報システムユーザー協会)の調査によると、生成AIの導入済み企業は「言語系生成AI」は21%、「画像および動画系生成AI」は7%と、多くの企業で「検討段階」にとどまっています。
このように、生成AIを含むツールの活用は、まだ広く定着しているとは言えません。多くの企業が「そもそもAIをどう使えばいいのか」という、“使いこなす以前の壁”に直面しているのが現状です。特に、経理部門においてはその傾向が顕著となっています。
なぜ経理業務にAI導入が進まないのか?
最近では、さまざまな分野でAIを活用した業務改善・効率化の事例が増えてきましたが、経理業務については、以下のような特性があるため、他の業務に比べてAI導入が進みにくいのが実情です。
- 専門性の高さ:会計基準や税法など専門知識が必要で、AIに正確な処理を任せられるか不安がある。
- アナログ業務の存在:紙の帳票や押印が必要な業務が多く、AI活用の前にまず電子化が求められる。
- 業務プロセスの複雑さ:会社ごとの業務フローや属人作業が多く、どこからAIを使えばいいか判断しづらい。
これらの壁は、汎用的なAIだけではなかなか乗り越えられません。経理業務の複雑な文脈を理解し業務に特化した、かつ「信頼できる」AIが求められているのです。
TOKIUMが「経理AIエージェント」を推進する理由
AI導入がまだ十分に浸透していない状況に加え、日本全体では少子高齢化による人口減少の影響で深刻な人材不足に直面しています。特に地方では急激な人手不足が進行しており、この波は経理部門にも強く押し寄せています。
特に、経理業務は専門性が高く、かつ直接的に売上を生み出す部門ではないため、人手不足になっても人員補充が難しいという特殊な事情があります。結果として、今後「経理が回らない」という企業が加速度的に増えていくことが懸念されています。
こうした喫緊の課題を解決し、経理部門の生産性を抜本的に向上させるため、TOKIUMは「経理AIエージェント」という新しいソリューションの提供開始を決定しました。
TOKIUMだからできる、AIとプロスタッフが連携した「経理AIエージェント」
通常のAIエージェントは、「人に指定された作業をこなす」ことに留まっていました。
しかし、TOKIUMの経理AIエージェントは、AIエージェントに加えてオンラインオペレーターや派遣スタッフといった「人の力」を最適に組み合わせることで、事前申請や突合作業などの「あらゆる経理作業をまるごと手放す」ことができるようになります。
このような革新的なサービスが実現できるのは、TOKIUMがこれまで培ってきた明確な強みがあるからです。市場にはさまざまなAIソリューションがありますが、以下のような点がTOKIUMの独自性となっています。
・正確さの求められる経理業務において、精度の高いサービスを10年以上にわたって提供
・システム×人力による独自のオペレーションノウハウ
・独自のオペレーション体制を支える、約8,000人のオペレーターをはじめとする「プロスタッフ」
「人の力」を組み合わせることで、AIの出力精度を高める
特に、この「人の力」はAIの出力精度を高める上で極めて重要です。その核となるのが「ヒューマン・イン・ザ・ループ(以下、HITL)」というプロセスです。
HITLとは、AIが出した結果を人間が確認・修正し、さらにその評価をAIにフィードバックすることで、AI自身が継続的に学習し、性能を向上させていく仕組みです。
AIが難しい判断に直面したときやイレギュラーなケースでは、人が自分の目で確認し、必要に応じて修正します。この一連の作業がAIに「アンラーニング」(誤った学習を修正すること)を促し、より賢く、より正確なAIへと成長させていきます。
TOKIUMは、これまで10年以上かけてオンラインオペレーターが領収書や請求書のデータ化を行っており、今では8,000人以上が稼働する規模まで拡大しています。この経験を通じて、TOKIUMにはHITLに必要な仕組みと豊富なノウハウがすでに蓄積されています。だからこそ、すぐにでも使える実用レベルのAIエージェントを、スピーディーに提供できます。
AI導入を成功させる「定着化サポート」
また、AIエージェントがスムーズに業務に溶け込むためには、どうしても人のサポートが欠かせません。例えば、AIでは対応できない紙の書類の受け取りやスキャン作業などは、TOKIUMは2ヶ所にある大規模な自社スキャンセンターで、そうした物理的なデータ取り込みを代行します。
さらに、お客様のオフィスにTOKIUMの専門スタッフが常駐し、AIエージェントへの入力データ収集や、AIの動きが正しいかどうかの確認、そしてAIが部署の作業にフィットして「定着」するまでを支援することも可能です。
今後の展望:AIエージェントの拡張と“業務の自動運転”
TOKIUMは経理AIエージェントの第1弾として、今夏に「TOKIUM AI 出張手配」の提供を開始する予定です。
経費精算の中でも、出張に伴う申請や精算業務は負担が大きく、出張手配そのものの効率化が不可欠です。これは経理部門のチェック業務負担を大幅に軽減し、最も大きな効果が期待されます。
その後も、社内規程などのルールに沿って承認を代行するエージェント、発注データと請求データを自動で照合して不一致の場合のみ通知する照合エージェントなどを順次リリースする予定です。
私たちが目指すのは、「ユーザーがソフトウェアのUIを直接操作する」のではなく、まるで自動運転のように「AIが動いてくれる時代」です。
私たちは、AIの力で、人々がより創造的で、より価値のある仕事に集中できる社会を創り出すことを目指しています。
「経理」という領域は、一見地味に見えるかもしれません。しかし、日本のあらゆる企業の根幹を支える、非常に重要な役割を担っています。
この重要な領域に、最先端のAI技術を投入することで、TOKIUMは社会に大きなインパクトを与え、「未来につながる時を生む」という志の実現を目指しています。
少しでも興味を持たれた方は、ぜひカジュアル面談からお話ししましょう!