タクティブで実際に働くメンバーの「入社のキッカケ」や「働き方」を深堀りし、リアルな実態をお伝えする社員インタビュー企画第6弾!
今回は北の大地、北海道函館市で活躍する吉田拓磨さんにこれまでのキャリアについてお話をお伺いしました。苦労や挫折を経験したからこそ、いまある卓球への想いを語ってもらいました。
卓球の出会い
最初に、卓球をはじめたきっかけを教えてください。
初めて卓球をしたのは小学校4年生でした。放課後によく児童館に通っていて、そこに設置卓球台で遊んだのが始まりです。
半年ほど経った頃、市の児童館対抗の卓球大会に初めて参加する機会がありそこで初めての試合を経験しました。ドキドキしながら参加したものの、結果は誰が見てもわかりやすい負け試合でした。それが本当に悔しくて、これを機に地元のクラブチームに入って本格的に卓球を始めることになりました。
部活動の始まりと、最初の壁。
それから、どのようにして卓球に打ち込むようになったのでしょうか?
まず、中学生になって卓球部に入部しました。
部活動は楽しく練習にも一生懸命取り組んではいたものの、試合では思ったような結果が出せずに悶々とした日々を過ごしました。あまりに思い悩んでしまい「こんなことなら、卓球をやめようかな」という考えが頭によぎったほどです。
その際、胸の内を両親に相談したところ「本気で頑張るなら」と隣町にあった強いクラブチームに移籍することを提案されました。正直、これには本当に悩みました。強いチームで練習して自分の実力を磨くこと、そのチームにいる同世代の子と団体を組んで全国大会を目指すこと、今の学校やチームを離れることなど、さまざまなことを天秤にかけ、最終的に「転校とチームの移籍」という決断をしました。
それは随分と大きな決断でしたね、その後どんな変化があったのでしょうか?
隣町の学校に転校をして、まず毎朝自転車で1時間ほどかけて通う日々が始まりました。
学校が終わるとそのまま隣町のクラブチームで練習に打ち込み、夜には親が迎えにきて車に自転車を積んでもらって自宅へ帰る。以前とは様変わりした、そんなハードな毎日を送っていました。今考えると、自分でもよく頑張っていたなと思います(笑)
結果として、中学生の間に個人戦・団体戦ともに全国大会へ出場することができました。本当に嬉しかったし、悩んだけれどあの時に決断して良かったなと思えました。さらに高校もスポーツ推薦で声をかけていただき、無事に進学することができました。
改めて弱気だった私の背中を押し、親身に支えてくれた両親の協力がなければこの結果は出ていなかったと思います。改めて思い返し、本当に感謝しています。
高校、大学時代の様子を教えてください。
スポーツ推薦で進学した高校では函館だったので、初めて親元を離れて生活をしました。そしてありがたいことに、大学も関東のトップ校に進むことができました。
ここまで聞くと、とても順調な人生だったように聞こえるかもしれません。
しかし、ここで私は大きな挫折を経験します。大学の学業の面でうまくいかなくなり、ついに学校を辞めることになってしまったのです。そして同時に、卓球からも離れることになってしまいました。今振り返ると高校まで卓球をやり込んできた反動もあり、大学に入ってからは少し気持ちが抜けてしまったのかなと思っています。
いざ長年やってきた卓球から離れてみると、沸々とさまざまな感情が頭の中で混ざり合いました。それは「また卓球をやりたいなあ」という思いや「私は、卓球が好きだったなあ」という寂しい気持ち。何より、卓球に対して煮え切らなさや後悔している自分に気がつきました。
今思うと、この挫折がタクティブへの入社につながったと思います。
地元企業への就職と、タクティブへの転職。
その後、どのような経緯を経て タクティブへの転職することになったのでしょうか?
大学を辞めて地元企業に就職して約3年たったころ、高校の時の恩師に声をかけてもらったことがきっかけです。
正直なところ、はじめは「卓球で仕事をする」というイメージが湧きませんでした。でも大学時代の後悔もあり「もう一度卓球に携わりたいな」という気持ちが強くなりました。また競技としての卓球の魅力以上に、卓球を通した「人とのつながり」や「縁」というものの素晴らしさを強く感じていたので、その経験を多くの人に伝えていきたいとも感じるようになりました。
そして何よりも私自身、函館という土地には特別な思いがありました。
高校時代、卓球に打ち込んだ町であり、初めて全国大会への切符を手にしたのも函館だった。だから最後は「函館なら」という、強い気持ちに動かされたのかもしれません。
転職する上で不安はありましたか?
当時は、ドキドキやワクワクという気持ちの方が大きかったです。
でもしばらく卓球から離れていたので、技術面と体力面の心配はありました。また当時、首都圏メインのタクティブにおける北海道エリアへの初出店でもあったのでプレッシャーもありましたし、自分の能力でどこまで貢献できるのかという不安はありました。
タクティブ入社と、北海道のオープン
入社後の様子を教えてください。
2017年12月にタクティブに入社し、入社後の約4ヶ月間に東京の店舗でレッスンや接客、店舗運営などの研修を受けました。研修を終えるとオープンの約2週間前に函館に戻り、そこから大急ぎで開店準備をすすめました。
雪の影響で工事が遅れるなどのトラブルにも見舞われ、オープンまでは本当にドタバタの毎日でした。でもスタッフみんなで協力し、無事にオープン日を迎えられたことは今となっては本当に良い思い出です。
はじめての北海道進出。オープン直後のお店の様子はどうでしたか?
