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社長インタビュー

樋口さんの現在の仕事に影響を与えた経験を教えてください。

たくさんありますが、あえて二つあげるとすると、新卒で小売業のコンサルティング専業のコンサルティングファームに入社した経験と、2000年前後のネットバブルの際に、SHIPS企業の創業メンバーに加わったことです。この二つが現在の僕のバックボーンになりました。ネットやデジタルマーケティングなどという言葉が存在しなかった、90年代の小売業の成長を支援してきたということと、インターネットビジネスの勃興期にその立ち上げを支援したというリアルとネットの経験です。

シンクエージェント創業の経緯とエピソードを教えてください。

シンクエージェントの前身は、IMJグループの傘下にあったIMJビジネスコンサルティングという会社です。僕はこの会社のCOOを務めていたのですが、経営上の意見の食い違いなどもあり、スピンアウトする形でシンクエージェントを立ち上げました。2007年のことです。その時のスタートアップメンバーは3名で、場所も青山通りの裏手のレンタルオフィス。ただ幸いにもIMJグループ時代のネットワークや各種実績もあり、仕事にはさほど困りませんでした。 また、今は大会社になっている某大手代理店系インタラクティブエージェンシーの第二創業期を手伝ったり、某大手通信キャリアのWeb戦略推進を手伝ったり、新しいビジネスの枠組みを作り直した時期でしたね。この辺から普通の大企業がインターネット戦略を本気で考えるようになっていきました。

日々の生活の中で大切にしていることは何ですか?

『発見』ですね。常に発見。アテンションエコノミーという言葉が10年くらい前から言われてますが、情報過多で情報疲れ…。 社会の誰もがそうだとは思いますが、『もう、新しい情報はいらないよ!』となりがちです。でも、SNSなどで投稿してみるとわかるのですが、『情報提供』ではなく『発見』は不思議と人々の関心を集めます。全く同じ画像をインスタグラムに投稿しても、それを情報として投稿するのと、発見したことを言葉につけて提示するのでは、レスポンスが全く異なります。 世の中みんな『情報には食傷しているのですが、発見には飢えている』のですよ。雑音が多すぎて、いろんな大事なことが見えなくなってるのだと思います。

今一番関心のあるテーマはなんですか?

リアル店舗のデジタル武装。最終形としては無人店舗。具体的にはAmazonGoのようなものですね。あとはVR技術と画像認識技術。これらをうまく使えば、これまでにないお買物体験や旅行・スポーツなどの疑似体験が街中でできると思っています。

シンクエージェントってひとことで言うとどんな会社ですか?

『一般社会や現在にあまり迎合しない会社』(笑)。それでいて、マジョリティの人々のリアルな生活にコミットしようとするコンサルティング会社ですね。 消費社会や生活者の価値観に対して疎いコンサルティング会社が多いというのが、ずっと不思議でなりませんでした。でも実際そうなのですよ。どんなに技術や経済が進んでも人々の生活や快適で豊かにならないとどうしようもないのに。

シンクエージェントは今どんな人材を求めているんですか?

自主独立の気風を持ちつつ、自分の専門性を人と掛け合わせて高めていくのを楽しめる人ですね。 理想を言うと、坂本竜馬のフットワークと現実主義、シャーロックホームズの知性と神出鬼没ぶりを足して二で割ったような人ですね。あ、そんな人いない?

最後に、樋口さんの野望を教えてください。

野望は、抽象的に言えば社会変革。 もうちょっと具体的に言うと、所有とか所属の概念を破壊してゆくことですね。別に共産主義者ではありません。でも資本主義の制度疲労は非常に実感しています。なので、モノについて言えばシェアリングエコノミーのような多人数での所有、国や企業などの組織について言えば、多国籍で複数企業への所属を可能にする社会……に変革してゆくべきだと思います。

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