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インターンシップ制度でカンボジアで看護師として働く

【はじめに】

「Seize the fortune by the forelock(幸運の女神には、前髪しかない)」これは有名な英語のことわざで、幸運の女神には前髪しかないので、向かってくる時につかまえなければならない。通り過ぎてから慌てて捕まえようとしても、後ろ髪がないのでつかむことができない。という教訓のことわざです。

誰もが多かれ少なかれ経験したことがあるのではないでしょうか。チケット購入を迷っている間に値段が2倍以上に値上げしてしまった、買うのを迷っていたものが売り切れてしまい手に入らなくなってしまった等のちょっとしたことから、いつでも会えるからと先延ばしにしていた友人や家族ともう二度と会えなくなってしまった等、即決断して行動しなかったがゆえに大きな後悔をしてしまうことがあります。

自分の決断を信じて、思い立ったらすぐに行動し、とりあえず挑戦してみる、そのような人が結果的に幸運に巡り合うのではないかと私は思います。

私は今回のインターンシップ制度を利用させてもらい、サンライズジャパン病院の就職が決まりました。

サンライズジャパン病院でインターンをしてみて得た体験について述べていこうと思います。

【自己紹介】

2009年卒業後、大学病院のICU、CCU、ERで看護師として働き、2015年オーストラリアへ留学をしました。3年半の海外生活の後、本帰国後は応援ナースとして、沖縄県・北海道・東京都・埼玉県の病院のICUで働きました。パンデミック後はフリーランスとして、新型コロナウイルス陽性者隔離ホテル、酸素ステーション、ワクチン接種、成田検疫期間業務、コロナコールセンター等、新型コロナウイルス感染症に関する看護師業務に従事してきました。

【インターンシップ開始までの経緯】

元々海外旅行が大好きで60カ国以上の国々をほぼ1人で旅をしてきました。いつでも行けると思っていた海外が、新型コロナウイルス感染症の流行により厳しい入国制限が行われ、行きたい場所に自由に行けない、やりたいことが自由にできない状況になりました。徐々に新型コロナウイルス感染症に伴う入国制限が緩和されたタイミングで、2022年11月より東南アジアで過ごすことを決めました。約1か月半は完全に忘れていた英語を思い出すためフィリピンのセブ島へ超短期留学し、その後、

2022年12月よりカンボジアの首都プノンペンで友人と会うために観光目的で入国しました。

カンボジアは10年以上前にアンコール遺跡観光で来たことがありましたが、プノンペンは思っていた以上に都会であり、気候、食事、国民性全てにおいて心地よさを感じました。

2023年1月にVISAを半年延長したタイミングで、観光だけではなく現地で看護師として働くことができる環境を探し、Sunrise Japan Hospital を知りました。問い合せ後、早々に病院見学会を実施してくださり、病院内を見学を通して実際に体験するインターンシップのプログラムについての説明を受け、興味を持ち、2023年2月1日よりインターンとして、病院勤務を開始しました。

【インターンシップをしてみて感じたこと】

  • 病院勤務開始直後の印象としては、看護師スタッフは皆優秀で、患者様への対応も思いやりがあり優しいです。病院は綺麗で新しく、設備は日本同等の医療機器が整備されていました。医療機材や医療物品の多くが日本から取り寄せたものを使用しており、不安が軽減されました。カンボジアスタッフは非常にフレンドリーであり、何もわからない私に、1つ1つ丁寧に教えてくれました。楽しく一緒に働くことができました。

新人研修では病院それぞれの部署の特徴、役割についての説明、部署見学を通して、病院組織構成を深く知ることに役立ちました。BLS講習では緊急時の初期対応を再確認することができました。

また1ヶ月に2回ICUでACLS講習会を行なっており、日々の急変時対応スキル研磨に努める姿勢が印象的でした。

急変は何度経験しても、やはり焦るので日々の訓練は大切だと感じます。

院内での共病通言語は英語で、カンボジア人スタッフと日本人スタッフとの会話、電子カルテ記載の言語も全て英語です。ICUでは主にリーダー業務を体験させていただく中で、英語が聞き取れないことや医療英語がわからないこと等の障害にぶつかる場面が多々ありました。これらの英語力に関しては自身の長期的な課題であると実感しました。

またカンボジア人の患者様の大半はクメール語対応となるため正確な意思疎通はカンボジア人スタッフが、一方日本人患者様への対応は日本人スタッフが行うような臨機応変に役割分担して互いに協力して働く環境です。

カンボジアと日本の医療の違いを痛感する場面も多々ありました。

ポルポト政権により各種システムが崩壊した経緯もあり、カンボジアの医療水準は決して高いとは言えません。高水準の医療を受けるために隣国のタイ等へ渡航する患者数が非常に多いことに驚きました。

また、カンボジアの医療制度は国立・州立病院では一部補助があるものの、私立病院では全額自己負担となり、そのため、金銭的理由から医療を受けることが難しいことや、場合によって断念せざるを得ない状況がある現実だと実感しました。どうにもならないとわかっていながらも、日本だったら….と何度も頭の中で比較してしまったこともあります。

カンボジアでは早期発見早期治療がまだまだ一般的ではないことから、患者様の多くが長年放置し続けた生活習慣病を抱え、医療費が高いため、症状増悪後に来院される方が非常に多いと感じました。

日本は非常に恵まれた国でありその国からの恩恵をどれだけ受けていたのかを改めて痛感させられました。

【カンボジアでの生活】

私がインターン中に滞在したアパートメントはMekong View Tower2です。1LDKで掃除やリネンの交換を週1回依頼することができ、設備としてはプール、ジム、レストラン、売店、公園があり、安全快適に過ごすことができました。

アパートメントは実費負担(上限あり)で病院が負担していただけました。

病院まではトゥクトゥクを利用して10分程度の通勤でした。

食事はフードデリバリーを利用し食事をすることや、外食をすることもありました。プノンペンには日本人が経営している日本食レストランが多数あり、AEONモールもあるため、日本食に困ることはありませんでした。

【プノンペンからの旅行】

首都プノンペンからは多くの観光地へ行くことができるバスが出ています。私は世界遺産アンコールワットで有名なシェムリアップ、蟹市場で有名なケップ、リゾートエリアのシアヌークビルへバスで行きました。特にアンコールワットの日の出は美しかったです。

また、カンボジアはタイ、ベトナム、ラオスの3カ国に囲まれた国であり、カンボジアからそれぞれバスで陸路移動することができます。私はベトナムのホーチミン、リゾートエリアのニャチャンへバスで行きました。

【インターンシップに興味がある方へ】

最後に、海外で看護師として働いてみたい方、私のようにインターンシップ制度を利用してカンボジアで看護師を体験してみるのはどうでしょうか?英語に不安がある、海外生活に不安ある、色々な不安から悩んで行動せずに時間だけが過ぎて行くのは非常にもったいないことです。チャンスは一瞬で、それをいかに掴めるかが大切です。チャンスに気づける人と気づけない人、気づいて行動する人、躊躇する人、選り好みする人がいると思います。

私は、チャンスが巡ってきた時にそのチャンスに向き合い、取り組むとともに挑戦する気持ちを常に持つ続けて行きたいです。また出会えた方々に対する感謝の気持ちを持ち続けて行きたいと考えています。

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