はじめは卓球経験者の方がぽつぽつと来店してくれたものの、卓球未経験の方はほとんど来店がありませんでした。
私の印象ですが、東京だと割と新しいモノに対して抵抗がないのに対して「函館では浸透していくのに時間がかかるのかな?」と感じていました。気になってはいるけど踏み出す人が少ない。でも、良いモノだとわかって認めてくれると長い付き合いになる。そんな印象を受けました。
また当初、価格が高いという声もありました。函館だと卓球スクールのようなサービスは少なく、卓球経験者は市営体育館で入館料を払って知り合いと卓球をします。運動をしたい方にとっても「お金を払って卓球を習う」という習慣は珍しいという感覚だったようです。
そこでまずは価値を感じてもらえるようにチラシを配ったり、クラブや学校に足を運んで挨拶をしたり、出張体験レッスンをしたりといった地道な活動を始めました。加えてレッスンメニューやサービスの改善、お客様に喜んでもらえるようなイベントの企画など試行錯誤しながら店舗運営を進めて行きました。
地道な努力と、その先に見えたもの。
そこから、どういった変化がありましたか?
開店当初と比べると、地元に受け入れてもらえたなと感じることが増えました。
最近では1時間4,000円の価値を実感してくれる方も増えて、週1〜2回定期的に通ってくださる方や2時間以上かけて遠方からレッスンに来てくださる方もいらっしゃいます。
また、ジュニア教室の生徒が増えたことでお店が賑わっていきました。保護者間のつながりもあって口コミでタクティブ函館店を紹介いただいて、徐々に認知が広がっていったようです。他にも学童や児童館で卓球をやってみて、面白い!と思ってくれた子どもたちが「卓球のスクールがあるらしいよ」「自分も習ってみたいな」という感じで、習い事の感覚で集まってもらえるような場所にもなっています。
今では全店舗の中でもジュニアの生徒数がダントツに多く、最近はコロナの影響もあって少し減ってはいますが通常時では100名前後の生徒が通っています。
卓球という仕事と、やりがい。
仕事を通して、やりがいを感じる瞬間はどんなときですか?
「卓球を通して、人とつながる魅力を伝えていきたい」
そんな思いをもって転職したのもあったので、教室レッスンが終わった後にお客様同士が声を掛け合って台貸しを利用されるなど、まさに人と人が卓球を通してつながっていく姿を見ると本当にやりがいを感じます。
また函館店では小学生の大会なども開催しているのですが、ある生徒さんがいつも楽しそうにワイワイ卓球をしているのに、試合に負けて悔しくて泣いてしまった場面を見るとまた違った感情が湧き出てきます。自分も経験してきた「負けて悔しい」「練習をもっとしたい」「勝って嬉しい」など、卓球をしているからこそできる体験や価値を提供できていると思えてとてもうれしかったですね。
出会いを繋げたり、新しい体験を提供できたり。そういった瞬間に出会うと、この仕事をしていてよかったなあと感じます。
函館と卓球と、これから。
今後の目標を教えてください。
函館の卓球人口を増やすことに貢献したいなと思っています。
そのためにはまずジュニア教室の生徒を含め、小中高校生などの学生の実力を底上げしていきたいです。学生が卓球を始めて好きになり、大会などで活躍し、函館の街に嬉しいニュースが響けば卓球に対して興味を持つ人も増えていくのではないかと思っています。
最近は函館で卓球を始めて強くなると強豪校のある札幌や苫小牧など他の地域に出ていってしまうことが多いのですが、函館でやっている子どもたちがそのまま函館で活躍できるような環境を整え、地域を卓球で盛り上げていくことが目標です。今後は市の学校や卓球協会、地域の企業さんとも連携し、普及や強化をはかっていければと思っています。
また、函館は観光地としても有名なので、「温泉卓球」など街ぐるみで卓球を絡めた企画なども実現できたらと考えています。
タクティブで働く魅力
タクティブで働く魅力を教えてください。
卓球インストラクターは、様々な目的で来店されるお客様に対してレッスンを通して楽しさを提供し、目的が達成できるようにサポートしていくお仕事です。人と関わることや、人の役に立つことにやりがいを感じる人には向いていると思います。
卓球を通して得た経験をいろんな人に伝え、共有したいという思いがある人には、ぜひ一緒に卓球を広めていってほしいです。
また、函館という地方の土地だからこそ、卓球の可能性を試行錯誤しながら形にしていけるというやりがいがあります。卓球や仕事に向き合ってやり込める人や、私のように「迷うくらいなら飛び込んじゃえ!」と思える人にとっては、楽しい仕事だと思いますよ。